提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え?   作:夏夜月怪像

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えー、『着任先』並びに『出撃』を応援して下さっている読者の皆様。まずは謝罪をさせて下さい。


やっちまいました。


電王編 第1章
50話 : 時を刻む少女


とある鎮守府にて……『それ』は起こった。

 

 

「ぐっ……うげ……ぁ……!?」

 

「へっ!軍人だっつーから、ちったあ楽しませてくれると思ったんだがなァ?とんだ拍子抜けだぜ」

 

 

鎮守府を私物化し、支配するブラック提督やそれに加担する憲兵達を、そこに所属する一人の「駆逐艦」が叩きのめしたのだ。

 

 

ところが……事件を目撃した艦娘の証言によると、その時の駆逐艦は、一般的に知られているどの艦娘にも当てはまらない「異様な気配」を放っていたという………。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

事の始まりは、少々遡る。

 

件の鎮守府についてだが、其処は艦娘に対する扱いの酷さは勿論、資材の消費や提督による運営資金の私物化などといった数々の問題を抱える、典型的なブラック鎮守府として知られていた。

 

そこに在籍する一人の艦娘が、思い切って抗議しようとしたのだが、指揮官たる提督は聞く耳を持たなかった。そればかりか「口答えするな!!」と逆上、『見せしめ』として多くの艦娘達の前で暴行を加え、その身を汚した。

 

それ以降、この鎮守府に巣食う醜い人間達に逆らう艦娘は居なくなってしまった。

 

 

 

白露型駆逐艦《時雨》は、そんなブラック鎮守府の中で過酷な重労働を強いられながらも、人間に対する憎しみや絶望に負けぬよう、日々を懸命に生きていた。

 

 

「過去がどんなに悪くても、辛くても、今をほんの少しだけ頑張れば、未来はいくらでも変えられる」

 

かつて、この鎮守府に在籍していた扶桑の言葉が、時雨の支えとなっていた。

 

 

しかし……その扶桑は、提督の無茶な進軍が元で轟沈した。

 

それでも……提督一派を排除する為のクーデターに加わろうとしない時雨に対し、山城や満潮たちは憤慨。「弱虫」「臆病者」と罵る者も居た。

 

 

確かに、時雨は怖れていた。しかし……それは決して、提督達に対してではない。

提督達に敵対することで、また誰かを喪うかもしれない……その結果、独りになってしまうことが怖くてたまらなかったのだ。

 

 

だから……

 

「扶桑。貴女は怒るだろうけど……ちょっとだけ早く、そっちに行くよ」

 

 

そうならない様に、そうさせない為に動くとしよう。

 

この身一つで、艦隊のみんなを守れるのなら安いものだ。

 

 

「……よし」

 

艤装を整え、時雨は今日の遠征任務へ向かった。

 

 

 

上空に浮かぶ、謎の発光体に気付かぬまま。

 

 

 

―――時雨が遠征に向かう、少し前。

 

果てしなく広がる、銀色に輝く砂漠を一台の列車が走っていた。

 

その列車が、後に何をもたらすのか。

 

この時はまだ、誰も知らずにいた………。




序章っぽく仕上げてはみましたが、やっぱり無茶だったですかね(汗)
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