提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え? 作:夏夜月怪像
我、奇跡という
始とガングートが話を終えた、その時だった。
「――っ!この気配は……!」
「深海棲艦……いや!それだけではない……。――提督!外だ!!」
一真が現れた時とは違う、より強大な気配を感じた二人は港へと急いだ。
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「くっ!何がどうなってるのよ!!」
「提督の言ってた【統制者】ってのは、剣崎さんか提督のどっちかを操ろうとしてたんじゃなかったのか!?」
鎮守府近郊の港湾一帯を見回っていた飛鷹と加古、扶桑、風雲は、突然大量に出現した深海棲艦とゲルニュートの混成部隊に苦戦していた。
「扶桑さん……」
「風雲ちゃん。貴女も気付いたのね?コイツらの動きがおかしいことに……」
扶桑と風雲が気付いた違和感……それは、アンデッドもどきと言うべき、ゲルニュートの群れや深海棲艦たちの動きにあった。
最初に遭遇した時、連中は無差別に人々を襲い、攻撃していた。しかし……今回はそうではない。
何かを誘き出そうと、時間稼ぎをしているような……
「……まさか!?」
扶桑が察した時、カリスに変身した始とガングートが駆けつけた。
「提督!?ガングートさん!」
「っ!!戦艦ル級…!?しかし、この気配……貴様、先程の刺客か!?」
ガングートが指差した、戦艦ル級と隣に居る重巡リ級は一瞬、彼女の方へ視線を移すが、すぐにカリスの方へと視線を戻した。
「【JOKER】……」
「バトルファイトを再開する……」
「俺たちはもう、暴走しない!貴様の思い通りにはならん!」
【統制者】の意思を宿したル級たちに対し、力強く言い放つカリス。
しかし、【統制者】の返答は意外なものだった。
「「お前たちを戦わせる必要は、もう無い」」
「なんだと?」
「我が下僕たちよ……」
「奴らの動きを封じよ!」
【統制者】の命令に従い、深海棲艦やゲルニュートたちは一斉にカリスや扶桑たちに攻撃を仕掛けてきた。
「っ!?」
「キャアッ!!」
「深海棲艦!何故、貴様らが手を貸す!!」
「無駄だ、ガングート!奴らも既に操られている!」
ガングートらの砲撃を援護すべく、カリスも応戦する。
しかし……撃てども撃てども、深海棲艦もゲルニュートも倒れる様子が無い。
「コイツら……痛みを感じてないの…!?」
あまりの
それに対し、カリスが庇いながら敵艦を押し返した。
「深海棲艦は本来、人間への憎しみを基にして活動している。意思を奪われ、操られている以上、感情の無い人形と同じだ……!!」
と、その時。
「無駄な足掻きだ……」
雷巡チ級がカリスの死角を捉え、奇襲を仕掛けてきた。
「ッ!!提督、危ない!!!」
「っ!?」
しかし…寸でのところでガングートが前に飛び出し、カリスはダメージを負わずに済んだ。
「ガングートさん!!」
「ガングート!大丈夫か!?」
「っぐ……あ……!」
「どうして……どうして、こんな酷いことが出来るの!?私たちが何をしたって言うのよ!!?」
抑えきれぬ怒りと悲しみから、風雲は【統制者】に質問を投げかける。
「邪魔をするな、カイリ……」
「お前たちと同質の存在である、深海棲艦の力を使って【JOKER】の一体を無力化し、お前たち諸とも【深きところ】へと封印する……」
「【深きところ】……!?」
【深きところ】………それは、深海棲艦が生まれ出てくる場所として、海軍総司令部が用いている仮の呼称であり、深海棲艦を根絶やしに出来る一つの可能性として探し続けている領域であった。
「それにより、世界はリセットされ……新たなバトルファイトが始まる」
「その為に、深海棲艦を利用したのか!?」
「元々、バトルファイトに【JOKER】は1体……」
「ここで余分な存在を排除し、正しき形へと戻す……」
「……それが、キサマの狙いか!!」
カリスは怒りに震えた。
確かに、本来のバトルファイトは【JOKER】である自分を含めた53体のアンデッドによって行われていた。
だが……ヒューマンアンデッドの姿を得て、人と交わりながら生きるうちに、人を愛する心が生まれ、遂には友を得た。
さらに、その友は自分の為に人であることを捨てて、運命を変えてくれた。
しかし【統制者】は、それが気に食わないというだけの理由で、この戦いに何の関係も無い深海棲艦や、罪も無い艦娘をも巻き込んでルールを戻そうとする……
こんな理不尽、許されていい訳が無い!
