提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え?   作:夏夜月怪像

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もうすぐそこまで来ている春の匂い。

寒暖の差がまだまだ激しいこの季節、みなさんもお気をつけて。


57話 : 時を紡ぐ雨を阻むモノ・後編

現在、汪曲刻鎮守府は騒々しくなっていた。

 

主な理由は二つ。一つはモモタロスがガンビア・ベイと遭遇し、他の艦娘達に襲撃者と誤認され、弾幕を浴びせられそうになり、死にものぐるいで逃げ回っていたからだ。しかし、どうにか落ち着いて話をする機会を得られたお陰で、この誤解はなんとか解けそうである。

 

もう一つの理由は、モモタロスが嗅ぎ取った新手のイマジンが暴れている為である。

 

 

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「ったく!何がどうなってるんだ、この騒ぎはよぉ!?」

 

当鎮守府の提督である片倉は、腹立たしげに執務机を叩く。

 

「連絡員からの報告では、怪物が鎮守府内を暴れまわっているそうで……」

「ジョークは俺がゴキゲンな時だけにしてもらおうか?ブッ殺されたいならいくらでもふっかけて構わんが」

 

報告をした駆逐艦に対し、にこやかな表情で脅しをかけると、その艦娘は恐怖のあまり、青ざめた表情で黙り込んだ。

 

 

(とは言え……深海棲艦が来たなら来たで、細かに報告が来るはず。とすると、コイツらの報告は強ち嘘ではない……か)

 

面倒事は嫌いなので、早く片付けたい片倉は指示を出そうと席を立った……その時。

 

 

「失礼致す」

「?」

 

丁寧な挨拶と共に、シカと鎧武者を足して2で割った様な怪物が執務室に入ってきた。

 

「……は?」

「当鎮守府の指揮官殿であらせられるな?我が主の望みを果たすため……、貴殿を成敗致す!」

 

いつの間に拾ってきたのか、シカの怪物は竹刀を手に構えた。

 

 

 

「えっと……それで?おじさんは何なの?」

「おじさんじゃねえ!モモタロスだッ!!」

 

その頃。モモタロスとガンビーを見つけた白露と時雨が、これまでの経緯を話し。反対に、モモタロスとガンビーの事情を聞こうとしていた。

 

「モモ…タロ、ス?ブフッ!」

「白露、ダメだよ!人の名前を笑ったりなんかしちゃ」

 

「オオ!そっちのアホ毛は分かってるじゃねーか?確かにセンスのねえ名前だが、それでも俺には大事な名前なんだぞ」

「えへへ、ゴメンゴメン」

 

意外と素直に謝ったので、モモタロスは白露がそれほど悪い娘ではないと思った。

 

「それで……モモタロスさんは、どうしてここに?ガンビアさんも一緒だなんて」

「そ、それは〜……私が怖がり過ぎちゃったせいで、モモさんを悪者扱いしてしまって……」

 

「だから、それはもう良いつってんだろうが?我ながら情けねえが、そういう扱いにはもう慣れてるしよ……」

「うわあ……」

 

そして、モモタロスが此処へ来た理由を説明しようとした、その時。

 

「キャアァァァっ!!」

「ワアアァァァっ!!?」

 

「ッ!!」

「ベイっ!?」

「こ、今度は何、なに!?」

 

悲鳴と同時に、壁が倒壊する音が轟いた。

 

何事かと時雨やモモタロス達が飛び出すと、外には片倉達の他に、時雨と契約したシカのイマジン、そしてライオンと馬の特徴を備えたイマジンらしき怪物が対峙していた。

 

 

「間違いねえ、どっちも当たりだ!!」




次回、時雨と契約したシカのイマジンが新手のイマジンと争うことに?

そしてブラック提督・片倉を前に、モモタロスやシカのイマジンはどうする!?
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