提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え? 作:夏夜月怪像
死んでしまいたい、この命を終わらせてしまいたいと何度思ったか分からないくらい、運命を呪った。
でも、あの人に会って全てが変わった。
そして、この気持ちを他の誰かに伝えようって決めた。
それが、あの人だった―――。
【統制者】との戦いの中、苦戦していた秋雲たち。
だが、戦いを終わらせたいという強い意志が奇跡を起こし、【統制者】が生み出したラウズカードと異なる《フリゲートラウズカード》が誕生した。
「あ!秋雲ちゃん、風雲ちゃん!コレ、ハジメちゃんの使ってるのと似てない?」
「あ!ホントだ…!」
「じゃあ、コレはあたしらの使っていいアイテムってこと?」
「させんっ!!」
【統制者】の操る重巡リ級が、新たに駆逐艦の大群を呼び寄せ、仕向ける。
「えーっと……まずはとりあえず…コレ!」
【STORM】
攻撃に使えそうなものを選び、秋雲は《鎧を纏ったハヤブサ》のカードを艤装に追加されたカードリーダーにスラッシュした。
すると、砲弾の発射速度が上昇し、機銃並みの連射が実現したのである。
「ウソぉ!!?コレ、ホントにカードで出来ちゃうの!?」
「秋雲ちゃんたちの様子が変わったみたいね。でも……コレ、大丈夫なのかしら?」
不安を抱きながらカードを眺めているところに、砲弾と爆撃の雨が降り注いだ。
「ハッ!!」
【IRON】
咄嗟に【鋼鉄で形作られたシャチ】のカードをスラッシュしたが、そのまま扶桑は被弾してしまった。
「扶桑さん!!」
「不味いよ……あんな一斉射撃、マトモに食らったら……!!」
飛鷹と加古が心配するも……
「……え!?」
「ふ…扶桑さん……!?」
煙が晴れると……扶桑は全くの《無傷》だった。
「ふ…扶桑さん!大丈夫、なの……!?」
飛鷹が恐る恐る尋ねると
「えっと……そうみたい。自分でもビックリ……」
カードの力により、
「よし……扶桑たちは大丈夫そうだな」
扶桑たちの無事を確認したガングートは、砲撃を続けながら改めて手元のカードを見る。
(どうやら、我々のカードは種類は同じだが、それぞれ人数分与えられているらしいな。なら……)
「戦艦らしく、火力で押し切らせてもらう!!」
【CANON】 【SHELL】 【SPLASH】
《OCEANS BREAK》
【砲台の様な姿のキリン】と【武装したイッカク】、【水を纏ったイルカ】……合わせて3枚のカードをスラッシュ。
艤装の砲塔がゲルニュートやダークローチたちに照準を合わせ、青い光を放ちながら力を溜めていく。
「喰らえッ!!!」
一斉砲火にも関わらず、ガングートの足場は安定しており、反動を最小限に抑えつつも火力を損なうこと無く。
眼前の敵を一撃の下に葬り去った。
「………ふうぅ…」
想像以上の力に、ガングートは思わず溜息を吐いた。
「ガンちゃーん!!」
「っ!秋雲、みんな!」
「スゴイね!?今の何?ひょっとして、カード使ったの?」
「ああ……まあ、な。それより、【統制者】は?」
「逃げられたので、今追いかけてる途中です!」
風雲の答えに、「そうか」と頷くと
「此処から北東へ進んだ先に、深海棲艦の艤装の残骸が集まった海域がある。恐らく、奴はそこで我々を片付けるつもりなのだろう」
「艦隊決戦……ですね」
ガングートの推理に、鳥海は呟く。
「っ!ねえ……アレ」
那珂が指差した方角を見ると、ブレイドと【統制者】が操っている戦艦ル級が移動している姿を発見。
「剣崎さん!」
「ガングートの読み通り、【統制者】はあそこで決着をつけるつもりのようね」
「らしいな。みんな急ごう!提督も向かっている筈だ!!」
「応ッ!!」
暁の水平線に勝利を刻むため、カリス艦隊はボス海域へと進路を取った。
次回『BLADE BRAVE』