【この素晴らしい世界に祝福を!】カズマはのんびりと魔王討伐を志す様です。   作:よるくろ

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ふぅ…キャベツのイベントを書く途中で忘れてたため、今回の文章は支離滅裂。そして物語が滅茶苦茶だと思います。
それでも良い方は、画面から万里の長城くらいの距離をとって離れてみてください。


【11】 酉三つ時のキャベツフィーバー

 クリスの幸運値が働かなかったのか、それともカズマの幸運値が単に上回っていただけだったのか。もはやこうなるのがクリスの運命だったと言っても過言ではなかったこの出来事はカズマが素直に返すことですぐに解決し、そしてこの件が露呈されることはなかった。

 

 

「…えっと、すいません、本当に」

 

「いやいやいいから!財布差し出さなくていいからっていうかもう掘り出さないでくれるかな!?こっちもこっちで恥ずかしいんだから!」

 

「…本当に何があったかは知らんが、大方クリスが調子に乗ってやらかしたという感じだろう?それか挑発して返り討ちにあったかだな」

 

「うっ」

 

 

 図星である。カズマがクリスに謝りながら戻ってきたアクア達が何かあったのかと聞くが、何もなかったの一点張り。訝しむ仲間達の中で、クリスと付き合いが長いダクネスはすぐさま予想がつき、呆れるように吐露した。

 

 呻くクリスと思い出したのか顔を赤くして机に伏せるカズマ。クリスが弁解しようと口を開いたその時だった。

 

 

『緊急クエスト! 緊急クエストです! 街の中にいる冒険者の方々は、至急冒険者ギルドに集まってください!』

 

 

 ギルドの外から中にまで聞こえる大きな警報とアナウンス。いきなりの事で飛び起きたカズマはめぐみんに状況を聞いた。

 

 

「緊急クエストって、何か巨大なモンスターでも出たのか?」

 

「いえ、この時期からするとおそらく…ほら、あっちで説明されるそうですよ」

 

 

 めぐみんが指を刺した方向には、まるでこれから最終決戦が起こるかのような表情でルナが立っていた。息を吸って、大声で説明する。

 

 

「皆さん、突然のお呼び出しすいません!今年もキャベツの収穫時期がやってまいりました!今年のキャベツは例年よりも出来が良いため、一玉の収穫につき一万エリスになりますが、その分危険度も高くなっております!既に街中の住民は怪我をされないよう家に避難して頂いておりますので、全力で収穫に取り組んでいただけるかと!では冒険者の皆さん、できるだけ多くのキャベツを捕まえてください!くれぐれもキャベツに逆襲されて怪我をしないようにお気をつけて!」

 

 

 キャベツの収穫に関するアナウンスとしては、関係ない単語が多々出てきたことにカズマは耳がバグっていないかを疑う。それもそうだろう、普通のキャベツで避難活動なんかしないし、それにキャベツを捕まえるという日本語を間違えたような文章も聞いたことがない。

 

 極め付けにはキャベツに逆襲されないようにという前代未聞の、葉菜類を魔改造したようなフレーズだ。どんな品種改良を施してもキャベツは襲ってこないし、動きもしない。そう、地球では。

 

 頭に?マークを大量につけたカズマに、アクアが緊張した面持ちで口を開く。

 

 

「そういえばカズマは地球育ちだから知らないわね。実はこの世界のキャベツは空を飛ぶのよ。キャベツ達の栄養価が高まってはいよいよ収穫の時期って頃になると、まるで食べられて堪るかと言わんばかりにあちらこちらを飛び回るの。そして最後には人間に知られていない秘境の奥で誰にも食べられず、ひっそりと息を引き取ると言われているのよ」

 

「…なんか、異世界って凄いな」

 

 

 既にキャベツ捕獲に向かった四人は決死の表情でキャベツを追いかけ回しており、特にゆんゆんはどんな気持ちで追いかけているのだろうか、涙目で一匹のキャベツを集中して追いかけている。きっと、逃げられると言う行動をとられたことから過去のトラウマでも掘り起こされたのだろう。

 

 

「さ、私たちも行きましょう!多額の報酬が私を待ってる!」

 

「…キャベツって、凄いな」

 

 

 現実逃避をしながらも、しっかりキャベツを収穫していくカズマ。手順としては『スティール』で羽となっている外側の葉を盗り、機動力を失ったところをカゴにぶち込むスタイル。

 

 途中までは順調だったのだが、栄養価の高いキャベツを狙ったモンスターの群れが街を襲い、それをめぐみんの爆裂魔法で一掃。魔力切れで倒れ伏しためぐみんはキャベツに襲われそうになったが、すんでのところでカズマが救出。

