「うーむ、旗色が悪いな」
<戦術的には最適解です、旗色が悪いのは最初から想定済みでは?>
作戦開始後すぐに俺は戦域の上空で待機していた
各部隊の展開は今のところ想定の範囲内ではあるがやはり旗色が悪い
士気が低下しているのが問題だろう
テレサと姫子はそこを何とかしようとしているが、生徒会長のフカが行方不明、同級生のキアナに至っては律者化したとなれば相当なショックで士気が低下するのは自明の理だ
問題は時間で解決するしか方法がない
<敵反応、数は25、飛行型です>
「迎撃する、最適武装は?」
<スナイパーライフルがお勧めですね、貴方なら急速接近してビームサーベルでも切り伏せられますが>
「安価で行く、武装展開!!」
<
武装の展開と同時にホログラフィックスコープ機能がオンになる、照準した敵はまだこちらに気づいていない
「右翼を叩く、照準補正は任せるぞ相棒?」
<いつでもどうぞ>
「狙い撃つ!!」
同時に狙撃開始、右翼の5体を3射で撃破した
「やっぱ苦手だな、
<一流には及びませんね、それでも肉薄する勢いですが>
「分野が違うからな、しゃあないさ」
そういいながらも次に左翼を叩いている
最後は最も数の多い中央、こちらは・・・
<ソードファンネル、有効圏内です>
「斬り込むぞ!!」
<脳筋ですね>
そう言いながらも相棒は俺に合わせて姿勢制御を担当する
俺の思考の先を読んで合わせてくれるのだ
「これで終わり!!」
<いえ、まだです・・・数は10、増援とみていいでしょう>
「よし、屠ってやろう」
<森谷隊長から文書通達。こちらで迎撃するので移動不要、現地展開の部隊に即支援できるよう待機せよ。との事です>
「あ、師匠が近いか・・・命令了解、待機すると返しておいてくれ」
<了解しました>
その瞬間、増援とみられる反応の地点で黒い光が生まれた
「おいおい、マジかよ・・・あんな低い数に大技かましたのか?」
<いえ、その後ろにさらに反応がありました・・・その反応ごと葬ってますね>
「こっわ・・・いくらジェネレーターが相棒の次に高出力だからって大盤振る舞いしなくてもいいだろうに」
いくら何でもあんまりにも目立ちすぎだ・・・少しくらい自重してくれ・・・
「む、ヤバいな・・・行くか」
<えぇ、行きましょうマスター>
そうこうしているうちに展開している部隊の一つがピンチになっていた
部隊長は・・・
「よりにもよってテレサかよッ!!」
<焦りすぎですね、まったく・・・>
よりにもよってテレサだった、焦りで急ぎすぎて気づいたら部隊ごと敵に囲まれていたのだ
「こっちもやはり血筋かねぇ!!」
<カスラナのですか?>
「料理だけでいいものを・・・まったく厄介なものだぜクソッタレ!!」
そう言いながらも上空から急降下、同時にエネルギーチャージを終了したソードファンネルを再展開、大型を上から最大出力にしたビームサーベルで一刀両断、残る雑魚共はソードファンネルで縦横に切り伏せた
「あ・・・ありがと・・・」
「あとで帰ったらお仕置きだこのアホンダラ、これで少しは冷静になったな?」
「え、えぇ・・・」
「無理な行動はやめておけ、自分ではなく部下の方がついてこれんぞ」
そう言い残して再度飛翔、上空に待機・・・ではなくとある地点に移動した
「そろそろ来るかな?」
<こちらの指定した時間通りであればそろそろかと・・・来ましたね>
その場所とは天穹市でも身を隠しやすい住宅地の一部にある犯罪の多いエリア
そこの一角に指定していた合流ポイントだ
四方はビルで囲われ、日が差すのは上のみである
「来ていましたか」
「よっす、元気だった?」
「気軽なモノはこれくらいにしましょう・・・キアナ?」
「初めて会う人だから・・・」
あ、そういえばキアナちゃんは俺の正体を知らないんだったわ
「こっちならわかるかな?」
「保健室の!?」
というわけで変装したのはキアナちゃんと会っていた頃の姿、久しぶりすぎて懐かしい
もちろんすぐに変装を解いて元に戻る
「というわけで保健の先生は俺なのでした。いやはや久しぶりに変装したわ」
「でも、なんでここに?」
「説明している時間はないんだけどね?でも今の君にはわかるんじゃないかな?俺がどういう存在か」
キアナにそう言うと・・・俯きながら答えた
「分かるよ・・・けど・・・」
「俯くな、前を向け!!」
「つっ・・・!?」
アヤカとそっくりな声で俺がそういった瞬間、キアナは俺の方を向いた
「
「そうだけど・・・」
「なら、皆を頼ってみろ。巻き込みたくないのは分かるが、いつまでもやせ我慢などするものではない。それはいつか君を蝕む毒と化すぞ」
今のキアナを見ての俺の言葉に、思うところがあるのかキアナは目線をそらした
「目を逸らすな」
「いや、その・・・」
「 目 を 逸 ら す な 」
「怖いんですけど!?」
やっと素が出てきたか・・・心配していたが重度ではないだけマシか
「で、何か言いたげだったが?」
「アヤカとそっくりな性格に感じたけど・・・気のせい?」
「クリソツなのは認めるよ、
「うん、取り込んでいるけど同化はしてない・・・いや、ボロボロになっているアヤカを治してくれてるの?」
「死にかけだったからな、辛うじて間に合ったというところだ」
俺がそういうと、キアナは少し顔をほころばせた
「ありがと・・・」
「そのセリフは君を心配している他の子たちに言ってやれ、みんな君を待っている」
そう言い、俺は持ってきていたケースをフカに投げ渡す
「君にアイテムを届けに来た、今日ここに呼んだ理由はそれだ」
「これは・・・?」
「エンシェントスパークレンス、君のためにわざわざ採掘してきた古代の神器だ。その歴史は5万年どころか3000万年前と推測されている」
「なぜ、ですか・・・?」
その理由に俺は笑いながら告げる
「
「つっ・・・!?」
「それの正体は願いや希望、祈りという光を何代にもわたって、途方もない年月をかけて集めた神器だ、そのエネルギー総量は未知数だよ」
俺はそう言って立ち上がり、二人に紙を渡して告げる
「俺たちのいる座標と連絡用の周波数だ、いつでも連絡してくれ。必ず迎えに行く」
「でも、知られたら・・・?」
「安心しろ、それは天命ですら使用しない周波数帯だ。それに暗号化方式をあえて超古典的なものにしているから電波として捉える事は出来ても傍受などは出来んよ」
そう言って二人を置いて歩きだし、最後に振り向くことなく告げる
「待ってるぜ、俺も合わせて、皆がな」
おい主人公代理、お前なんてモノを渡してんだ?