「よし、キアナ達は予定通り崩壊炉と管制室の方にお願い。私は星辰炉に向かうわ」
「星辰炉?」
「次元間相転移式核融合炉の別名なのよ、つい昔の癖で短縮していたわ」
「わかった、気をつけてよ!?」
「言われるまでもないわ」
キアナ達を見送り、私は僅かな期待を胸に向かう
トラウマに足がすくむと同時に、もしかしたらという僅かな期待もあるのだ
もしかしたら、まだ使えたら···あの人に逢えるかもしれない
その期待が私を向かわせている
「その為には、邪魔な奴らに退場してもらわないとね」
崩壊獣が出てきた、走り始めると同時に抜刀、一刀のもとに切り伏せる
その亡骸が音を立てて倒れるまでにつぎを斬り伏せる
「今さら中型風情に手間取るかっての」
そう言いながら第一波を皆殺し、剣を納めた
「さて、この扉の先か」
内部の構造も調べ尽くされていた、そのマップ通りならば今目の前にある扉の先にあるはずだ
「パスコードが必要なの!?知らないわよそんなの!!」
適当に押す、当然帰ってきたのはエラーだった
「ちぃ!!やはりダメか!!」
だが、そこで私は閃いた
「199405021624」
そう言いながら入力し、Enterを押す
返って来たのは···OPENの文字だった
「ウッソダロマジカヨ」
思わずそう言いたくもなる、なんで私の生年月日+時間なのよ
「やはり定格稼働状態ではなかったか」
モニターを見ると予備出力モードに固定されていた、制御盤は壊れていないようで、ところどころガラス面にヒビこそあるが炉自体に損傷は無いようだ
これなら、ガラスさえ変えればいつでも稼働出力へ切り替えられるだろう
問題は接続先である、次元間相転移式核融合炉は単なるエネルギー生成装置では無い
その恩恵を人のみで受け取ることも可能な、使い方を間違えると最悪な結末を産む魔法のランプなのだ
「やはりあの人も恩恵を得ていたか···私にも接続がある···最後は···」
その文字を見た瞬間、目眩がした
まさか···その名があるとは思ってなかったから
「カズマさん···」
その瞬間、光に包まれ···気づいたら草原の中にいた
「あ···」
視線の先にいるのは···あの日と何も変わらないあの人の後ろ姿
声をかけようとすると、その人は遠ざかっていく
追いかけて横に並ぼうとして···
「つっ···!?」
すぐに元に戻っていた、時間は···15分経過していた
「炉心制御システムの立ち上げは完了してる···」
今のはなんだったのだろう···胸騒ぎがする
「まさか···ね」
カズマさんがこの世界で存命している可能性を一瞬考えた
でもその可能性は薄いとみていいだろう、死体も確認されていたというし
次話、本作発の主人公以外の視点回