 

 ギルドの中で寝かせて、捕獲の続きをしようと外に出ると、キャベツに吹っ飛ばされて気を失ったダクネスがカズマにぶつかる。追い討ちとしてゆんゆんが追いかけていたキャベツがダクネスを踏んづけながらギルドの中に入り、それを追っていたゆんゆんもダクネスを踏んづけながら入ってしまった。

 

 当然ダクネスの下にいたカズマも重圧のダメージを負い、なんとか“幸せそうな顔をした“ダクネスを退かしてその場から離れ、とりあえずは戦闘不能となった仲間の分まで収穫しようと奮闘した。

 

 その結果…。

 

 

 

 

「…アクア、カズマは何故腹を押さえているんだ?」

 

「えーっと…あはは、何故かしら?」

 

「…痛い」

 

 

 翌日、結果としてカズマは大量の収穫に成功していた。だが不幸なことか、あの後収穫した分をギルドに収め、残ったキャベツの残党も収穫しようとギルドの外に出た瞬間、冒険者から逃げてきたキャベツが額にぶつかった。

 

 幸いこの一撃で崩れることのなかった体はしっかりとキャベツを両手で掴み、今の激突で意識を失ったキャベツを籠に入れた。今度こそ残党狩りと行ったところで、更に不幸。

 

 キャベツを狙って放ったであろうアクアの『ゴッドブロー』が鳩尾にクリーンヒット。

 

 収穫で疲弊していたカズマの鳩尾に入った一撃は容易くカズマの意識を奪い、カズマは仲間が寝ているギルドの救護室で一夜を過ごした。

 

 結局翌日になるまで気絶していたカズマは未だ痛む腹を押さえて、ギルドからキャベツ収穫の報酬が配布されるまで一緒に目覚めた仲間と待つことにしたのだ。

 

 

「…なんて不運なんだろうか」

 

「だ、大丈夫ですかカズマさん。お腹さすりましょうか?」

 

「腹痛じゃないから大丈夫…いや、胃が痛い…」

 

 

 よくよく考えてみれば、このパーティのほとんどが上級職だというのに、どうして問題ばかり起こるんだろうかと、カズマは嘆息する。考えてもみて欲しい、カズマ以外は上級職で、前衛と後衛の区別が十分に付くパーティーだ。

 

 前衛のダクネスに、後衛攻撃役のゆんゆん。広範囲型爆裂兵器のめぐみん、後方支援のアクア。カズマを抜きにしても十分やっていけそうな顔触れなのだ、職業上は。

 

 だが今回のキャベツ収穫クエストはどうだろう。ダクネスは吹っ飛ばされ、ゆんゆんは逃げ回るキャベツを魔法も使わずに追いかけ回し、アクアはリーダー的な存在であるカズマにフレンドリーファイアをする。

 

 唯一問題を起こしていないどころかパーティー内のMVPは、然るべき所で爆裂魔法を放っためぐみんではないだろうか。

 

 

「…めぐみん、報酬が入ったら唐揚げをいつもより三皿増やしてやる」

 

「本当ですか!?ありがとうございます!」

 

「冒険者の皆様!ただいま収穫の集計が終わりましたので、これより報酬の配布を行います!パーティー総出ではなく個人で呼びますので、名前を呼ばれた方は受付まで来てください!」

 

 

 どうやら、キャベツの収穫量の集計が終わったようだ。いつにない大量の報酬が期待できるクエストだったからか、周囲の冒険者は今か今かと名前を呼ばれるのを待っている。無論アクアなども例外では無かったが、カズマは平常心に見えるダクネスと話していた。

 

 

「ダクネスは金に無頓着に見えるけど…それほど不自由しない家庭だったのか?」

 

「い、いや。至って普通だが…そういうカズマも落ち着いているな?」

 

「元々家では直接金を使わない生活だったからな…働いても無かったし、むしろ親に迷惑かけてばっかりだったけど」

 

「それで毒を盛られた…か。だがいくらなんでも親が子に手を掛けていいのか?」

 

「さぁ、あっちが俺が何考えてるか分からないように、俺もあっちが何考えてるかわかんないから。あんま関わってなかったしな」

 

 

 肘をついて頬杖を突くカズマがぼやくようにダクネスに話す。

 

 ダクネスはそんなカズマにどんな言葉をかけていいのかわからず、複雑な表情を表に出しながらカズマに顔を見つめていた。

 

