「あれに搭載されている兵器の名前がわかった?」
「えぇ、可能性としてだけどね」
私はもうだいぶ古い資料を目の前に出す
これはあの戦艦の中央司令室にあったものだ
「ムーンライトスローン···超高出力崩壊エネルギー転用熱放射兵器よ」
「そんなもの···誰が···!?」
「ネゲントロピーに決まってるでしょ、こんなロクでもないの作るのは」
恐らく何かの目的があって作ったのだろうが、これは現人類には明らかに早すぎる技術だ
崩壊に対抗するためとはいえ、明らかにやり過ぎの代物···
これを全力で運転したら、世界そのものが焼き尽くされてしまう
「世界を天秤にかけるほどの博打なんて誰が認めるかっての」
そう言って私は現在判明していることを告げる
「設計は50年以上前、開発と建造も同じ頃から、とある出来事でその性能が一時的に使われたことがあるようね」
またその際に、異世界からの来訪者による妨害が確認されている
この資料によると、開発者側を支援したようであるが
「日本だけでなく世界各国のメーカーが極秘裏に開発建造費を負担していたみたい、それだけでなく···」
そう、私が知りたかった事がそこにはあった
「愛国者達が関与しているわね」
愛国者達···かつて私の世界に存在した組織
目的のためにどんな事でもやっていたマッドな連中だ
その壊滅にカズマさんは酷く苦心していた
最後は何とか倒したが、それはカズマさんの人生に影を落とし、狂わせた
その名を持つ組織がこの世界にもあると知ったのは、学園に入る少し前だった
それから痕跡を探し、動向を探り、そして今に至る
「あいつらはこの世界に存在してはならない組織よ、何としても潰すわ」
そう、それが彼の後継を名乗る私の使命の一つだ
「なんでそうするの?」
「非人道的な人体実験を平然とする奴らよ?」
「確かにそうだけど···それだけじゃないんでしょ?」
キアナが痛いところを突いてきた、この子は意外と勘が鋭い
「私の親も、人生を狂わされたのよ」
そう、私の親の人生までも狂わせた
故に許さない、根絶やしにしてくれる
「そっか···道を踏み間違えさえしないなら、協力するよ」
「ありがと、でもこれは私の問題だから、自分で出来る所までするわ」
そう、これはあくまで私の問題なのだから、自力で出来る所までしなくてはならない
「私の全力を超えた先の力で、倒してみせる···代償は大きいだろうけど」
その瞬間、声が聞こえた
「確かに、君に本気を出されると少しばかり困るな」
黒いモヤが現れ、そこから一人の男が現れる
「スカルフェイスッ!!」
「ふっ、相変わらず元気ではないか、ウェスカーの娘」
「つっ!!」
相変わらずこの男は、人のカンに触る事を平然とッ!!
「何なのあんた!?」
「何者かと問われれば、こう答えるしかあるまい」
私と奴の言葉は同時だった
「「世界を報復で一つにする者」」
そう言って私はやつを睨んだ
「そう睨むな、照れてしまうだろう?」
「スグに死ね」
そう言って私は奴に斬り掛かる
だが、像がまるで霧かのように雲散した
「ホログラムか」
「その通り、私は映像を送っているだけさ」
つくづく嫌な奴だ、マジでぶち殺したい
「待っていろ、すぐに殺してやる」
「待っているとも···奴の後継たる君が、私を殺すその時を」
そうしてやつは消えた、終話したらしい
「あの人···怖い人ですね」
「え···?」
「目が···憎悪に染ってました···」
「でしょうね···」
私は奴の過去を知っている、知っているからこそ止めなければならないのだから
敵の過去とは?