「はぁ・・・」
「なぜ酒場なのだ?」
「飲んだくれてるからよ」
私は合流場所として教えられていた住所についた
そこは大衆酒場、昼間っから飲んでいるみたいだ
「あぁ、全く変わらない」
広い店内で1人だけ飲んでいる男がいる
その人の名は・・・
「こんな平和な街中に、暗器を持ってきても使い道はないぞ?」
「昼間から酒を飲んで酔っ払っているあなたに言われたくないですよレオンさん」
「これはこれは、九条ちゃんにチェンバース家のお嬢様じゃないか」
口を開けば皮肉をよく言う・・・!!
「お仕事です、協力して」
「俺は休暇中だ」
「あなたがかつて壊滅させた組織、連中の技術についてあなたの見たことを聞きたい」
「そんな昔の事なんて忘れた」
「1週間後もこの街でグダグダしている気ですか?」
「そんな先の事は分からない」
店員の方に向いた彼は注文をしようとする
「ウイスキーもう一本くれ」
「あぁ、キャンセルで」
「いやキャンセルじゃ」
「もういい!!十分でしょ!?」
怒りを我慢できず、つい大声を出してしまう
「なんだ、いい加減にしろ、アヤカ」
「それはこちらのセリフよ、レオン」
次の瞬間、ポケットから出した瓶をこれみよがしに開ける様にさらに苛立つ
「つっ・・・!!」
「やめろ2人とも」
そこでレベッカちゃんが呆れた顔で仲裁してくれてなんとかなる
「レオンさん、休暇を邪魔した事には謝罪する。だが今はどうしてもあなたが持っている情報が必要なんだ」
「情報ってなんだ?」
それから全ての流れを話す
「既に何人もの民間人が犠牲になっているの」
「またか・・・またそういう手合いか」
「・・・?」
「休暇前、今の職の任務で、爆弾テロの未然阻止を行っていた・・・だが情報屋のネタが漏れて、トラップがドカン、同行した強襲チームを含めて山ほど死んだ・・・」
「・・・」
この人はそれを抱え込みすぎるきらいがある、だから酒に逃げやすいのも知っている
だが今回のはその中でも極めつけに悪いと言える
「俺の人生とはそういうものなのか?敵との戦いだけなのか?俺達のゴールはどこにあるんだ・・・」
「いいですか?」
私はノートパソコンの画面を向ける
「グレンアリアス、武器商人。裏で武器を売買しある国の暗殺対象となった、結婚式の最中に爆撃され両親と妻、親族と友人の多くを亡くし復讐の鬼に・・・暫くの潜伏の後にB.O.Wを扱い始めた、私に自慢げに言った、うちの商品は敵味方がわかると」
「一方は武器商人で、もう一方は結婚式を爆撃する政府か・・・どっちもロクデナシだ」
「アリアス!!この男を捕らえるのがゴールです!!」
「君のゴールであって、俺のでは無い!!」
「つっ・・・!!」
「やめろと言っただろうが!!」
レベッカちゃんに怒鳴られた、何気に初めてだ
「レオンさん、貴方は落ち込んでいる割に随分と饒舌だな?対してアヤカ、お前はやたらと苛立っている・・・2人には共通点がひとつある」
「「共通点・・・?」」
「自分の事しか考えていない事だ」
そう言って彼女がバックから取り出したのは拳銃型の注射器だった
それを自分の腕に指し、採血する
「ウイルスはずっと身近にあった、誰も気付かぬうちに」
「どういうこと・・・?」
「ウイルスそのものを探す必要はない、既に皆の体内に潜伏しているのだから、無論2人にも」
「・・・」
「探すべきは引き金、潜伏ウイルスを活性化させる誘因、トリガーを探すんだ。急がないと全人類が生きてようと死んでようと兵器にされてしまう。この長閑な町で、そうやって酒をあおりながら惨めな気分に浸ることさえ出来なくなる」
一息開けて、レベッカちゃんは続けた
「今の所、試薬が私には効いている。でも早くトリガーが何か見つけないと、試薬が誰にでも効くと思えないから・・・私の血に答えがある。私が死んだら、信頼出来る研究機関で解析してくれ」
そう言って一度荷物の方を向き、すぐに私達の方へ向き直して彼女は告げた
「辛い思いをしたのはわかる、でも私が知る二人はは言い争いばかりで世界を見殺しにするような人ではない・・・そうだろう?違う?」
いたたまれない気持ちになった
「レオン・・・!!」
1分くらいしてからだろうか、誰かが入ってきた
「パトリックッ・・・!!」
「レオン!!」
「情報屋の話をしたな、こいつがその情報屋だ!!」
その瞬間にレオンがキレながらその男の胸倉を掴んだ
「ちょっと、何してるの!?」
店員が来るが、レオンは左内側のポケットから手帳を出しながら店員に言った
「公務だ、問題ない!!」
「うわぁ・・・」
この人最初休暇中って言ってなかったけ?
「あんたが倒したヤツらの残党がとある武器商人の企てている大規模テロに資金提供したって情報が入ったんだ、それを知った俺は危ない状況にあって・・・」
床に崩れ落ちた男の発言に私はピンと来る
ちょっとユスってみようと、肩を掴みながら立たせた
「武器商人だって、私達はツイてる」
「ツイてる?逆だろ!?」
「グレンアリアスなんでしょ、その武器商人って」
「どうしてソレを!?」
「超能力だ」
私はそう言って手を話す
「お願いだ、助けてくれ!!」
「助けてやると思うか?助けて欲しかったらネタの詳細を話せ、それからどうするか決めてやる!!」
「いや・・・それは」
その瞬間、車の近づく音に気がついた
その車は店の入口に止まり、そこから出てきたのは黒い戦闘服を着た人間たちだった
「危ないッ!!」
即座に反応して店員さんをカウンターに隠して私は告げる
「追跡されやがってこの間抜け情報屋!!」
「もう遅い、コイツはもう助からん!!」
だが携帯は預かっていた、そこから察するに、情報はこの中にある
「つっ・・・レベッカ!?」
敵の方に、意識を失って抱えられているレベッカがいた
「ちいっ!!」
すぐに追うが、車に勝てるわけもない
「先生、レベッカが誘拐された、相手は黒の幌車、私のいる町の北方向に逃走、その先にある支社を割り出して!!」
「次から次に問題起こさないと気が済まないのアナタは!?帰ったら覚えてなさい!!」
さて、どうしようか・・・
「仕方ない・・・協力してやる、だから絶対に学友は生きて取り戻せ」
「了解、力を借ります!!」
私の学友を誘拐するとは舐めた真似をしてくれたものだ、絶対に許さん
これから先は私のターンだ!!
悲報、学友誘拐されるの巻