提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え?   作:夏夜月怪像

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CSMファイズギアやキャラ百科を駆使して、たっくんのキャラを掴もうと悪戦苦闘しております(;´∀`)


ファイズ編、ちょっとずつ進めていきます。


22話 : 時告ぐ鐘、命の鼓動

朝方……

 

カーテンの隙間から洩れる陽の光で、巧は目を覚ました。

 

――と言っても、文月を送り届けた後、宿直室ですぐ寝付いた訳ではない。

 

 

「…………ハァ…」

 

寮に着いてから、巧はさっさと戻るつもりだった…のだが、「久々にお腹いっぱいになったから、寝坊しちゃうかもぉ〜」と文月に懐かれてしまい、結局、同室の姉妹艦《長月》と軽巡洋艦《五十鈴(いすず)》に許可を貰い、毛布を借りて一泊することになったのである。

 

 

これだけなら、一般的に羨ましがられる展開であろう。

 

しかし、昨夜はそれだけでは済まなかったのだ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「ふあ……ぁふぅ……。あっ?乾さん、おはよ」

 

「ああ…おはよう」

 

長い髪の寝癖を直しながら、欠伸(あくび)混じりの挨拶をする五十鈴。

それに対する巧の返しも、あっさりとしたものだった。

 

 

「昨夜はよく眠れた?――ありがとね。文月(あの子)…ここ最近、ずっとロクに眠れてない様子だったから」

 

 

巧がすぐに帰れなかった理由……それが、文月の要求だった。

 

食事もまともに摂れず、春島から数々の『汚れ仕事』を強要されたことによる精神的疲労から、文月は睡眠をとることが出来なくなってしまっていたのだが、巧や猪宮と触れ合い、パンを食べたことにより、久方ぶりの生活リズムが目覚め、眠気が生じたのだ。

 

しかし……それは同時に、これまでの疲労を回復するために深く寝落ちする可能性が高いということ。

もし寝坊することになれば、どんな仕打ちを受けるか分からない。そのため、文月は無理を承知で巧に目覚まし役を願い出たのである。

 

 

「気にすんな。俺は元々、夜更かしする割には目覚めが早ぇだけだ」

 

軽く返した巧であったが、正直なところ、巧だって人並みに眠気は来るし、食欲だって普通にある。

 

それでも、昨夜、巧が文月の傍から離れなかったのは、もう一つ理由がある。

 

 

それは……

 

「!」

 

突如、鎮守府内の緊急事態を報せるサイレンが鳴り響いた。

 

 

「なんだ?」

「まさか……また!?」

 

すると、サイレンの音でようやく文月は目を覚ました。

 

「フミィ……あ、たくみちゃんおはよぉ…」

 

まだ半分寝ぼけているのか、声が普段以上にフワフワとしていて頼りない。

 

「起きろ、文月!緊急警報だぞ?」

「ふえぇ……?えっ、警報!?」

 

巧の呼びかけと頬を軽く叩かれたことで、文月は意識をハッキリさせた。

 

 

 

 

「これ…って…」

「服……?なんだって、こんな所に……」

「それに、何?この粉みたいなの……灰?」

 

騒ぎと人集りのある方へ向かうと、そこにはチンピラが着ていそうなチャラチャラした服装や流行り物の服、そしてアクセサリーやナイフが不審な灰の中に埋もれていた。

 

 

「コレって……まさか、また?」

「また…って、以前にもあったのか?」

 

尋ねると、長月はああ、と頷いた。

 

「ここ最近になって、敷地内でこういった灰の山と持ち主の分からない服や所持品が見つかるようになったんだ。提督も、原因について調べてるらしいけど……よく分からないみたいだ。まぁ……アイツがまともに取り合ってくれているかどうかなんて、期待するだけ無駄だろうけどさ」

 

 

冷ややかにぼやく長月を他所に、巧はさり気無く視線を泳がせた。

 

もし、これが“奴ら”の仕業なら、怪しまれないよう人混みに紛れている筈。

今のうちに当たりを付けておかなくては、手遅れになってしまう。

 

 

「乾…どうした?」

 

「!」

 

その時、背後から猪宮に声を掛けられた。

 

「イノさん……いや、なんでもねぇ」

「そうか……」

 

 

まさかな……

 

 

この時まで、巧は本気でそう考えていた………。




来週の連休明けより、正社員として再就職スタートです!

更新ペースはますます遅れると思いますが、今後も応援よろしくお願い致しますm(_ _)m
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