提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え? 作:夏夜月怪像
みんな、新型コロナに負けないで!!
僕もガンバるっ!
「――報告は以上なの」
遠征から戻った、イクこと伊19たち潜水艦隊が発見した深海棲艦の残骸の山についての報告を、始は険しい表情をしたまま聞いていた。
「《大振りな刃物による斬撃》……そして《キックによる打撃痕》……か……」
「あの……司令官さん?」
この日、当番秘書艦であった鳥海が何度か呼びかけるも、始は険しい表情を崩さぬまま、何かブツブツ呟きながら考え込んでおり、呼びかけに気付かずにいた。
「司令官さん!」
「っ!ああ、すまない……。少し、考え事をしていた」
「そんな単純な様子には見えませんでしたよ?すごく深刻そうな顔をなさってましたから」
鳥海の指摘を受け、始は「そうか…」と他人事のような反応をしたが、一時とはいえ、鳥海の呼びかけに気付かぬほど深く考え込んでいたのだから、そう反応してしまうのも仕方のない事ではあった。
「イク、みんな。貴重な情報をよく報せてくれた、ありがとう。今日はゆっくり休んで、明日の午後から店の業務に加わってくれ」
「はいでち!」
「ふふーん、イクの接客のウデが鳴るの!!」
「私としては、提督の特性たらこスパをオススメしたいと思います!」
キャピキャピとはしゃぎながら、伊19たちは自室へと戻った。
「鳥海、お前も上がっていいぞ?後は俺一人でも片付けられる」
「いえ、秘書艦として最後までお手伝いします」
始が提督に着任して間もなく、鎮守府に着任した鳥海は、その真面目な性格と相まって、黙々と作業をこなす始や、一つの事に集中して取り組む粘り強さを持つ秋雲と気が合い、何かと一緒に居る機会が多かった。
故に、お互いに相手が何を考えているのか、ある程度解るようになってきた訳で。
「司令官さん。ゴーヤちゃん達が見つけた、深海棲艦の残骸……何か心当たりがあるんですね?」
「………」
鳥海の問いかけに答えない始。
この様に、始が黙り込む時は図星である……最初にそうと気付いたのは秋雲であった。
新米イラストレーターとしての顔を持つ秋雲は、画力のスキルアップの為、人間観察もそれなりにこなしてきている。
基本、無愛想な雰囲気の始であるが、自分に直接関わる問題よりも、その問題が周りの人に影響を及ぼすかもしれないという時に動揺したり、感情が高ぶることがある。
初期艦である
「どうしても、答えていただけませんか?」
「……知ったら、お前たち艦娘をより危険な目に遭わせることになる」
始がそう返した、その時。
軽巡洋艦・神通が執務室に駆け込んできた。
「店長!!…じゃなかった、提督!緊急事態です!!」
「どうした?神通」
「怪物が…深海棲艦と違うタイプの怪物が街に!!」
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《鎮守府喫茶ハカランダ》近辺―――
街の大通りに、ゴキブリかトカゲの様な特徴を持った人型の怪物が無数に現れ、人々に襲いかかっていた。
「キャアアアァッ!!」
「たす、誰か助けてぇっ!!」
逃げ惑う人混みをかき分け、相川艦隊の艦娘・
「不幸なんて生易しいものじゃないわ………ごめんなさい…ごめんなさい……ッ」
「山城……気持ちは分かるけれど、今は怪物を迎え撃つのが先決よ」
母娘の遺体を見つめ、涙を流す山城に、姉である扶桑は静かに、しかし力強く言葉をかける。
「っ!!姉様!危ない!!」
怪物がククリを手に、扶桑の背後から襲いかかってきた所を、山城が前に飛び出す。
そして……
ザシュ!!
「………!?山城!!」
艤装による防御と制服の強度によって、致命傷は避けられたが、それでも大怪我を負ってしまった。
『ギシャギシャ…!ギシャア!!』
「扶桑さん!!山城さん!!」
鬼怒と名取は助太刀に向かおうとするが、不気味なことに怪物たちは何度砲撃を喰らわせても立ち上がり、行く手を阻んでくるのである。
「もぉ…!コイツら、なんで倒れないの!?」
そうこうしている間にも、怪物たちは扶桑たちに迫る。
その時。
オートバイを駆り、一人の男が飛び出してきた。
「!!て……提督……!?」
ヘルメットを脱ぎ捨てると、男――相川 始は怪物たちを見据えて怒りの声をあげた。
「彼女たちに……街の人たちに、手を出すなッ!!!」
提督服の上着をはだけると、腰にはハートのエンブレムを象ったバックルを備えたベルトが装着されており。
「……変身!」
懐から1枚のトランプを取り出し、バックルの中央部に備わったカードリーダーに
【CHANGE】
ベルトから謎の音声が発せられた瞬間、始の姿は
「て…提督……?」
柄の両端に刃を備えた弓状の武器を手に、騎士は名乗りを上げる。
「仮面ライダー、カリス!!」
やっと書きたかった場面、その第一段階を出せました!(;´∀`)
次回、カリスが踊る!!