提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え?   作:夏夜月怪像

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今まで、生まれてきて良かったと思えた事なんて一度も無かった。

死んでしまいたい、この命を終わらせてしまいたいと何度思ったか分からないくらい、運命を呪った。


でも、あの人に会って全てが変わった。

そして、この気持ちを他の誰かに伝えようって決めた。

それが、あの人だった―――。


40話 : ヴァルキリー・フリゲート

【統制者】との戦いの中、苦戦していた秋雲たち。

 

だが、戦いを終わらせたいという強い意志が奇跡を起こし、【統制者】が生み出したラウズカードと異なる《フリゲートラウズカード》が誕生した。

 

「あ!秋雲ちゃん、風雲ちゃん!コレ、ハジメちゃんの使ってるのと似てない?」

「あ!ホントだ…!」

 

「じゃあ、コレはあたしらの使っていいアイテムってこと?」

 

「させんっ!!」

 

【統制者】の操る重巡リ級が、新たに駆逐艦の大群を呼び寄せ、仕向ける。

 

 

「えーっと……まずはとりあえず…コレ!」

 

【STORM】

 

攻撃に使えそうなものを選び、秋雲は《鎧を纏ったハヤブサ》のカードを艤装に追加されたカードリーダーにスラッシュした。

 

すると、砲弾の発射速度が上昇し、機銃並みの連射が実現したのである。

 

 

「ウソぉ!!?コレ、ホントにカードで出来ちゃうの!?」

 

 

「秋雲ちゃんたちの様子が変わったみたいね。でも……コレ、大丈夫なのかしら?」

 

不安を抱きながらカードを眺めているところに、砲弾と爆撃の雨が降り注いだ。

 

「ハッ!!」

 

【IRON】

 

咄嗟に【鋼鉄で形作られたシャチ】のカードをスラッシュしたが、そのまま扶桑は被弾してしまった。

 

 

「扶桑さん!!」

「不味いよ……あんな一斉射撃、マトモに食らったら……!!」

 

飛鷹と加古が心配するも……

 

「……え!?」

「ふ…扶桑さん……!?」

 

煙が晴れると……扶桑は全くの《無傷》だった。

 

「ふ…扶桑さん!大丈夫、なの……!?」

 

飛鷹が恐る恐る尋ねると

 

「えっと……そうみたい。自分でもビックリ……」

 

カードの力により、(にび)色の光に包まれた扶桑は、普段と比べ物にならない防御力を獲得していた。

 

 

 

「よし……扶桑たちは大丈夫そうだな」

 

扶桑たちの無事を確認したガングートは、砲撃を続けながら改めて手元のカードを見る。

 

(どうやら、我々のカードは種類は同じだが、それぞれ人数分与えられているらしいな。なら……)

 

「戦艦らしく、火力で押し切らせてもらう!!」

 

 

【CANON】 【SHELL】 【SPLASH】

 

《OCEANS BREAK》

 

 

【砲台の様な姿のキリン】と【武装したイッカク】、【水を纏ったイルカ】……合わせて3枚のカードをスラッシュ。

 

艤装の砲塔がゲルニュートやダークローチたちに照準を合わせ、青い光を放ちながら力を溜めていく。

 

「喰らえッ!!!」

 

 

一斉砲火にも関わらず、ガングートの足場は安定しており、反動を最小限に抑えつつも火力を損なうこと無く。

 

眼前の敵を一撃の下に葬り去った。

 

 

「………ふうぅ…」

 

想像以上の力に、ガングートは思わず溜息を吐いた。

 

 

「ガンちゃーん!!」

「っ!秋雲、みんな!」

「スゴイね!?今の何?ひょっとして、カード使ったの?」

 

「ああ……まあ、な。それより、【統制者】は?」

「逃げられたので、今追いかけてる途中です!」

 

風雲の答えに、「そうか」と頷くと

 

「此処から北東へ進んだ先に、深海棲艦の艤装の残骸が集まった海域がある。恐らく、奴はそこで我々を片付けるつもりなのだろう」

「艦隊決戦……ですね」

 

ガングートの推理に、鳥海は呟く。

 

「っ!ねえ……アレ」

 

那珂が指差した方角を見ると、ブレイドと【統制者】が操っている戦艦ル級が移動している姿を発見。

 

「剣崎さん!」

「ガングートの読み通り、【統制者】はあそこで決着をつけるつもりのようね」

 

「らしいな。みんな急ごう!提督も向かっている筈だ!!」

「応ッ!!」

 

暁の水平線に勝利を刻むため、カリス艦隊はボス海域へと進路を取った。




次回『BLADE BRAVE』
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