「・・・」
一転して会議室、そこは沈黙に包まれていた
発覚した律者の覚醒、支援する謎の人物···混迷する状況下でこれだけの出来事でも神経をすり減らすのに十分だ
謎が謎を呼び込み、深い沼の底にいるような気分になりそうなほど重い空気がそこにある
「アヤカ、知ってることがあるなら言ってちょうだい」
「・・・」
質問に私は一度目を閉じ、一瞬考えた
知っていることがあるのなら···そんなの一つしかない
「支援している人物の特徴が、私の聞いた人物であるのなら···」
あくまで仮定でしかないが
「あの人は、私の世界から来た人です」
「知り合い?」
「私は知ってるけど、多分彼は知らないはず···だと思う」
だから仮定でしかない、私にも分からないからだ
「名前は牧瀬セリア、かつて正義の側にいた人物です」
私の知る中では、彼は最強の剣士らしい
カズマさんでさえ、得意とする武器を持たれたら勝てる確率は50%を下回ると言ったほどの人だ
それほどの人であるが···
「カズマさんと袂をわけてからは一転して闇の側に着いたそうですが···」
「つまり今は闇の側というわけ?」
「えぇ、何故なのかは分かりません···当時の記録を見ることが出来れば理解出来るかも知れないですが···」
この世界では無理だろう、しかし私の知る断片情報から想像出来ることはある
「恐らく、何らかの目的があるのだと思います。目的も無しに敵側に着くなど有り得ない人物だと聞いているので」
かつて敵対したのは、カズマさんに確実な勝利をしてもらう為
そのために自身の全てを捧げたのだと教えてもらった
では今回は?
「闘真さん、会ってますね?」
「確認系なのがアレだが、先月会ってるよ」
「では彼がこう動くと?」
「予測してたが?」
次の瞬間、テレサ学園長と姫子先生がその首元に鋭利な刃先を突き付けていた
「アンタ···何考えてるの?」
「俺は俺の戦争をしているだけさ。今も昔もそしてこれからもな」
「その影響でどれだけの人が巻き込まれるか、分かってるの!?」
「大を生かすためには小の犠牲が不可欠だろう?」
あっさりとそう言い返す闘真さんに2人はただただ呆れかえるばかりだ
「巻き込まれた側がそれで納得すると思う!?」
「納得はしなくても理解はしてもらわないとな」
「つっ···!!」
絶対的強者のセリフとしてこれ程強いものは無いだろう···それが最悪の発言だとしても
「アヤカが、アンタを尊敬しない理由がわかったわ」
「俺など、尊敬されるに値しないさ。されるべきは弟子のような高潔な意志を持った連中だろうよ」
「尊敬はしてないですけど、参考にはしてますよ」
「それだけで十分だ」
議題から少し逸れた、元に戻そう
「セリアさんが何の為に行動しているかわかった気がします」
「なんなの?」
「セリアさんなりの方法で、あの子を人に戻そうとしているんだと推測してます」
「それが可能なら私達もしているわよ!!って···ちょっと待ちなさい、なら貴女たちを攻撃したのは?」
「真意を悟られないようにするためかと、この場合その相手は···」
「十中八九、オットーだろうな」
闘真さんのその発言に、誰も否定的な発言を返せなかった
状況が整いすぎているのはわかっていたから、それができる人間など1人しか居ない
それこそ、天命のトップしか出来えないのだから
「やれやれ、こちらも本格的に動きたいところなのだがな」
「別にどうぞご勝手に」
「辛辣ぅ···まぁ言われるまでもないか」
方針は今決まった
「協力は出来ると思います。というよりあちらから共闘を申し出るかと」
「その時になるまでは待ちの姿勢ね」
「えぇ、まぁ、そうまで遅くはならないと思いますけどね」
「···?」
全員が不思議がる中、私は自分しか知らない周波数へと通信を入れてみた
「この周波数を知っているという事は、君はカズマの事も深く知っていると推測されるな」
「えぇ、心の底から尊敬している方ですから」
「なるほど、君がアイツの言っていた子か···アヤカ」
「既にあなたの目的には薄々勘づいてます。共闘しませんか?」
「いいだろう、あいつの光景を名乗る者よ、その力見せてもらうぞ」
通信が切れる、全員が呆れていた
「あんたねぇ···」
「こうした方が早いので」
よし、これで駒は揃った
あとは最後のピースを嵌め込むだけだ
次話にて救われる子がいますよ!!