提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え? 作:夏夜月怪像
交番に届けるべく部屋を出ようとしたのだが、玄関を開けた先は未知の世界へと変わっていた‥‥‥
「‥‥ふえぇっ??」
目の前に広がる光景に対し、時雨は思わず困惑の声をあげた。
空にはオーロラが輝き、朝焼けにも夕焼けにも見える幻想的な雰囲気を漂わせ。果てしなく広がる砂漠の他には、グランドキャニオンの様な巨大な岩山がいくつもそびえている。
「なんで、鎮守府の中に砂漠が‥‥‥」
夢でも見ているのかと思い、左腕を
「‥‥痛い」
つまり、これは夢ではない。
自分は、ただ落とし物であろうパスケースを交番に届ける為に部屋を出ようとしただけなのに‥‥‥
どうしたものかと立ち尽くしていると、何か軽快なメロディが聴こえてきた。
それと同時に、何も無かった筈の地面に“線路”が敷かれ。
「‥‥ええぇえっ!?」
さらに、その線路の上を一台の電車が走ってきたのである。
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謎の電車が停車した事で、時雨は目の前の出来事に対して必死に考えようとした。
しかし、疲労に加えて信じられない事が立て続けに起こったことで、頭の中がパンク寸前となり、気絶しそうになってしまう。
『主‥‥我が主!』
「‥‥はっ!」
だが、そこへシカイマジンが時雨の意識に呼びかけたお陰で、どうにか持ちこたえた。
『如何なされた?此処は《時の狭間》‥‥普通の人間が容易に踏み入れる空間ではありませんぞ?』
「時の‥‥狭間?それって、どういう‥‥」
「あっ!?お前、さっきの!!」
「へ?‥‥あっ!」
聞き覚えのある声に呼びかけられ、振り向くと。
目の前の電車の、何両目かの乗降口から、赤鬼のような姿をした「恩人」―――モモタロスが顔を出していた。
「本日も、デンライナーをご利用いただき、ありがとうございまーす!御用がある時は、客室乗務員のナオミが承りますので、どうぞ気軽にお声がけ下さい!」
モモタロスに促される形で電車‥‥《デンライナー》に乗車した時雨とシカイマジンは、モモタロスの仲間であるウラタロス、キンタロス、リュウタロスとの挨拶も済ませた後、《時の砂漠》とも呼ばれるこの空間へ迷い込んだ経緯を話した。
「パスを遠征先で拾った?」
「うん。最初はただのパスケースかと思ったんだけど、この電車やモモタロスさん達と出会った理由が、全部このパスにあるのなら納得出来る。モモタロスさんが僕たちの鎮守府に来たのも、これを探してたからだよね?本当なら、もっと早く返さなくちゃいけなかったのに‥‥遅くなってごめんなさい」
ハンカチでパスを軽く拭うと、時雨は両手で丁寧にパスを差し出した。
「某めからも謝罪を。‥‥ただ、もし許していただけるなら、どうか我が主にだけは寛大な処置を願いたく‥‥」
「‥‥‥‥」
時雨とシカイマジンが深々と頭を下げる中、モモタロスたちは黙り込んでしまう。
‥‥が、次の瞬間。
「っ‥‥ぐっ‥‥くうぅ‥‥」
「グス‥‥ク‥‥ふぐぅう‥‥!」
「「‥‥‥え??」」
モモタロスら4イマジンは、一斉に泣き出した。
かーなーり、試行錯誤した結果。
こうなりました((殴
次回の展開、果たして何がどうなるのか?
応援して下さっている皆さん、大変申し訳ありません!