剣斗は神人から元に戻った人達を結界の中に入れ、保護すると、杏奈の姉と思しき少女に声を掛けた。
剣斗「あの、すいません。もしかして、一ノ瀬祐奈さんですか?」
祐奈「あ、はい。そうです。一ノ瀬祐奈です。でも何で私の名前を?」
修斗「実は俺たちは今、あなたの妹の一ノ瀬杏奈さんと行動を共にしているんです。」
祐奈「え!?杏奈!?杏奈は無事なんですか!?」
剣斗「はい、無事ですよ。だから落ち着いてください。」
剣斗は取り乱す祐奈に優しく声を掛け、なだめた。
そして剣斗は祐奈を含む生還者達に、今の東京の状況を簡潔に説明した。
剣斗「残念ながら今の東京を壊滅的状況に陥っています。また首都東京は壁に覆われており、外に出る事は出来なくなっています。無理に出ようとすれば、軍の機関銃によって射殺されます。なので、壁には絶対に近づかないでください。」
生還者達は、その話を聞き、泣き出す者もいれば、悲痛な表情をしながらも受け入れる者もいた。
剣斗「そういえば、祐奈さん、まだ自己紹介していませんでしたね。オレは篠崎剣斗、キリスト教の悪魔祓い師です。」
修斗「俺は宮川修斗。彼に神人から元に戻してもらった一人だ。」
祐奈「改めまして、一ノ瀬祐奈です。助けていただきありがとうございます。」
祐奈達が自己紹介を済ませると、探索メンバーである男性の一人が話し掛けてきた。
男性「それで、剣斗くん。ざっと20人くらいは生還できた訳だが、この後はどうする?」
剣斗「午前中の探索は主に神人探しだったから、これで目的は達成出来たし、戻りましょうか。このままじゃ生還者達もまた神人や残美に襲われますからね。」
修斗「ああ、また午後にも探索しなければならないからな。これ以上無理して体力を減らしたらもったいない。」
そこで話が終わり、剣斗達は生還者達を引き連れて、拠点へと歩き出した。
その道中、祐奈はあることを疑問に思い、剣斗に聞いてきた。
祐奈「あの、篠崎さん。」
剣斗「剣斗でいいですよ。あと敬語もいらないですよ。」
祐奈「わかった。剣斗くんも祐奈でいいよ。敬語も無しでね。見たところ同い年みたいだし。」
剣斗「わかった。それでどうしたの?」
祐奈「うん、何で私生きているのかなって思って。」
剣斗「話は杏奈さんに聞いてるよ。祐奈さんは摩耶さんに殺されたって。残美になっていくキミを見ていられずに。」
祐奈はその事を聞くと、表情を少し暗くさせた。
祐奈「私もうっすらだけど覚えてるよ。摩耶にフェンシングの剣で刺されたこと。意識が残美の呪いに侵蝕されていく中でね。」
祐奈はその当時のことを詳しく、教えてくれた。