提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え? 作:夏夜月怪像
そこに追い打ちをかける、謎の『戦え』コール……
ナニコレ?(←気にするなッ‼)
突然現れた謎の怪物の群れが、街の人々を襲い始めた。
扶桑を始めとする、鎮守府喫茶ハカランダの艦娘が迎え撃つも、怪物たちはなかなか倒れず、山城が負傷してしまう。
そこに始が駆けつけ、扶桑たちが見ている前で『変身』。仮面ライダーカリスとなったのだった。
「て、提督?その姿は、いったい……」
「説明は後だ。今はとにかく、コイツらを倒すぞ!」
「は、はい!」
カリスの言葉に、扶桑たちは再び士気を高め、怪物たちを相手に戦闘を再開した。
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『ギシャアァ!!』
「ハッ!!」
数で圧しにかかる怪物たちを相手に、カリスは専用武器・醒弓カリスアローを振るい、次々と切り裂き、矢を射る。
その姿はあまりに荒々しく、普段の始とはまるで別人かのように感じられた。
「すごい……」
カリスの戦う姿に、追いかけてきた鳥海が呟いた。
途中、ベルトのバックルを取り外し、アローに合体させると、右腰のホルダーからシュモクザメらしき姿を描いた《ハートの3》と、鷹と思しき鳥の姿を描いた《ハートの6》、計2枚のカードを取り出し。
カリスアローにセットしたカードリーダー・カリスラウザーに読み込ませた。
【CHOP】【TORNADO】
《SPINING WAVE》
「はああああ……」
強烈な竜巻を身にまとい、右手にエネルギーを込めると、反撃にかかった怪物たちに向けて鋭いチョップを叩き込んだ。
「とあああぁっ!!!」
『ギシャ!?ギガガ…ァガ……!!』
よほど威力が凄まじかったのであろう、怪物たちは爆発四散し、消滅した。
「て…提督さん……」
聞きたいことが沢山あり過ぎて、何から尋ねるべきか名取が迷っていると
「大丈夫か?みんな」
カリスが振り向き、皆の無事の確認をした。
「ふえ?え…あ、はい!でも……」
「提督!妹が…山城が……!」
名取が返答した直後、扶桑がカリスに呼びかけた。
「ああ、分かっている。山城。傷が痛むだろうが、入渠するまでの辛抱だ。なんとか耐えてくれよ?」
「は、い……提督……」
扶桑に代わり、カリスが山城をお姫様抱っこして、一行は鎮守府へと帰投したのだった。
「ていとく!バケツはつかいますか?」
「いや……いい。今回、無理をさせてしまったからな……。ゆっくり休ませてやりたい」
「りょーかい!」
入渠施設の管理をしている妖精さんに指示を出すと、始は扶桑たち出撃組と鳥海、秋雲を執務室に呼び集めた。
「司令官さん。お話があるとのことですが、何か……?」
「ひょっとして、昼間の怪物について何か知ってる……とか?」
鳥海と扶桑の問いかけに、始は静かに答え始めた。
「奴らは《アンデッド》……不死生命体だ」
「不死って……死なないの!?」
驚愕の表情になる鬼怒に対し、始は言葉を続ける。
「…と言っても、先程の奴らはアンデッドのデータを基に生み出された劣化・コピー体の様な物で、全くの不死身という訳ではないようだがな」
「ほっ……なんだ、そっかぁ……。ただ単に頑丈なだけなんだね」
「秋雲ちゃんが目撃したという、第2の未確認生命体や《未確認生命体第4号》とは別に、そんな厄介な怪物まで出てくるなんて……」
「その第4号も、ひょっとしたらさっきのアンデッドみたいに……」
「第4号は人を傷つけはしない。彼は、人間やお前たち艦娘の味方だ。怖れる必要は無い」
不安そうな名取の言葉に、始はキッパリと言い放った。
