提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え?   作:夏夜月怪像

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これまで色々ありまして、新年を迎えました。今後も今後で色々あるでしょうけども、失踪と未完だけはすまいと必死になっているこの頃です。


62話 : あの日来た彼らが提督になる事を僕らはまだ知らない

「ゔぁ〜〜〜ッ‥‥。まったく、みっともねえ所を見せちまったぜ」

「ホント、女の子の前で鼻水垂らしながらベソかくなんてカッコ悪いよ?先輩」

「カメ公だってメソメソしてたじゃねぇか!?あと、鼻を噛んでたのはクマだろーがッ!!」

 

「そんな‥‥そこまで気にする必要無いよ?」

「そ、そうでゴザル!主の話を聞いていただいただけでなく、涙するほどに同情していただいた‥‥。皆様方が我らに対し、恥と思う道理が何処にありましょうッ」

 

 

時雨から話を聞き、彼女や彼女の住まう鎮守府の状況を改めて把握したモモタロス達は、時雨の何処までも他者を優先する姿勢や、様々な要素が重なり合ったお陰で助かった事への感謝ではなく、自分たちの問題に巻き込んでしまった事に対する謝罪を述べた事に対し、涙を流した。

 

 

大袈裟かもしれないが、泣かずにいられなかったのだ。

 

 

基本、モモタロス達はそれぞれが己の信条や欲求に忠実過ぎるだけで、心根は気の良いイマジンの集まりである。

勿論、悪ノリが過ぎて、騒ぎを起こす事もあるにはあるが、それでも普段は周りに迷惑をかけない様、振る舞いには気を付けている。

 

しかし‥‥商店街にて、ゲンさん達からブラック鎮守府問題の話を聞いた後ということもあって、非道な仕打ちを受けながらも懸命に堪え、他人の為に行動する時雨の健気な姿に心打たれ、涙が溢れたという訳だ。

 

また、時雨と契約したらしいこのシカイマジンも他者の気持ちを(おもんぱか)って行動する事を信条としている様子。

腕前に関しては、一時、共闘したモモタロスから見ても「筋は悪くない」との事。

 

「オイ、アホ毛娘。お前の名前‥‥まだ聞いてなかったな?」

「時雨‥‥‥白露型駆逐艦の時雨だよ、モモタロスさん」

「“さん”付けは無しだ‥‥時雨、トナカイ」

 

「えっ‥‥でも」

「いや‥某はトナカイではなく、シカなのでありまして‥‥」

「どっちも似たようなモンだろ。大体‥‥んな事、今はどうだってイーだろぉが」

 

「?」

「先輩‥‥?」

 

訂正を却下された事で落ち込んだシカイマジンを他所に、何か意を決した様子のモモタロスを前に、何事かと様子を窺うウラタロスとキンタロス。

 

「亀公。オーナーのおっさん、何処の基地に行けとかゆー場所決めはしてなかったよな?」

「確か、これといった指定は無かったような‥‥って、先輩まさか!?」

 

「時雨。お前らの鎮守府、新しい提督ってのは決まってんのか?」

「へ?‥‥ううん、まだそういう話は来てないよ?」

 

 

「なになに?」と興味津々なリュウタロスに対し、半分寝ぼけた様子のキンタロス。

一方、モモタロスの考えを察したウラタロスは呆れ半分といった様子で顎に手を当てながら溜息を吐いた。

 

 

「時雨。俺たちをお前の仲間に入れてくれよ」

「‥‥‥え??」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

その頃、白露たちは突然姿の消えた時雨を捜して大騒ぎになっていた。

 

「居た!?」

「ダメ‥‥白露、そっちは?」

 

「こっちも手掛かり無し‥‥」

「そんなぁ‥‥‥」

 

シカイマジンやモモタロスの協力もあって、やっと鎮守府内の問題が片付いたのに‥‥

 

己の非力さに、ガンビアは涙を浮かべた。

 

「まさか‥‥あの赤鬼が?」

 

モモタロスやシカイマジンが片倉元提督らを片付ける手伝いをしてくれた事は聞いていたが、それでも那智や一部の艦娘たちはモモタロスの容貌に対して警戒心を拭いきれずにいた。

 

「モモさんは違うよ」

 

しかし‥‥

 

白露がそれに対して否定の声をあげた。

 

「モモさんだけじゃない‥‥時雨の味方をしてくれたシカさんも絶対に酷いことはしない。あの人たちが、いっちばん私達に優しくしてくれたもん!」

 

 

時雨がモモタロスらを連れて鎮守府に戻ってきたのは、深夜11時を過ぎての事。執務室のロッカーから時雨が出てくる瞬間を青葉が発見、次いでシカイマジンやタロウズが出てきた事で、鎮守府内はまた大騒ぎになるのだが、それはまた別の話。




かなりの久しぶりとなりました。

久しぶりなんて言葉じゃ済まないくらいの長期停滞でした(ヽ´ω`)
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