怒りの言葉を叫びそうになった、その時だった。
「―――どこまでも、貴様は気に食わん存在のようだなあ?」
「なに……?」
「我が同志……いや…我が
傷を押さえながら、ガングートが立ち上がり、【統制者】の器となっている深海棲艦たちへ怒りの眼差しを向ける。
「そうだ!深海棲艦もカイリ同様、この世界に不要な存在!」
「この世界の生物や、カイリと深海棲艦も全て【JOKER】によって滅ぼされる!!」
「この世界には大勢の同志や英雄たちが眠っている!!!敵対した者もいるが……それでも、敬うべき英霊たちが眠る聖域を、貴様のふざけたゲームなんかで
それは、『戦艦』としてガングートの胸に刻まれた確かな記憶から発せられた言葉だった。
「っぐ……!」
しかし、その想いも【統制者】には関係の無いこと。
「愚かな……」
まだ傷の痛むガングートに向けて、艦隊の一斉掃射を放つ。
「ガングートさん!!!」
「トアっ!!!」
しかし、その全てをカリスが切り払い、守った。
「提督……!!」
「提、督……」
「ガングート……お前も充分、甘い女だ」
仮面越しにではあるが、カリスは微笑んだ。
それに対し、ガングートたち艦娘も微笑み返した。
「ふん……の、ようだな」
今回の事件の黒幕である【統制者】及び、その手駒と化した深海棲艦に向けて、ガングートは宣言した。
「かかってこい!我らカリス艦隊が、貴様をこの世から消し去ってやる!!」
「
同じく、己の戦いを今度こそ終わらせるため、カリスも改めて宣戦布告した。
「無駄だ……。この私を消すことも、殺すことも出来はしない!」
「運命に従い……滅びよ!」
嘲笑うかのように、再び砲撃を繰り出した、その時。
「よぉーし!!いっちょあがりーぃっ!!!」
「弾着観測射撃、撃てぇッ!!」
「!?…秋雲!」
「それに……那珂、鳥海も!?」
突然の増援に、驚きを隠せない一同。
「ハジメちゃん、ゴメン!ホントは来ちゃダメだって分かってるんだけど……どうしても、ガマン出来なくて……」
「……いいや。寧ろ、礼を言わせてくれ。よく来てくれた」
「ハジメちゃん……」
「秋雲!もう、大丈夫なのか……?」
「うん。鳥海さんがしっかり診てくれたし、剣崎さんも居てくれたから」
「すみません……本当なら、二人を止めなきゃいけない筈なのに……」
「気にしないで。みんなの士気を高めてくれる、大切なメンバーだもの」
またしても予想外な展開に対し、【統制者】は苛立ちを露わにする。
「駆逐艦・秋雲……カイリの中でも脆弱なカテゴリーの分際で【JOKER】の力を抑え込んだ、イレギュラーな存在。貴様は危険過ぎる、この世から永遠に抹消してくれる!」
【統制者】が力を行使し、カリスたちは守ろうと身構えた。
その時、一人の男の声が轟いた。
「そうはさせない!!」
《ABSORB QUEEN》
「艦娘も…この世界も!お前なんかの好きにはさせない!!」
「―――
《EVOLUTION KING》
周囲に金色のカードが現れ、やがて金色の柱へと集まっていく。
そこに居たのは、金色に輝く剣を手にした、金色の騎士王だった。
「キサマッ!!」
【統制者】の叫びに対し、騎士王は応えた。
「仮面ライダー、
夜中のテンションか、はたまたオンドゥルの呪いか……ちょっと悪ノリが過ぎたかもしれません(-_-;)