崩壊3rd Destiny Eye   作:アーヴァレスト

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それは運命の出会い


Day 5

「ふいー・・・勉強オワタ」

「早いわね」

「記憶力もいいですよ?」

 

私の記憶力は同世代のそれを遥かに上回る

細かいこともしっかりと記憶しているのだ、それ故に隙も油断もない

 

「そういえば・・・」

 

最近気になっている子がいる

放課後にいつも図書室か理科工作室で実験している子がいるのだ

 

「話しかけてみようかな・・・」

「辞めといた方がいいよ?」

 

そうしようとした時、学友から止められた

 

「あの子・・・第2次崩壊の原因を作った人達の子供なの」

「生まれなんてどうでもいいよ・・・私は興味がある、それだけ」

 

第2次崩壊の原因は実験の失敗による被験者の暴走と同時に発生した別件のウイルスの拡散らしい

どちらかを考えたら、おそらく後者側の子供なんだろう

だが、それが接触を避ける言い訳にはならない

私にはむしろそういう事情がある上で付き合う方がマシだ

無用な不安を抱えなくていい

 

その後、その子の名前を聞き出して荒く調べた

名前はレベッカチェンバース・・・チェンバース家は元々貴族であり、細菌・ウイルス研究の分野においては最先端をだったようだ

第2次崩壊時に研究していたウイルスが崩壊現象で活性化、抑止のためのプロセスが完全に機能しなかったこと、研究所の超高熱自爆措置の遅れによるウイルス漏出によりバイオハザードが発生、結果的に第2次崩壊の要因の1つになったようだ

その際に、両親ともに感染死している

本人も感染したものの、ウイルスそれ自体への完全抗体を有していたため発症しないばかりか、後天的であるが高い崩壊耐性を得るに至った

そして本人の希望により戦乙女(バルキリー)育成機関である・・・私の学び舎でもある学園に入学したという

 

「なるほどぉ・・・」

 

避けているのではなく・・・恐れているのかもしれない

人に裏切られることに・・・恐れられることに・・・

 

「不器用な子だね・・・」

 

知ったからには行動しなければ

 

「なに・・・?」

「編入生だよ?」

「知ってる・・・」

「明日は放課後どこにいるの?」

 

反応がないように見えるが・・・返答は小さく返って来た

 

「理科工作室」

「私も行くね」

「じゃま」

「ううん、私の依頼をしたいから」

 

以前採集したゾンビの血液、それを分析して欲しいのだ

 

「好きにすれば」

 

そう言ってその日は終わる・・・そして翌日の放課後

 

「本当に来た・・・依頼ってなに?」

「これを解析してちょうだい、必要な許可と機材はこちらで用意するわ」

「・・・血液?」

「えぇ、でもただの血液ではない・・・これはもしかしたらB.O.Wかもしれない個体から採集した血液よ」

 

その瞬間、彼女の顔に浮かんでいたのは・・・呆れだった

 

「貴女も利用する立場なのね」

「私に足りないものを補ってもらうだけよ・・・そして貴女にはそれが出来ると確信している」

「帰って・・・やらないわ」

「そう・・・じゃあ帰る」

 

血液の入っている試験管は置いたまま、私は席を立つ

 

「臆病者に用はないしね」

 

それに彼女が予想以上の反応を返した

 

「誰が臆病者だ!!私の事は皆から聞いているんでしょう!?」

「他人の思う事なんてどうでもいいわよ、私の判断基準にそんなものなど参考にすらならない」

 

そうして私はもう一個置く

それは私への連絡先の書いてある紙

 

「気でも変わったら電話かメールしてちょうだい、その試験管は中身ごとプレゼントしてあげるわ」

 

そうして部屋を出て寮に戻る

 

「さて・・・どう反応が帰ってくるか・・・」

 

久しぶりの博打のようなものだ、不安しかない

これで彼女からの返答がない場合は、割り切るしかないだろう

そう思いながら食事をして寝ようとしていた22:00に・・・電話がなった

 

「はいはーい、どちらさまですか?」

「知っているでしょう・・・」

 

どうやら、賭けは私の勝ちのようだ

 

「電話では話せないことよ、コレは・・・部屋番号を教えて」

「えぇ、分かったわ・・・部屋番号は・・・」

 

部屋番号を伝えたら・・・すぐに来た

割と近い部屋なのかもしれない

 

「結論から言わせてもらうわ・・・血液を採集した個体は間違いなくB.O.Wよ」

「まさか・・・アレから急いで解析したの?」

「えぇ、癇に障ることを言われてムカついたから」

 

それでこれとは畏れ入る・・・

 

「詳しい事はこれから言う通りの場所と機材を用意してもらわないと無理ね」

「言ってくれる?」

「まずはL4レベルの実験室を絶対に用意する事、これは万が一バイオハザードが起きてもプラズマ処理をするために絶対に必要だから」

「うん」

「後は遺伝子解析用のマシン1台、新薬の開発製造マシンも」

 

ふむふむ・・・

 

「後は新鮮なものを調達して、今回のは期間が経過していて情報に欠如が見られた・・・出来れば新鮮な検体自体が欲しいわね」

「了解したわ」

 

その顔には・・・怯えがある

自分もまた、両親と同じ過ちを犯そうとしているのではないだろうかという恐怖からくるものが

 

「ご両親の行っていたことって・・・なんなの?」

「始祖ウイルス・・・史上初めて確認された人間のテロメアを回復させるウイルスの研究をしていたわ」

「テロメアを回復させるウイルスか・・・」

「でも、細胞を活性化するあまり凶暴化するリスクが高くて・・・研究は行き詰ってた」

「そのおりに起きたのが・・・バイオハザードと第2次崩壊か」

「えぇ・・・」

 

私はその肩に手を置く

 

「貴女に任せる以上、私が全ての責任を取るわ」

「・・・」

「全力で調べあげて、この世にB.O.Wなんてものは不必要だわ・・・それにこれはご両親の敵討ちに近いわ」

「えぇ・・・父さんたちは平和利用を目的として細菌とウイルスの研究をしていた・・・その分野で」

 

歯ぎしりするのは、純粋な怒りからか・・・

 

「父さんたちが命をかけて行っていた研究分野を汚す事は・・・娘である私が許さない!!」

 

それが彼女の根源にあるものだろう

私の両親は素晴らしい人だったと、誰よりも信じているから

最後に傷つけられた彼らの弔い合戦として、協力してくれるのだ

 

「私も戦うわ・・・私の出来る事で」

「えぇ、お願い」

 

協力者が出来た、即座に私は電話する

 

「姫子先生、お願いしたい事があります」

「もう聞きたくないんだけど?」

「諦めて聞いてください」

「はぁ・・・言いなさい」

 

要件を告げる、すると

 

「丁度、貸してくれるところが現れたところよ・・・運がいいわね」

 

場所を聞く、そこまでのルートも聞けた

 

「分かりました・・・ありがとうございます」

 

電話を切り、明日からの予定をあけて解散する

さぁ、暴いてやろう・・・全ての謎を




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