「んん?これは夢かな?」
ある日、私は夢の中にいた
明晰夢というものだろうかというものだろうか?
辺りには瓦礫があり、火災も起きている
「あ···」
その中に、私がよく知る人がいた
憧れた人物···藍澤カズマが···
「何故···ここに?」
「さぁ?分からないな···」
火災の中で私がいるその対面に座る彼からは、私が最後に見た姿そのものだった
「カズマさん、聞きたかったことがあるんですけど···」
「何かな?」
私は聞きたいことがあった、それは···
「カズマさんは、自分の選択に後悔した事がありますか?」
「そうだな···」
カズマさんは少し言葉を選ぶようにして、再び話し始めた
「俺が選び、背負い、歩んだ運命に後悔の念はないよ」
「・・・」
「何故ならそれは世界でただ一人、自分が耐えればいいだけの事だから、藍澤カズマという破綻者だけが苦しみ抜けば済むだけだから」
そこから語られるのは彼の一面、世界を壊した男の精神である
「光の怪物を対価にして、愛する世界が繁栄していくのなら、是非もない。それこそ破格の取引だ。俺は自分の願った通りに無限の地獄を駆け抜けた」
「そう···ですね」
私もそれを見ていたから知っている、理解している
この人がとても強く、優しく···寂しい人だった事を
「その地獄の先にこそ、誰かが笑顔でいられる···輝く明日があると信じて」
「・・・」
「気力を武器に戦い続けた誓いは今も変わることは無い。たとえ人外の怪物に成り果てようと、人の善と幸福こそ守るべきだと感じているさ」
それこそが彼の理想、自分よりも他人を優先していた彼の意思だ
「だからこそ、案じないでいいよアヤカちゃん、英雄の後継にふさわしい若人···君に滅びは訪れないし、訪れさせない」
「私はあなたに憧れている身です、同じ末路は辿りませんよ?」
「あぁ、そうだね···」
ふっ···と笑い彼は話す
「俺の運命は俺が耐えればいい事だからな···鏖殺の雷霆だけが苦しめばいいのだから···その果てで誰かの涙を止められるのならば、依然変わらず是非もない」
そして宣言するように呟く
「
そう、だからこそ私は答えなければならない。尊敬している、偉大なる先人に
「知ってます、だから私も、私の答えを貴方に見せたい···目指す偉大な先人に、示したいと想うんです」
「あぁ、その返答こそ俺には眩しく···いや···」
一瞬、言い淀んで···彼は微笑みながら喋った
「そうだな···楽しみにしておこう」
その言葉を聞くと同時に、私の視界は白に染められた
これが後に多大な影響を与えることになるのはいつか来る未来の話