そして主人公を襲う異変
最悪のカウントダウンが始まる
「よし、作戦領域に入ったか」
バビロン実験室に強行侵入し作戦領域に降りる
既にそこには防衛の為の人員が割当てられていた
目の前の戦力は想定2000、最低でもB級から上という揃えようだ
だが···
「その程度か?」
私は不敵に笑った
戦力としては確かに優れている人員なんだろう
だが、相手が悪すぎる
「悪いが、かまっている暇がないんでな」
攻撃を躱し、そらし、いなしながら能力を発動する
「死んでくれ」
そう言って指を鳴らす
その瞬間、視界に映る全ての人員の命が絶たれた
「すまないな、こんな殺し方しか出来なくて」
血と肉の平原とかしたその場に佇み、私は俯きながらそう詫びる
「許せ、とは言わん。ただ、己の悲運を嘆いてくれ」
そう冷たく言い放ち、歩きはじめる
「死にたくないなら、背を向けて逃げろ···逃げる者を殺すほど非情ではない」
極めて冷静に、感情を押し殺して静かに言い放つ
殺したくはない、彼女達とも話し合えればわかるはずだ
だが今はそれだけの時間的余裕がない
キアナが律者化するまでの時間的余裕がないのだ
「それでいい···」
仲間を無惨に殺され、従わなければ殺すと言外に言われた敵はそれだけで武装を解除して投降した
投降した敵を殺すほど非情では無いため後から来る部隊に回収を依頼する
「キアナ···」
バビロン実験室の建物を睨みつける
芽衣、ブローニャを中核とした潜入部隊がキアナの救出に当たっているはずだ
「さて、私も行くか」
立ち上がった瞬間、眩暈に襲われた
<マスター・・・>
「いずれ来るとは分かっていたさ・・・だが、まだだ。この程度で倒れるわけにはいかない」
その症状は、少し前からくる様になっていたものだ
律者、あるいはそれに近い者、そして高濃度の崩壊エネルギーに晒されてきた私の身体は、姫子先生よりも酷く汚染されている
症状が発生するまではナノマシンの浄化機能で何とか耐えられていたが、それももう限界を超えている
「そう、まだ・・・な」
今この瞬間にも、私は人類にとっての害悪になりかねない状況にある
だから、私はカズマに万が一の場合を想定してとある依頼をしている
カズマなら、文句を言いながらも確実にやってくれると信じているから・・・
<敵多数接近中です、一個中隊規模>
「了解・・・殲滅する」
相棒の報告にそう答え、敵を殲滅する
「相棒。私の限界とキアナの律者化、どちらが早い?」
<まだ、キアナの方が早いです・・・ですが・・・>
「時間的にほぼ余裕がない状況・・・か?」
<えぇ、数分しか余裕はありません>
「秒でないだけマシだ」
敵の第二波を睨みつける、その瞬間、後方から来た黒色のビームに全ての敵が撃ち抜かれていた
「カズマ・・・自分のエリアはどうした?」
「めんどくせぇから
「脳筋が・・・」
今頃、大主教は頭を抱えているだろう
まさか敵一人にバビロン実験室の一区画以上を解体されるのだから
「時間の余裕はないんだろ?」
「・・・」
その問いかけに、私は答えなかった
心配されている事に気づいたから・・・
「行けよ、どうにかしてやる」
「分かった・・・任せるぞ」
だが、それが逆に答えになってしまったようだった
カズマは私の顔も見ずに先に行くように私を促す
それを断るようならどうなるかなんて、考える時間はない
<マスター、吹き抜けを一気に突っ切ってください、合流出来ます>
「もとよりそのつもりだ!!」
階段からそのまま吹き抜けに飛び出し、垂直に上昇する
途中で建造物の一部が降ってくるが、それはビームライフルで撃ちぬいて破壊するか、回避可能なら回避して速度は緩めない
「よし、着いた!!」
「アヤカさん!?」
「芽衣とブローニャもいま到着?」
「えぇ・・・」
最後のフロアに着いた瞬間、そこにいた崩壊獣を蹴落として床に降りる
ちょうどそのタイミングで芽衣とブローニャもついたようだ
「さて、そろそろ最後の場所ね」
目標の場所まで残り3ブロック
決戦まであと少しだ
主人公限界もあと少し
限界が早いかキアナちゃん律者化が早いか・・・