【この素晴らしい世界に祝福を!】カズマはのんびりと魔王討伐を志す様です。   作:よるくろ

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 約2週間ぶりの続き。
 今回は今作のカズマの相棒スキルといっても過言ではないスキルを習得します。
 では、どうぞ。


【14】 『ワープ』

 

 

 

 さて、ようやく顔の熱さが戻り、布団から身を出したカズマは彼女から差し出されたお粥を食べながらウィズの話を聞いた。

 

 聞けば、あの時カズマに発動した『ドレインタッチ』は彼女の意思でやった行動ではなかった。どういうことかというと、彼女のリッチーとしての生存本能が発動した『ドレインタッチ』で、近くにいたカズマの魔力を吸い取ったのだ。

 

 

「…へぇ」

 

「言い訳ではありませんが、私は決してカズマさんの命を脅かすつもりでスキルを使った訳ではありません。…とは言っても、危害を加えてしまった訳ですし、どうお詫びをすればいいか…」

 

 

 そう言って縮こまる彼女の萎れるアホ毛を見ながら考えるカズマ 。するとピンときた案が思い浮かんだのか、気づいた風にカズマは話を切り出した。

 

 

「……あっ、じゃあ一つお願いがあるんですけど」

 

「はい、なんでしょう?」

 

 

 ここで、カズマの職業を思い出してみよう。

 

 カズマの職業は『冒険者』。本職より劣るスキルを本職より多いスキルポイントで習得できるというデメリットの代わりに、“どんなスキル”でも習得できるというメリットのある、ある意味成長の幅が広い職業。

 

 そして、目の前には友好的で危険性のないリッチー。

 

 聡明なカズマは、思い切った案をウィズに話した。

 

 

「俺に__“リッチーのスキル”を教えてくれませんか?」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 場所は変わって、冒険者ギルド。

 

 そこでは少し空気の沈んだ四人が朝食を摂っていた。

 

 

「…カズマ、大丈夫でしょうか」

 

 

 心なしか冷えたように感じる唐揚げを齧りながら、めぐみんがぽつりと呟いた。

 

 それに答えたのはゆんゆんだった。

 

 

「ウィズさんがいるから大丈夫…だと思うけど」

 

 

 それでも心配なものは心配だと、気難しい表情を浮かべて言葉を小さくするゆんゆん。

 

 そもそも

 

 

「…それより、クエストはどうする?今までカズマが選んできたクエストばかりやってきたから…あ、一撃熊の討伐なんてどうだ!?」

 

「それダクネスがやりたいだけですよね?…というより、カズマが抜けた分の前衛…いや、指揮は誰がやるんですか?前半なら私がやりますが後半は爆裂魔法の影響で動けませんしあまり喋れませんよ?」

 

「…ねぇ、今思ったんだけど___

 

___私たち、カズマがいないと何もできないんじゃ?

 

「「「!!!!!」」」

 

 

 アクアが放った一言は、彼女ら三人を絶望の淵へと突き落とした。

 

 そして彼女らは今ここで決意した。今日はカズマ抜きで、いつもと変わらない一日を過ごそうと。

 

 だがその決意が後々の惨事になることは、誰も予想できなかった…。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「それで…何を教えましょうか。カズマさんのレベルならポイントコストの低い『ドレインタッチ』などがおすすめですけど…」

 

「魔力を奪うやつでしたっけ?結構有用そうですけど」

 

「はい、応用として使用者を通して魔力の受け渡しができますし…覚えます?」

 

「うーん…何ポイントかかります?」

 

 

 場所は変わらず、ウィズの部屋の中。ウィズとカズマの二人はカズマの提案である“リッチーのスキルを覚えたい“という要望のため、ウィズから何を教わるか考えていた。

 

 

「私が習得した時…というか、リッチーの固有スキルみたいなものですので最初から持っていたとしか…あ、『ワープ』なら分かりますよ!」

 

「『ワープ』?」

 

「はい!スキルポイントがちょっと高めで距離に応じて魔力を必要としますが、魔力で場所を登録する必要もありませんし、かなり有用なスキルなんです!」

 

「へぇ…」

 

 

 顎に手を置いてカズマは考えた。

 

 

___このスキル、ひょっとしたらチート化するんじゃ?

 

 

 距離=必要魔力の方程式が成り立たせることのできるこの『ワープ』というスキルは名前を聞いただけでも効果は想像できる。

 

