提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え? 作:夏夜月怪像
『風都艦隊』第2集でございます!!
いい風を届けたい………。
42話 : mの
風吹く街《風都》。
その中にある《鳴海探偵事務所》について、こんな噂が流れていた。
曰く、探偵事務所が《連邦統合海軍省》の監視下に置かれた……と。
「……まあ、噂は噂だし。ご主人様が一々気にすることは……」
「気にするっつうの!!山さんのお墨付きで、提督業を兼務することになっただけだってのに!なんでこんな捏造記事が出回ってんだよ!?」
事務所内はそのままに、秘書艦兼連絡員を務めてくれる漣のフォローを受けつつ、《探偵》左 翔太郎はぼちぼちながら提督業をこなしていた。
「提督さーん!依頼されてた
「ただいま〜……。もぉ、マジだるかった〜」
そこへ、前回の事件で迎えた夕立と、提督に着任して最初の『建造』で迎えた駆逐艦《
「おっ?おお!でかしたぞ夕立、望月!ありがとな、よくやってくれた!!」
「ゆうだっちゃん、もっちー!おつかり〜!」
「ぽ〜い!!」
「はへぇ…」
翔太郎からの労いに、夕立はガッツポーズで応え。望月はぐったりとだらけるのだった。
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「《鳴海探偵事務所》探偵 兼《風都鎮守府》提督……階級は現在《大尉》止まり、か………。立身出世に伸び悩むのは、実に君らしいねえ?翔太郎」
地下のガレージ。
ホワイトボードにデータを書き込み、近況を再確認するフィリップに対し、翔太郎は「うるせえ!!」とツッコむ。
「元々、俺はハァ〜〜〜〜ドボイルドな探偵だぞ?漣たちの事があるから、兼業として受けた訳で!別に昇進がどうとかは興味ねえんだよ!」
「ムキになってる時点で、ハーフボイルドやん」
そこへ横から亜樹子がグサリと指摘。それに対し、当鎮守府で数少ない主戦力の一人である《摩耶》と《瑞鶴》がウンウンと頷いた。
「ちょっ?お前らァっ!?」
「だって所長さんの言うとおりじゃない。否定とか反論の余地は無い筈だけど?」
「大体……お前みたいなハンパ野郎が、なんで提督を任されたのか今だに信じらんねえんだけど?漣とか夕立の話を聞いても納得いかねえよ、あたし」
「んだと、コラーッ!!」
「ご主人様、どぉどぉ!!」
「今怒ってもしょうがないっぽい〜!」
相変わらず、ハードボイルドの欠片もない有様で、新たに迎えた艦娘にまでもからかわれる翔太郎なのであった。
そんな、今まで以上に賑やかになってきた事務所のドアは、また誰かによって叩く音を奏で。街を吹き抜ける風と共に届けるのである―――。
『風都艦隊』第2集。
果たして、今回はどんな依頼が?