提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え?   作:夏夜月怪像

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のっけから反響の大きなブレイド編。

その第2話でございます。


30話 : 許されない願い

鎮守府喫茶ハカランダ―――そのマスターにして、提督でもある始を補佐する艦娘の一人・秋雲が入手した写真。そこに映っていたのは、かつて世間を恐怖に陥れた未確認生命体と激しい死闘を繰り広げ、人々を守ったとされる英雄『未確認生命体第4号』と、見たことの無い異形のツーショットだった。

 

 

「秋雲……これをどこで撮ったんだ?」

「石ノ森市の明日花町だけど……それよか提督、ライダーって何?」

 

首を傾げながら尋ねる秋雲を見て、始はハッと落ち着きを取り戻す。

 

「ああ…そうか。秋雲は着任して日が浅いから、知らないのも無理はないな」

 

 

そして。

 

大まかにではあるが、始は秋雲にライダー―――すなわち『仮面ライダー』について教えた。

 

「人間の自由と、平和の為に……自分を捨てて戦う仮面の戦士……。スッゴイ!カックイーじゃん!!滅多に居ないっしょ、そんなヒーローみたいな人!」

 

漫画かライトノベルでしか聞かないような話に、秋雲は目を輝かせながら称賛した。

 

 

「ヒーロー……か…」

 

ところが、始の表情は何故か悲しげだった。

 

「提督?」

「……ん?ああ、いや……すまない。なんでもないよ」

 

いつも通り、穏やかに微笑んで見せ、始は秋雲の頭に手を置いた。

 

 

「仮面ライダーは人を守るヒーロー……それは間違い無いと思う。俺も、仮面ライダーである友に救われた一人だからな」

「マジで!?じゃあ、生ライダーも見ちゃってたり?」

 

「秋雲が撮った影とは、別人だけどな」

「そうなの?」

「ああ。しかし……俺はもう、“彼”と会うことは出来ない」

「えっ……なんで?」

 

 

友達なのに、会うことが出来ない―――

 

どういうことなのか聞こうとするも、始はこう答えただけだった。

 

 

「すまん…一つ、訂正だ。会うことが出来ないのではない………。“会ってはいけない”んだ……」

 

 

友との再会……それは、始にとっても“彼”にとっても強く望むことだが、同時に求めてはならない望みであった。

 

何故なら……会えば、それが最期となってしまうから。

 

再会が、『合図』となってしまうから―――。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

東オリョール海―――

 

鎮守府喫茶ハカランダに所属する潜水艦娘たちは、遠征任務から帰投する道中、異様な光景を目の当たりにした。

 

 

「な……なんでちか?これは……」

 

「し……深海棲艦が……敵艦隊が、全滅してる………!?」

 

それは、通常なら自分たちに襲いかかってきていた筈の深海棲艦たちの屍の山だった。

 

砲撃を受けた弾痕はほとんど見当たらず、大きな刃物で付けられたような『切り傷』が、屍をより一層不気味なものにしていた。

 

「こんな大きな切り傷、初めて見たのね……」

 

伊号型潜水艦の一人である、イクこと《伊19》はまじまじと傷跡を見つめる。

 

「いずれにしろ、提督に報告すべき案件であることは確定ですね」

 

同じく潜水艦娘の《伊8》の提案に一同は賛成。

始に報告する為、鎮守府へと急いだ。

 

 

 

剣を携え、翼を広げた飛翔体には気付かぬまま。




次回、さらなる激動の展開が!?


次回『(ハート)を持つ騎士』(カッコカリ)
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