ーーと言う訳でこれはこれで面白そうなんで、ジオン共和国=田舎者の台詞にして見ました
トラックを運転してコロニー内にある自宅兼店に戻る。
こう言う時、バイトでも雇えば良いんだろうが、うちはそこまで儲かってる訳じゃないからな。
それに地球までの配送料金やら考えると自分の足で行った方が安上がりだ。それに店の宣伝にもなる。
俺は店の横の駐車場にトラックを停めると商品を店に運んで段ボールから出して陳列して行く。
あらかた陳列し終えると俺はカウンターに座り、一息吐く。
「ああ。疲れた」
「お疲れ様、あなた」
俺がポツリと呟くと出産前で腹の膨れたかかあが店の奥からやって来る。
「動いちまって平気なのか、かかあ?」
「ええ。今はこの子も休んでいるみたい」
かかあは腹を擦り、慈しむ様に微笑む。
「ところで帰りは大丈夫だったの?」
「ん?ああ。コスモなんたらとか言う貴族を名乗る連中に絡まれたが、田舎モンだっつったら大人しく、帰してくれた」
「それって今、話題のクロスボーン・バンガードの事じゃない?
ほら、3月くらいにフロンティアⅣで起こった事件の」
「ああ。そう言えば、あったな。そんなの」
俺がかかあの言葉にぼやくとかかあが俺の肩を揺する。
「もう、しっかりしてよ!あなたに何かあったら、どうするのよ!」
「いやでも、ジオン共和国の田舎モンである俺には優しかったぜ?」
そう反論するとかかあは俺を揺する手を止め、深い溜め息を漏らす。
「……あなた。まだ、此処の事をジオン共和国だって言ってるの?」
「仕方あるめえ。物心ついた時にはジオン共和国だったんだからな。
コロコロと変えられてちゃあ、俺の頭が覚えてなんざいらんないぜ。
それに此処の事をジオン共和国って言っても通じるんだから問題ないだろう」
俺がそう言葉を返すとかかあがまた深い溜め息を吐く。
「まさか、それをそのコスモ・バビロニアを名乗る人達にも言ったの?」
「ん?ああ。言ったな、確か」
「そう。それで助かったのね、きっと。
貴方、本当に運が良かったわね?」
「ん?なんでだ?」
「今時、ジオン共和国なんて言ってるのは本当に田舎者な貴方くらいだからって事よ」
「ああ。成る程な」
俺は納得するとかかあと一緒になって笑う。
「本当にもう、しょうがないんだから。
仕事は出来るのに、そう言うところは抜けているのよね?」
「耳がいてぇぜ」
「産まれて来る子に変な事を吹き込まないでよ?」
「もちろんだ。それにその為のかかあだろ?」
「……本当にしっかりしてよ」
かかあは三度、溜め息を吐く。
まあ、確かに産まれて来る子の為にも褌締めにゃな。
さて、明日は店を開けにゃあならんし、早い所、残りの荷物を陳列して、さっさと寝るか……。
俺は背を伸ばし、かかあと一緒に店の奥にある居間へと入って行く。
まあ、ジオン共和国で通じるんだし、此処はジオン共和国だろう。
ーーと言う訳で、ジオン共和国は今日も平和だ。