提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え? 作:夏夜月怪像
鹿のイマジンを追いかけ、寮を飛び出した時雨と白露。
直後……鎮守府内で悲鳴が聞こえた為、「ああ、これはやらかしたかな……」と思ったのだが
その悲鳴は、時雨たちが追っている方角とは全く関係の無さそうな方面からも聞こえてくるのだった………
「………??」
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「ひゃああぁぁっ!!」
「うぉああばばばばばっ!!?」
イマジンの匂いを辿って、モモタロスは汪曲刻鎮守府の敷地内へと入り込んだ。
入り込んでしまった、と言う方が正確かもしれない。
いかに彼らが様々な時代や時間を渡り、冒険したと言っても、全てを見聞きした訳ではない。
人間同士が互いを傷付け、血を流した、辛くとも忘れてはならない『戦争』という記憶。
その記憶と最も強い繋がりを持った存在である艦娘と、艦娘を指揮する『提督』が運用する拠点・鎮守府がどういった物であるか、モモタロスが知らないのも仕方の無い事ではあったのだが
「お……おっおお、おばっおば、オバケえぇ〜〜〜っ!!?」
鎮守府内で一番最初に遭遇したのが、艦隊の中でも人一倍怖がりである艦娘《ガンビア・ベイ》だった事は、モモタロスに取って、ある意味不運だったのかもしれない。
「ハァ!?お、おい!ちょっと待て!!確かにセンスのねぇ見た目とは思うが、さすがにオバケはねーだろ!?オバケは!!」
「NOooo〜〜〜!!!」
必死に拒むガンビアだったが、英語で訴えかけている為、モモタロスには何を言っているのかサッパリである。
「騒がしいぞ、いったい何がどう…し……」
さらに、騒ぎを聞きつけて那智が様子を見に現れたことで、事態は悪化。
「敵襲ぅぅぅッ!!!」
「ハアアアァっ!!?」
当鎮守府で陸奥や山城、長門に次いで実力者であり、鎮守府を支えている艦娘の一人である那智が指揮する迎撃部隊に追われる羽目になったモモタロスは、咄嗟にガンビアを連れて外へ飛び出してしまった。
「しまった!!ガンビィを人質に取られた!何としてでも敷地外へ逃がすな!!」
「だああぁぁっ!!!…ったく、どいつもこいつも人の話を聞こうとしやがらねえ!!なんでいっつも俺ばっかりこんな目に遭わなきゃなんねえんだよぉっ!!!」
ガンビアを抱えたまま必死に走り回り。工廠の資材置き場の片隅へ逃げ込み、ようやく一息つくことが出来た。
「ぜぇ…ぜぇ……」
「きゅ〜……」
モモタロスに連れ回される形となっていたガンビアも、直接ではないにしろ疲労はしていた。
少し落ち着いてきた為、今のうちに逃げられないかと立ち上がろうとしたのだが。
「ちくしょー……何なんだよ、揃いも揃って……オバケだなんだって、ヒトを悪者呼ばわりしやがって……」
「………Oh…」
モモタロスのあまりの凹みっぷりに、何だか申し訳無い気持ちになった為、とりあえず話だけでも聞いてみることにしたのであった。
「参ったな……見失っちゃった」
「あのシカさん、那智さんとか戦艦枠の人たちに見つかってなきゃいいけど……。下手したら、ボコられるだけじゃすまないよ?」
鹿イマジンを追いかけるうちに、反対方向から聞こえてきた騒ぎのする方へと足を進めてしまい、時雨と白露の二人は工廠へと来ていた。
「……あれ?」
「ん?」
「ガンビアさん?それと、隣にいるのは……」
「………ん?うんっ!?」
二人が目にしたもの……それは、体育座りをしていじけている赤鬼の様な怪人と、それに対してオロオロしながら謝るガンビア・ベイの姿だった。
「………何アレ??」
「……さあ?」
悩みに悩んで、結局分割してしまいました汗
果たして、電王編は終わらせられるのか!?
終わらせないと、なのだけども!!(泣)