 するとカズマは思い出したように手から頬を離し、ダクネスに目を向けた。

 

 

「そういえばダクネス、今パーティに入ってるか?」

 

「い、いや…カズマに言ってなかったが、私は器用の数値が異常に低い。攻撃が当たらないクルセイダーなど欲しがるはずもないだろ?」

 

「う、うん?」

 

「だが欲しいなら、是非!入らせてくれ!なんなら肉壁として、虐めてくれても構わん!ストレスの捌け口としてもどうだ!?」

 

 受付の方からカズマの名前が呼ばれた。未だ興奮してカズマを揺するダクネスを諌めて、カズマはルナの元へ向かった。

 

 残ったダクネスは椅子に座り直し、カズマを待つ。するとそこに、報酬を受け取って帰ってきためぐみんとゆんゆんが戻ってきた。

 

 

「ただいまです!見てくださいダクネス!今までの比じゃないくらいの報酬が…!」

 

「あぁ、キャベツを狙ったモンスターに放った爆裂魔法は遠目から見ても見事だった」

 

 

 キャベツの猛攻を受け止めている最中に感じた爆風と熱風は、食らってみたと思うほどの威力だったとダクネスは思い出す。正式にパーティ入りしたらお願いしてみようと、ダクネスは密かに決意した。

 

 そしてそんなダクネスの賞賛を受けて、めぐみんは嬉しそうに顔を綻ばせた。

 

 

「本当ですか!?いやはやダクネスも爆裂魔法を理解してくれる人でしたか!」

 

「ゆんゆんはどうだった?」

 

「え、えと!私も大量でした!…めぐみんよりは少ないですけど」

 

「当たり前です。魔法を使わずに逃げる一匹を追いかけ回してたアークウィザードはどこの誰でしょうね?」

 

「ちょっと!もうその話はいいじゃない!」

 

 

 涙目で怒るゆんゆんをはいはいと受け流すめぐみん。そんな仲睦まじい光景を見たダクネスは、ふと笑いをこぼした。

 

 

「…ははっ」

 

「「?」」

 

「いや…仲のいいパーティだなと思ってな。カズマがきたらもう一度入れてもらえるようにお願いしよう」

 

「え…」

 

 

 するとゆんゆんが意外というような顔をしながら言葉を呟いた。めぐみんも同じような表情を浮かべており、ダクネスはそんな二人に疑問を感じた。

 

 

「…もしかしてダメか?たしかに自分の欠点は理解しているが…」

 

「い、いえ!そういうことではないんですが…ダクネスさん」

 

「もうパーティに入っているものだと思ってました」

 

 

 「あっ」とダクネスは言葉を溢した。”そうか、この二人にはもう仲間だと認めてもらえているのだ“と。その事実に頬が緩むダクネスだが、カズマの許可が入るまでまだ決まったわけではないと頬を叩いて引き締め直す。

 

 そんな凶行を、今帰ってきたカズマが訝しむ目で見ていた。

 

 

「…何してんの?」

 

「い、いや!何でもない!」

 

「あ、カズマカズマ!見てくださいこの金額を!」

 

 

 めぐみんがカズマに駆け寄って袋の中を見せつける。カズマはそんなめぐみんを相手にしながら、ダクネスに話しかける。

 

 

「ダクネス、次はお前の番だそうだ。ルナさん声出すの辛そうだったから、俺が代わりに伝えにきた」

 

「あぁ分かった。では行って来る」

 

 

 ダクネスは立ち上がり、受付へと向かう。その後ろ姿に、カズマは言った。

 

 

「あ、今日の打ち上げは2階でやるから、アクアと一緒に2階で集合な」

 

 

 その言葉にダクネスは足を止めて、カズマの方に顔を向ける。既にめぐみん達と階段へと足を進めるカズマに、ダクネスは微笑みながら呟いた。

 

 

「…分かった」

 

 

 ダクネスの足取りは軽い。着込んでいる鎧が羽のように軽い気持ちになり、思わず走り出してしまいそうなほどだ。

 

 

___さて、確かアクアと2階に行けばいいのだな。

 

 

 知らぬ間に、だが求めていた自分を必要としてくれるパーティに入ることができたダクネス。今日の夜は、初めて友達ができた幼稚園児の如く眠ることのできない夜になるだろう…。





 自然と溶け込む形式のパーティ参加って難しいですよね。私のなんか違和感ありまくりですし。
 さて…確か次はウィズとの出会い…ですかね。ゾンビメーカーのクエストを経由して出会うわけですが…さて、どうやって文を作りましょうか…。
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