 つまり、一メートル『ワープ』を使う際に一のMPを使用するとすれば、使い勝手の良いスキルだ。しかもカズマの魔力は並の冒険者よりも高く、それを踏まえてもかなりの効果を期待できるのではないだろうか。

 

 

「…よし、教えてください、『ワープ』を」

 

「分かりました!では実践しますので見ていてくださいね?」

 

 

 そういうとウィズは立ち上がって、部屋の端っこに移動した。カズマは真ん中の椅子に座っていて、ウィズの挙動を見逃さず、『ワープ』を覚えようとしている。

 

 

「そんなに見つめられると照れますが…んんっ!では実行しますね?」

 

「はい」

 

「『ワープ』!」

 

 

 ウィズが詠唱すると、彼女の姿は消えた。だが1秒ともかからず彼女の姿は部屋の真ん中に現れた。

 

 その事に微かに驚くカズマだが、その前に“微かに見て感じた”ものを口に出した。

 

 

「…なんていうか、点と点を空間ごと合わせる感じですか?」

 

「えっ、今の一回でわかったんですか?というか何故わかったんです!?魔力は目に見えないはずなのに…」

 

「うーん…なんかウィズさんが消えた時、ウィズさんがいた場所の空間が部屋の真ん中に吸い寄せられてた気がしたんで」

 

「へぇ…俗に言う、“第六感”ていうものですかね。どちらにしろすごいです!」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 

 今まで称賛こそされども純粋に褒められたことのないカズマは気恥ずかしさを感じながらお礼を言う。この気恥ずかしさを誤魔化すために冒険者カードを取り出した。

 

 カードには昨日ウィズの手によって被害を食らった『ドレインタッチ』と今見せてもらった『ワープ』が…、とそこで、カズマはあることに気づいた。

 

 

「あ、スキルポイント足りますね。…あれウィズさん、『ワープ』ってポイント高いんですよね」

 

「え?はい」

 

「消費スキルポイントが“初級魔法同然”なんですけど」

 

「___へ?」

 

 

 「ちょ、ちょっと見せてください!」と慌てた様子のウィズがカズマの手から冒険者カードを取り上げ、カズマのスキル欄を凝視した。

 

 そこには数は少ないが多種多様なスキルが刻まれており、そして淡く光っている“スキルポイントが初級魔法同然”の『ワープ』のスキルがあり、ウィズの目を見開かせた。

 

 

「こ、これは…」

 

「ど、どうしました?」

 

 

 ふるふると震えるウィズにカズマが声をかける。するとカズマに顔を振り向いたウィズが、カズマの両手で掴みながら顔を寄せた。

 

 

「す、すごいです!冒険者時代の私よりも聡明で、勘も優れた人なんて見たことがありません!私の『ワープ』を一目見ただけで“殆ど理解してしまう”なんて!」

 

「は、はぁ…」

 

 

 冒険者に関わらず、職業のスキルを手に入れるにはそのスキルの詳細や原理などを“理解しないといけない”。ただ理解しないとスキルを手に入れられないわけではなく、そのスキルの深ければ深いところまで理解すると、入手する際に消費するスキルポイントが少なくなるのだ。

 

 冒険者にとってスキルポイントは大事なものであり、大切に使わないといけない。熟練の冒険者であったウィズ曰く、カズマのように知能が並み以上の冒険者は大成しやすいらしいのだ。

 

 

「…じゃ、『ワープ』。大事に使わせていただきます」

 

「はい!あ、でも一つ注意点があります」

 

「はい?」

 

「壁が近くにある場所での使用はお勧めしません。大きく精度がブレてしまうと壁に埋まってしまう危険性があります」

 

「…体験談ですか?」

 

「………体験談です」

 

「あらら」

 

「そ、それよりもお茶にしましょう!全財産を叩いて買った茶葉があるんです!店の中にあるので取ってきます!」

 

「ンー…はい。いってらっしゃいです」

 

 

 こうして新たなスキルを習得したカズマは、ウィズの営む“ウィズ魔法具店”の中でウィズと紅茶を飲みながら話し合った。仲間が大変なことになっているとは知らずに___。




 うーん、駄作感が凄いですね。2週間で書いたとは思えないクオリティ。
 次回は仲間の元へ帰還します。
 では、次回もお楽しみに。
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