提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え? 作:夏夜月怪像
年明けてもその後を超えても、みんなでこの状況を変えていきたい。そんな訳で、電王編の続きでございます。
「よし……そろそろ戻らないと」
必要な資材を確保し、時雨たち遠征部隊は鎮守府への帰投を開始した。
「……ん?」
海域へ出ようとした、その時。時雨は道端に落ちている何かを見つけた。
「…何かな?コレ……」
“それ”は、懐中時計を模したマークをプリントしたパスケースの様だった。
「時雨ちゃーん!行くよー!」
「あ、うん。今行くー!」
鎮守府に戻ったら、誰かに見つからぬうちに交番に届けよう。
特に注意すべきは提督だ。珍し物好きな彼の事だ、持ち主は探したが見つからなかった…などと嘘を吐いて、自分の私物にしてしまいかねない。
制服のスカートのポケットにパスケースを仕舞うと、時雨は皆の後を追った。
同じく、謎の発光体も時雨の後を追いかけるのだった。
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「ね〜、カメちゃん。ボク達、いつまでこのカッコしなきゃいけないのお?」
「しょうがないでしょ、キンちゃんがお店とかを壊しちゃったんだから」
そう…それはモモタロスがイマジンの「匂い」を感じ取り、皆で追跡を開始した時のこと。
街が入り組んだ地形をしていた為、固まって探すには効率が悪いとウラタロスが判断。モモタロスに提案し、手分けして探すことになったのだが、モモタロス達のその個性的過ぎる見た目が災いして、不要な大騒ぎを起こしてしまったのだ。
結果、それを聞きつけた憲兵隊と争う羽目になり、「かくなる上は、小細工無しの正面突破や!!」と、謎の持論を展開したキンタロスの怪力によって事態は悪化。
商店街の一部の露店や屋台が破壊され、憲兵も数人を病院送りにしてしまった。
普通なら、ここまで騒ぎを大きくしたのなら警察やらに連行されておかしくない筈なのだが、モモタロス達が現在行っているのは、商店街の復旧作業と着ぐるみを纏っての呼び込みの手伝いである。
「まさか、またゲンさんに助けてもらえるなんてよぉ!」
「ガッハッハ!モモちゃん、前にも言ったろ?困った時はお互い様だって!!」
そうならずに済んだ訳は、商店街の代表を務める人物が、かつてモモタロスが諸事情からホームレス生活をする羽目になった際、年長者として面倒を見てくれた元ホームレスのゲンさんだったことが一つと、この地域の憲兵達はブラック提督の配下同然の輩であり、散々好き放題に暴れていた事から商店街を始めとする近隣住民に嫌われていた為だ。
「しっかし、モモの字の人付き合いも馬鹿に出来んなあ……」
ゾウの着ぐるみを纏ったまま、キンタロスが感心していると、金物屋の店主が深い溜め息を吐いた。
「ん?おっちゃん、どないした?」
「キンさん。いやね……あそこのお偉いさんも、キンさんやモモちゃん達みたいに気持ちの良い人だったらなあ…と思ってね」
「そーいや、ゲンさんも言ってたな?さっきの連中は憲兵じゃねえだの何だのって…」
「……そうだな。モモちゃんとそのダチなら、この生き地獄をなんとか出来るかもしんねえな」
ゲンさんの営む雑貨屋に招かれ、モモタロス達はこの街と鎮守府を中心に起こっている事情を聞くこととなった。
一方、モモタロス達に叩きのめされた憲兵の一人は駐屯地へ戻っている途中で、“それ”と遭遇した。
「ッ!?」
背後から何かに入り込まれた様な感覚に襲われ、同時に砂を被った状態になる。
「な、なんだ……ヒッ!?」
その砂は意思を持ったかの様に蠢き、上半身と下半身の配置が上下反対になった“何か”を形作った。
『お前の望みを言いな。どんな望みでも叶えてやるよぉ?大丈夫!お前が払う代償は、たった一つだけだからぁ……』
またも無理矢理な結び付け、ゴメンナサイ。
次回、どんどこ艦これが電王化していきます(;´∀`)