「情報屋からネタを仕入れるかな」
「どんな情報を仕入れるつもりだ?」
「大規模テロとか、そういうのよ・・・そこに彼の影がある」
「なるほど・・・で、そこからどう動く?」
ふむ、その先ねぇ・・・
「そこから先は、行う場所の支社に乗り込みコレを制圧、テロを未然に防ぐわ」
「そう上手くいくか?」
「行かないでしょうね」
「おい・・・」
何故なら
「相手は元CIA局員・・・簡単に勝てる相手でないのは明白よ・・・経験も何もかもが相手以下であるのは言うまでもないわ」
「だが、勝てる可能性もある」
「えぇ、それに今この世界を彼の手で壊されるわけには行かない。テロの成功・・・それは私だけでなく、この世界で生きる人たちの未来が終わることを意味しているから」
だからこそ、戦う
だからこそ、守らなければならないものがある
「それに、彼の目を見てわかったこともある」
「・・・?」
「彼は死にたがっている・・・妻になるはずだった人を目の前で失った事・・・その人も、その場にいた人たちを守れなかったことを後悔している」
「そうか・・・」
全てがどうでもよさそうな目をしていた、その目の奥にあったのは諦念
諦めきった感情だ
そんな目をしていた人間を私は知っている、その末路さえも・・・
ならばこそ、止めなければならない、知る側としてできる事をするしかない
「でも・・・ねぇ」
紹介された人を私は知っていた、その人も私のいた世界から転生してきた人だ
知っている理由は簡単、憧れた人の後輩であり、会った事があるから
会話もした事がある、正義感が強く、多少の事では動じない冷静さと戦闘中でも余裕で軽口を叩く等ユーモア溢れるが大胆不敵な性格で、自身も苦しい中でも任務を確実に成功させるという強靭な精神力も合わせ持っている
ただし、時間にはとてもだらしない
初出勤にも拘わらず、恋人とのケンカ別れが原因でヤケ酒をあおり寝坊。朝には着くはずが夕方からの出勤と、遅刻ってレベルではないポカをやらかしている
「はぁ、ヤになってくるなぁ・・・」
確実にモメそうだ、本当に嫌になってくる
「それでもまぁ、行くしかないかぁ・・・」
あの人の優秀さは身を持って知っている
本気のあの人の力は、憧れたあの人に次ぐほどのものだ
それゆえに、もったいないと思う
だが同時に、尊敬もしている
壊れてしまってもおかしくない状況下でありながら、それでも自分の信念を貫いた彼に対して、敬服する心くらいはある
まぁ、時間にだらしないところがあったり、女運が悪く、また女性には振り回されやすい性分である事に関しては何とも言えないが
次話、窮地かも