崩壊3rd Destiny Eye   作:アーヴァレスト

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この物語は全てが終わったあとの話の一つでもあります



新年

「ふぅ、これで一段落かな?」

 

私はそう言って重箱の蓋を閉めた

これであとは明日を待つだけ、御節料理の手作りは久しぶりだから味がなんかしっくり来ないけどまぁいいよね?

 

「夜遅くまでご苦労な事ね」

「あれ?なんでシーリンが表に出てきているのかな?」

「キアナは早々に寝たから、たまの息抜きがわりよ」

「ふーん、そう」

 

キアナの中にいる律者、シーリンはそう言ってソファに座る

この子の説得には骨が折れた、精神的にも物理的にも

説得は上手く行き、協力してくれているのは一重に奇跡的と言うしかない

 

「貴女、これは明日のものよね?」

「ええそうよ?」

「そこにあるのは?」

「ナンノコトカナー?」

「とぼけても無駄よ」

 

目敏いのはキアナと同じか、私用に取っておいた夜食分に目をつけられた

 

「キアナとは上手くいってる?」

「えぇ、そこそこには」

「なら良かった、お守りはお願いするね」

「お願いされたくないのだけど?」

「諌めるだけでしょ?難しいとは言わせないよ?」

 

不服そうだが、彼女は溜息をつきながら私のお願いを聞いてくれるようだ

 

「はぁ、仕方ないわね」

「私より強くなったからねー、仕方ないよねー」

「嘘言ってるんじゃないわよ、本気であればまだ私達なんて足元に及ばないぐらいのクセに」

「ナンノコトカナー」

 

私の力は壊す為のものであり、この子達のような守るためのものでは無い

戦乱の時に、私の力は必要となる事があるだろう、だが平和になれば不要なものだ、むしろ危険ですらある

多くを救うための小さい犠牲、それが許せないから全てを救うための力を欲した

自分がいつか辿るかもしれない末路を知っていても、大切なものの為に戦い続ける···そんな人に憧れを抱いたから

救済の光を掲げる者···英雄の後継として描いた未来は奇跡を軌跡として偶然という名の必然が生み出した奇跡的なバランスの上で叶えられた

それが薄氷程の薄さの幻想としても、それを守り抜く事が極限の難易度であろうとも···

 

「覚悟無き者からは力を奪おう、だが、その覚悟があるのなら···」

「私たちの行動の指針ね、そこに関しては同意見よ···」

 

私は今を生きようとする、強い意志を持つ人達の為の剣だ。力があっても、声を出すことも出来ずに耐え続けている人たちの為の力としてあり続けよう

それがあの人···藍澤カズマとの誓いである

運命の果てに得たものは一つの答え、それは小さく儚い命が紡いだ優しく強い、暖かな炎の煌めきである

 

「討たれていいのは、その覚悟のある人だけ、だよね?」

「あら、起きちゃった?」

「なんか話してるなー、と思って」

 

キアナが起きてしまったようだ、夜食は隠しておこう

 

「あ、美味しそー」

「つっ!?」

 

な、なぜ隠していた夜食の位置がバレている!?

 

「性格から予測できるよ?」

「何···だと···?」

 

性格から読まれていたなんて屈辱だよぉ!!

 

「キアナ、食いすぎはダメだからね?」

「はーい!!」

 

さぁ、元旦まであと数時間、この幸せに感謝しながら、新しい一年が平穏無事に生活出来る事を祈ろう




元旦すぎてしまいました申し訳ございません
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