「ここは・・・?」
目を開けたら、懐かしくも嫌な思い出を見ていた
それは両親と自分の運命を変えられた日・・・
「あの日の景色か」
忘れもしない、そんなことなど許されはしない景色
私の始まりにして、最初の記憶
運命の始まった、あの日
「死ぬ覚悟はあるのか?」
「ないさ、あるのはただ一つ」
その景色を見て、次にいたのは瓦礫に包まれた空間だった
言うまでもなく、私のいた場所
両親の声と、あの日との声が聞こえる
私を助けてほしいと叫ぶ両親と、その声を聞いて私の場所を聞くあの人の声
「・・・」
暗闇が晴れ、そこにいたのは心の底から安堵する両親と、何かから救われたような表情の彼だった
「あぁ、そうだ」
なぜ私が彼の後継を目指したか
「彼のような人になりたいから」
自分よりも他人を救いたいから
それも本音で、本当は救ってくれた彼を支えたかったから
だから、彼の後継を目指した
彼がその重責から心を壊してしまわないように、その負担を少しでも減らしてあげたくて
「あ・・・」
そして、再び景色が変わる
「私が選び、背負い、歩んだ運命に後悔の念は一つもないよ」
一人の人間の背中を私は見ていた
その人は、優しくそう私に言ってくる
「なぜならそれは、私が耐えれば良い事だから。藍澤カズマという破綻者だけが苦しみぬけば済むことだから」
「・・・」
「人工生命という化け物を対価にして、愛した世界が繁栄するなら、是非もない。まさに破格の取引だろう。私は自ら願う通り、無限の地獄を駆け抜けた」
それを聞くと、むなしくなる
彼を支えられたのか、わからなくなる
「私の戦いの先にこそ、誰かが笑顔でいてくれる輝く明日があると信じて・・・」
「・・・」
「気力を武器に戦い続けた誓いは今も変わらない。たとえ神と呼ばれる存在になり果てようとも、人の善と幸福こそ守らねばと感じている」
そうして横に立った私に彼は微笑みながら続ける
「だからこそ、案ずるがいい、アヤカ・・・英雄の後継に相応しい、尊敬すべき子・・・いずれ来る終末においても、君に滅びは訪れない。なぜなら世界でただ一人、自分が耐えればいいことなら、鏖殺の雷霆だけが苦しみぬけば済むことなら・・・その果てに誰かの涙を止められるならば、依然変わらず、是非もなし。悪の敵という塵屑は、愚かしいほど無敵のままさ」
「分かっています、だから私も、私の答えをあなたに見せたい・・・目指す偉大な先人に、示してみたいと思うから・・・」
「その返答こそ私は眩しく・・・いや」
彼は一瞬、素の自分に戻っていた
それほど私の発言が意外だったのだろう
「そうだね、楽しみにしておこう」
視界が白く変わっていく、どうやら目覚めのようだ
あれ、見覚えが