崩壊3rd Destiny Eye   作:アーヴァレスト

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それは一人の男の辿り着いた答え


Day 89

「・・・」

 

イセリアと別れ、俺は宣言通り後を追うことにした

その途中で霧に阻まれる

オットーの差し金ではない、これは俺の迷いから生まれたものだろう

 

「過去を見たいと思ったことは何度だってあるさ」

 

その度に、決意を新たにするために

その確認のために過去を思い出しては涙を流したことが何度あるだろうか

しかし今は涙ではなく別の物に変えるときだ

 

「あぁ、そうだな」

 

後ろを振り返る

そこには俺はこれまで歩んでは殺してきた人の壁がある

その総数は数え切れないほど、モヤに包まれている

ただ一人のために、それだけの死を重ねてきた

たった一度、自分の願いを叶えるために、それ以外の全てを捧げてきた

それももう終わりだ、ここで全ての終止符をうってもいいだろう

 

「あぁ、そうさ・・・もう一度」

 

この世界での最後のワガママを

たった一人を思い続けた、愚直なクソ野郎の目的を叶えてやるためにも

 

(そこから先は地獄だぞ?)

 

誰かの声が聞こえた、その声はおそらく未来の、どこかの時間軸の誰か(自分)

その声に俺は微笑みながら歩を進める

 

「あぁ、そうだな・・・俺の足跡に幸福なんてなかったしこれからもないのかもしれない」

 

ゆっくりと、踏みしめるように丘を登る

その頂上にあるのは、一振りの剣と一本の旗

俺が人として最後に手にしていた武器と立ち上げた組織のシンボル

その両方を手にして、再確認していた決意を胸に言葉を出す

 

「俺は、正義の味方で有り続ける。それが俺の人生を壊したとしても、仲間と共にある自分を選ぶために」

 

心の底から信頼している仲間達と共にいる自分

それが俺の存在証明

誰かのためでも自分のためでもない、でも誰かがいたから今の自分になれた

自分がいたことで、誰かの背中を支えることが出来た

ならばそれが俺にとっての正義だ、絆を胸に新たな未来を得るために

仲間のいる今の世界がどれだけの異常な世界であるかも認識して、それでもこの世界を守るのは俺達だけではないと確信してる

未来は次世代に託されるべきだ、今を生きる先達である自分達に出来るのは今の世界をありのままに残すことだから

 

「だから、いま一度、俺に力を貸してくれ・・・みんな」

 

刀を抜いて腰にある鞘に収め、手にした旗を力強く掲げる

その瞬間、モヤに包まれていた人々が光となって消えていく

そして残されたのは一人の人間・・・俺と全く一緒の容姿の人物だった

 

「行くがいい、それがお前の存在意義であると再認したのならば」

「あぁ、行ってくるよ、人であった頃の誰か(自分)

 

背を向けて、向かうべき方角へ足を踏み出す

その足はいつの間にか軽くなっていた

迷いはもう無い、せいぜいあのクソ野郎の悔しそうな顔を拝むために横紙破りを敢行しようじゃないか




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