提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え?   作:夏夜月怪像

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新型コロナ、ホントイヤですねえ……

みなさんもお身体を大事になさって下さい!


34話 : 定められた運命、抗うココロ

かつて、世界の滅びを阻止し、友である人ならざる者・ジョーカーこと相川始をも救った男・剣崎一真。

 

しかし……バトルファイトを管理する存在【統制者】によってジョーカーの意思が暴走、始と戦いを再開してしまった。

 

そして、始はバトルファイトを止めるために、提督を辞職し、秋雲たちの下から去ると言い出した。

 

「提督……本当に辞めちゃうの?」

「……ああ。お前たちと別れるのは、正直辛いが……最悪の事態を避けるためには仕方無い」

 

「貴様はそれで良いのか?」

 

ガングートが尋ねると、始は静かに微笑んだ。

 

 

「―――元々、(ヤツ)から貰った人生だ。世界の滅びを避ける為に……運命から逃げ続けるというのも悪くない」

「そんな……何も出来ないなんて……ッ」

 

始の哀しげな言葉に、鳥海は己の非力さを悔やんだ。

 

今まで、始は提督として……喫茶店のマスターとして自分たちを支え、頼りにしてくれた。

だから、始が悩み、立ち止まってしまった時こそ自分たちがそれに応えるのだと意気込んでいたのに……

 

ここまで来て、何も出来ないのか―――

 

 

「……巻き込んでしまって、すまなかったな」

 

謝罪の言葉を述べると、始は鎮守府を去ろうとした。

 

 

……しかし。

 

そこへ、始の気配を見つけたブレイドが、アンデッドとしての武器である禍々しい剣を突きつけながら現れた。

 

 

「剣崎………!」

 

「剣崎……一真……」

 

 

「止めてくれ…剣崎……!これ以上は……俺も《ジョーカー》としての本能を抑えられなくなる………!!」

 

最後の希望に賭け、始はブレイドに呼びかける。

しかし、ブレイドは唸り声をあげながら剣を振り下ろしてきた。

 

「くっ……!!」

 

すかさず変身、カリスとなり、剣を受け止める。

 

 

「ここで俺たちが戦ったら!!お前が人間(ヒト)として捨てた14年は……いったい何だったんだッッ!!!」

 

「ウゥアアアアッ!!」

 

カリスの必死の呼びかけも虚しく、ブレイドは攻めの手を止めない。

 

「司令官さん!!」

「提督!!」

 

その時。

 

ガングートと扶桑がブレイドの攻撃を受け止めた。

 

「グッ……!コイツは我々がなんとかする、行け!!」

 

「提督!貴方は、こんな所で留まってはいけません……!!」

 

「っ……スマン……!!」

 

二人の思いを無駄にしないためにも、カリスはその場を去ろうとした。

 

「ッ!?提督!!」

「ぐっ!?ウアアァァっ!!?」

 

しかし……そこにボロボロの黒ローブの怪人が現れ、カリスと秋雲の行く手を阻んだ。

 

『続けろ……バトルファイトを』

「!!?」

「キサマ……何者だ!?」

 

『今こそ……全てを正す時……』

 

怪人がカリスに向けて右手をかざすと、カリスの内にあるアンデッドとしての本能が高ぶり始めた。

 

「ッ!!?ぐっ……う、ああぁ……!!」

「司令官さん!?」

「ちょ…提督!?大丈夫!?」

 

「ちょぉ…かい……!あき、ぐっも……みんな……にゲロ……!!!」

 

苦悶するカリスであったが、怪人のもたらす力は思いの外凄まじく。

 

「ッウグゥ…!!ウガアアアアアアアァァっ!!!!」

 

 

カリスの姿は、黒と緑の体に覆われたカミキリムシの如く禍々しい異形………【JOKER(ジョーカー)】の姿に戻ってしまった。




またもスランプ気味(血涙)

誰か……誰かワテクシに光をっ!!

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