そして主人公の意外な正体
「ちっ・・・オットーめ、厄介なものを厄介な場所においてやがる」
「まさか、対要塞砲を防衛に用意しているなんてね・・・」
「攻略しようにも難しいぞ、これじゃあ」
そこで私はデータを出す
それはかつて、あの人が集めていたものだ
「それはカズマが集めていたデータか?」
「えぇ、偶然、暗号化状態で学園のサーバにあったのを見つけて復号化したわ」
「これは・・・」
そこにあったのは・・・
「これは・・・建設中のデータじゃない!?一体どこで見つけて保管してたのよ!?」
「それだけじゃありません、このデータにはウィークポイントまで起債されているんです」
「マジだわ・・・一体あいつはどこまで先を行ってたのよ・・・」
「おそらく最終的には全面戦争を計画していたのだと思います、ここまで綿密に調べていることからの推測ですけど」
そして・・・
「あぁ、それとこれは今更ですけど、私はカズマの分身ですね」
「・・・は?」
全員が私を見て唖然としている
「いやー、実はですね」
私は先程の言葉の理由を告げる
「カズマの残したデータを見た際に、本当の記憶を思い出したんです」
もう、名前だけしか呼ばない
なぜならそれは自分自身だから
「まず、前提から言いますと。カズマの女性的な人格を一個の知性体として分離したのが私です」
「それが出来るわけないじゃない!!一個の知性体には一つのクオリアが原則と教わったわよ!?」
「カズマに、ですよね?」
「えぇ・・・」
テレサの言葉に私はそれを教えた人間の名前を告げる
そう、それを教えたのはカズマ・・・すなわち私だ
「個有知性体としての認識ならそれで間違いないわ。でも、複数のクオリアを持つ一つの知性体・・・共生知性体ならば話は別よ、その点は闘真さん。解説お願いします」
「やれやれ、そこで俺の出番か・・・まぁ、俺も同じく共生知性体だからな」
そう言って闘真さんは自分の愛機をテーブルに置く
「相棒、一緒に解説するぞ」
「はいはーい、資料だしますね!!」
彼の相棒であるダークフレーム・・・共生知性体としての半身が元気に答えてホログラムの姿を現す
「まず、私と闘真、アヤカとカズマを除いた皆さんに該当するのが個有知性体、一つのクオリアを持つ一つの知性体です。これは当たり前ですがそうした方が進化の都合が良かったからですね」
「都合が良かった・・・?」
「えぇ、複数の知性体が集まれば、どうなるかは火を見るより明らかでしょう?」
「争いが起こるわね」
「はい、だから進化の過程で不要となった部分である共生知性体は淘汰されました」
そうすることで、早期の絶滅を回避した
だが、そうしたことで不都合も生じる
「ですが、それによる不都合もありました。まずは人間同士の抗争が長期化と激化を繰り返すようになったことですね」
「そうなると、どうなるのよ・・・?」
それには私が答える
「知性体の氷河期が来るわ。知性体としての閉塞期間。人類が自らの生存領域を荒廃させ得る能力を獲得してから、その精神性が一向に進歩しておらず、むしろ緩やかに衰退している状態ね」
「まぁ、それを克服するために、私と闘真、それで足りなくてアヤカとカズマが生み出されたんですけどね」
「生み出されたって・・・それじゃあ貴女達は・・・!!」
「えぇ、生まれからしてロクでもないわ、救いようもない」
「そもそも、救われようとも思わんがな」
闘真さんが余計なことを言ったのでヒールの先で足の甲を踏みつけて黙らせた
「まぁ、そのおかげか、そのせいかは知らんが俺達の生まれた世界は無事に崩壊しちまったがな」
闘真さんがそう言い、笑う
「えぇ、カズマがブッ壊しましたね、一つ残らず」
「アイツはキレたら何しだすかようわからんからなぁ・・・美点は沢山あるんだがそれをたった一つのことで台無しにしてしまうし・・・」
「おう、師匠なんか言ったか?」
「君たちも怒らすなよ?」
「は・・・はい」
思わずキレかけてカズマの喋り方で言ってしまった
「まぁ、俺達はこのように人間としては狂ってるといっても過言じゃねぇんだが、なぜ安定していると思う?」
「それが、貴女達の使うソレなのね?」
「そう、ストライカーシステムっていう正式名称があるんだが、これは不安定な共生知性体としての在り方を安定させると同時に戦闘時において一人で一国軍と互角以上の戦果を発揮するために開発した兵装だ」
「私の使うのはその最新の後継システム、フレームシステムと呼ばれるものね。基本コンセプトは同じだけど、これに関してはある程度の自由な運用が可能になっている点が違うかしら?」
「元々はカズマが一般向けに開発していたものを軍部が丸ごと接収して軍事向けに無理やり作らせたのが始まりだけどな、カズマのあの時のキレようは凄まじかったぞ」
思い出したら寒気がした
その時の自分の感情を思い出し、おぞましさに恐怖する
「まぁ、反旗を翻す寸前にクーデターで軍事政権が終わって、カズマも本来の目的に戻れてひと安心したんだけどな」
「軍用も後期型を合わせても50機行かないくらいで設計と一部生産が終わりましたからね」
「おかげで部隊運用には向かない代物って認識になって倉庫の肥やしになったのもあるがな」
「知りませんよそんなの」
そうって私は相棒を出す
「あれ、気づいてた?」
「当たり前でしょう」
そう、AIとしての機能は復旧していたのを気づいていた
これまで私とともに戦ってきた半身を皆の前に置く
「はぁ・・・まぁ、皆さんお気づきかと思いますが、このダメダメな面が目立つ残念な人の相棒してます、ゴールドフレームです」
「おいこら、誰がダメダメだって?」
「え・・・?独断行動に問題発言と行動、命令無視の常習犯である自覚がないと?」
「くっ・・・!!」
言い返せない・・・!!
「まぁ、こんな人ですけど皆さんの思うような人物でもあります。一つ訂正するなら、この人以外とさびしがり屋なので」
「余計な事を言ってんじゃないわよ!!」
「あぁ、それと、そこにいる医師の方、そろそろ正体を現しては?いい加減イライラしてきてます」
全員がこの場にいる唯一の医師・・・古参の人に目を向ける
「いつから気づいていた?」
「アヤカは最後にしようと我慢していたようですが、私はそれほど我慢できませんので」
「はぁ、バレてんなら今更偽装するまでもないか」
次の瞬間、その姿が変わる
「カズマ・・・アンタ死んだんじゃ・・・」
「表向きはな、辛うじて生きながらえていたんだがかと言って表立って行動するのも出来なくなったから、アヤカを分離してお前たちの学園に保護してもらった」
「最初から私達はアンタの手の上で踊らされていたといいたいの?」
「いや、そうじゃない。お前達のおかげでコイツは俺から完全に独立できた。このことには感謝してもしきれんよ」
「私に精神干渉してきといてよく言うわよ」
「そうしないとお前がオットーのコマにされそうだったからな」
カズマがそう言い、私の頭を撫でる
「俺と師匠で舞台は整えてやる、後はお前たちこの世界の人間とそこで生きる異世界の出身者が未来を作れ、壊すのは俺達だけで十分だ」
「あぁ、久しぶりに全力で暴れ散らかすぞ、カズマ」
「おう、本気でブッ壊してやる」
これで方針は決まった
最強戦力二名を最前面に送り込みその戦力を持って正面突破する
Q なんでまた一ヶ月以上空いた?
A 退院してヒャッハーして不摂生したら尿路結石と膀胱炎と肝臓炎の
トリプルコンボを食らった