「提督さん……第4号を知ってるんですか?」
「以前……危ないところを何度か助けられたんだ。たった一度だけだが、共に戦ったこともある」
「そうなんですか?」
「提督、マジぱない!」
「そこまで褒められるような者ではないさ、俺は」
アンデッドの襲撃についての報告書をまとめるため、始は扶桑たちにも休みをプレゼントした。
「……ねえ、提督」
扶桑たちが退室してしばらく経った頃。始を手伝うと言って残った秋雲が、ふと声をかけてきた。
「ん?」
「提督って……仮面ライダーなんだよね」
「……ああ」
「すっごい失礼な質問をするけど……なんで、
山城を入渠室へ運び、後の事を扶桑たちに引き継がせた後。
秋雲は、カリスが人目のつかない物陰で変身を解く光景を目撃していた。
その時、カリスは
「………」
「あ…いや!なんとな〜く気になっただけだから!気にしないで――」
「俺は人間ではない」
「いいよ………って…え……?」
「俺も……アンデッドだ」
突然すぎる始からの告白に、秋雲は腰が抜けてしまった。
「それ……って、提督も……さっきの怪物と……おなじ……?」
驚きすぎて、声も震えだす。
「『怪物の言うことは、信用出来ない』……か?」
過去、数度に渡って自身の秘密を知った人たちから拒絶され続けてきた始。
怪物であるアンデッドを怖れることは間違いでは無い。
己を拒むことも当然の事として、今までも受け入れ続けてきた。
だから、今回も艦娘たちから怖れられ、拒まれたとしても彼女たちを恨んだりなど……
「……ううん。提督は私たち艦娘を、一人の《人間》として大事にしてくれてる。それに…さっきは《仮面ライダー》として、私らだけじゃなくて街のみんなも助けてくれたでしょ?そんな優しい提督を、人間じゃないからってだけの理由で拒みたくないよ」
「…!」
しかし……そんな始の思いを知ってか知らずか、秋雲は始の全てを受け入れると決めた。
怪物でも構わない。自分たち艦娘と共に、街の人々を護り、生きてくれているのだから。
「ほら!いつまでもそんな辛気臭い顔しないで!一段落ついたことだし、店の新作メニューでも考えよ?店長♪」
「秋雲……」
いつもと変わらぬ、快活な笑顔で手を差し伸べる秋雲に、始は笑顔になった。
―――と、その時。
“何か”が近付いてくる気配を、始は感じ取った。
「っ!」
「提督?」
「この感じは………まさか…!?」
秋雲が尋ねるも、始は鎮守府の外へ飛び出した。
「ち、ちょっと!提督!?」
始の後を追いかけ、鎮守府の広場に着くと。
始は驚愕……というより、悲痛な表情で目の前の相手を凝視していた。
「
その相手は、カブトムシを連想させる青と銀の鎧に身を包み。
胸とベルトのバックルには
「司令官?もしかして、その人お知り合い…ですか?」
「剣崎……何故だ?何故、また俺たちの前に姿を見せた!?」
たまたま近くを通りかかった白雪が問いかけた、次の瞬間。
「ウゥアアアアアアァァッ!!」
『剣崎』と呼ばれた、その青い騎士はカブトムシの角を模した大剣を振りかざし。
始に向かって斬りかかった。
「ッ!!?」
「提督ッ!!!」
「…変身!!」
【CHANGE】
ギリギリのところで躱し、始はカリスに変身。
再び剣を振るってきた剣崎の刃を、カリスアローで受け止める。
「止せ、剣崎!!こんな所で《バトルファイト》を始めるつもりかッ!?」
「ルアアアアアアァァアア!!」
「て、提督!?ちょ……何がどうなって……!!」
「お前たちは下がっていろ!!これは……
いつになく激しい態度の始、そして目の前に現れた謎の騎士。
果たして、この出会いは何を意味するのか………
長らくお待たせしました(~_~;)
次回、《人を愛した