「あれから八年もたったかぁ・・・そりゃあ成長もするよね」
「人の胸を見ながら何を言ってるのですか貴女は?」
「いやぁ随分と一部の主張が激しくなってるなぁって思ってつい」
あれから八年の月日がたった
とある任務で約6年ぶりに合同で動いているブローニャのたわわに実ったある部分を凝視してしまうのもある意味で無理はない。だってそこまで成長するって思ってなかったから、ぶっちゃけると貧乳枠のままだと思っていた
ところが時間というものは意外な実りを齎すようで、巨乳とはいかないが美乳枠にインしていたのである
「そんな事より、今は調査です。この類に詳しいのは貴女でしょう?」
「そう言われてもねぇ・・・もう見た時からコレの正体が分かってるのよねぇ・・・」
目の前にあったのは武骨な一つの門扉だった
突然現れ、謎の空間歪曲が開いた先で起きているとの事である
だがそれは見たことのあるデザインであった、というか私の記憶が正しければコレは異世界への移動も可能な並行世界観測装置の一部だ
一部ではあるがこれだけでもある程度の観測、移動能力は有しており、帰還も可能である
問題は本格始動に莫大な電力を有するという事だが、こちらの世界に流れ着いた個体は既に始動されており、維持システムを再設定するだけで済みそうである
なので一度システムをスリープさせ現在の本部へ移送、そちらで最終調整を行いスリープを解けば問題ないという評価を下す
「なるほど、ではさっそく行いましょう・・・迂闊に地元住人が触れたら危険ですから」
「賛成ね、この門扉の重量はおよそ3.7トンだから・・・今運用しているヘリ二機で十分足りるわ」
「では処理の方は任せます、私はヘリの用意を」
「お願い」
そしてシステムを一時的にスリープにして本部に持ち帰る
その途中でカズマ達を含めた特殊部隊を全員招集、見覚えがないか確認を取る
該当は全員、総合して自分達がこの世界に来たことで因果が生まれて呼び出されたものであると結論が出た
ただ、脅威度の判定であればランク外と言っていいほど人畜無害なものであるためしばらくは天命が既に有している並行世界観測システムの補助装置として運用することになった
「ただまぁ、なぜか最初から登録されている世界が一つだけあるのよね・・・」
「シンフォギア・・・どのような世界なのでしょう?」
「カズマ、知ってるでしょ答えなさい」
「行ってみればわかるとしか言えんぞ、あの世界を言葉で表現する方法が俺には存在しねぇ」
「はーつっかえ」
そう言って自分の部屋に帰り、ブローニャと今後を話し合う
しばらくは私とブローニャが預かることになった門扉であるが、ブローニャはこれでも忙しい身だ、そう長い事一つの事に関われるほどの余裕はない
なのでここで私はある人物を召還することにした、その人物とは・・・
「やっほー、久しぶり。今はどうしてるかな・・・キアナ」
「今はこっちも暇していたよ、そろそろそっちに戻る予定だけど・・・どうかしたの?」
キアナである
あの日以降、キアナもあちこちの部隊で働き詰めだったので一か月前から休暇を得ていた
それの終わりの日が近づいており、こちらに帰る用意をしていたようだ
「貴女に朗報よ、帰ったら仕事が待っているわ、私と合同の」
「今から延長のお願いしてもいいかな・・・」
「私から答えるわ、却下よ」
「どぅおあ!?いつのまにぃ!?」
いつの間にか招いてもいないのにテレサがいた、忙しい身で良くここに来れたものだ
「キアナ、残念だけど仕事の前にお説教タイムよ!!貴女任務中に買い食いと衝動買いをしていたそうじゃない!?」
「うげ・・・!!」
「S級(笑)が聞いて呆れる行為ですね」
「帰ってきたらすぐに私の所に顔を出しなさい、いいわね!?」
「はぁい・・・」
残念だがキアナには帰った後お説教が待っていたようだ、そして・・・
「貴女には正式にあの門扉についての資料をお願いするわ、コレは比較的長期のお願いになるから」
「まぁ、そういう事だと思っていたよ。で、本題は?」
「し・・・しばらく匿ってもらえないかしら?」
「あーもしもし、リタさん?え、デュランダルが何で電話でてるの?リタはテレサを探している?」
言っている最中に面倒な事態だと理解して速攻でリタに電話を入れていた、だが出たのはデュランダルで、リタはテレサを探しに出ているとの事だった
コイツはコイツで仕事をほっぽって出てきていたのだ
「私の部屋にいるわよ、逃げないようにブローニャが抑えているわ」
「くぅぅ!!離しなさい!!」
「逃がしません!!」
ブローニャがテレサをしっかりと抑え込み、数分してからリタが部屋にやってきた
顔は笑っているが頬には青筋が浮かんでいる・・・間違いなくキレている
「さて、帰りますよ、テレサ様?」
「少しだけ休むとかは・・・?」
「今の書類の束が終わりましたら、今日の分はおしまいです」
「リタさん質問、あと何枚?」
リタさんはにっこりと微笑みながら、普通な声で私の質問に答える
「50枚ほどです」
「私なら1時間ね、ブローニャは?」
「同じくらいか、少しだけ長いくらいですね」
「リタさん、判決」
「有罪です、今日のおやつは半分ですね」
テレサが固まった、心なしか涙目だ
「さ、行きますよ」
「あ、あぁぁぁぁ」
小さな機械音を立てて扉は締まった
ちなみにこの後テレサにはデュランダルからもお小言が飛んだそうだ
「ふぅ・・・」
「写真また増えてますね?」
「送られてくるからね」
テーブルには三つの写真立てがある
その一つには幸せそうな顔のオットー元大主教とカレンさんの間に男の子と女の子が一人ずつ。当然ながら二人の子供であり、一卵性双生児だったそうだ
しかも妊娠発覚は世界旅行の終わった直後である、旅行中にこさえたのかね?
妊娠初期から担当していたカズマ曰く、性別の違う一卵性双生児はかなりのレアケースとの事、健康にも異常なく成長している。その記録のおすそ分けのようなものだ
見ていて和む・・・そう言えばもう8歳なのか、時間とは早く過ぎるものだ
もう一つは姫子先生のデート写真、見切れているがたぶん相手は同僚か?年齢の差はあまりなさそうだ
寿命の問題がなくなったことで行き急ぐ事もなくなった結果、今まで疎かにされていた部分が矯正されキレイになった事で、意中の相手が生まれて婚約者ゲットという嬉しい棚ぼただったようだ。確か1年前に結婚したとの事、しかもデキ婚だそうで、こちらもカズマが初期から担当しているらしい。計算が合えばもうすぐ産まれる時期だ。
比較的高齢での妊娠と出産であるがそこはカズマの知識と経験の見せ所。母子の健康はしっかりと守っている
最後のはキアナと芽衣、ブローニャを中心に全員で取った集合写真、一番の宝物で、この笑顔のために戦ったと実感している写真だ
この写真を撮って以降、なかなか同じ仕事で顔合わせ出来ないがみんな元気にしている
「さて、テレサにお願い事があるから私は出るわ、ブローニャは?」
「私は一度仕事に戻ります、多分またすぐに会う事になるのでしょう?」
「えぇ、異世界調査任務という仕事でね」
そう言って二人で部屋を出る、ブローニャはそのまま自分の仕事場へ
私はテレサのいる執務室へ
そしてこれからさらに数年後、異世界にて・・・新たな戦いの物語が始まった
これが シンフォギア Fake Ideal へと繋がる過程の始まりである
そして新たな世界で、彼女たちの新たな物語が始まるのであった