【この素晴らしい世界に祝福を!】カズマはのんびりと魔王討伐を志す様です。   作:よるくろ

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 どうも、ガリアです。
 最近…というかここ半年間ずっとマイクラにどハマりしており、全く執筆に集中できなかったことをここにお詫び申し上げます。
 実は前々から投稿頻度を固定しようかな、とか、むしろもう凍結させようかなとかの不穏な案が脳裏を過っていたのですが、それでが読者様に示しがつかないと思い却下いたしました。
 即興、即決で書いたもので申し訳ありませんが、第十五話です。どうぞ…


【15】 転生者:御剣響夜

「それじゃあウィズさん、ご馳走様でした」

 

「はい!何かまたお困りでしたらうちに来てくださいね!…あとまた商品も買ってくださると嬉しいです」

 

「はは…分かりました、それでは」

 

 

 茶会が終わり、見通した魔法具店の商品の中から数品見繕った物を購入してから、カズマは仲間のもとへ帰る為にウィズに別れを告げてギルドへと向かった。

 

 本当ならもう少し御茶会を楽しみたいカズマだったが、いい加減“破茶滅茶と滅茶苦茶を足して二乗”にしたようなパーティーメンバーのことが気になり、何かやらかしていないか心配になったのだ。

 

 “もしもの時の保険”用の魔道具もウィズの店で買ったが、出番が来ないことを祈るしかいないだろう。

 

___カズマの眼界に、ギルドが見えた。

 

 だが、どこか違和感があった。

 

 しかし遠くから感じられるギルドの雰囲気に変わりはなく、遠くからでも聞こえるわいわいとした冒険者達の声も何ら変わりはない。

 

 扉を開けて中に入ればいつもの光景が目に入り、クエスト掲示板の前で立ち往生する冒険者や受付に並ぶ冒険者達。真昼間から酒を飲んでいる冒険者など、カズマが今までに見てきた光景ばかりだ。

 

 

「…はて、皆は?」

 

 

 そういえば、はっきりと目立つ格好をしている皆がいない。キョロキョロと辺りを見渡すが、アクアの騒がしい声やめぐみん達のような目立つ格好も、ダクネスのように高い背も姿形もない。

 

 さっきから感じる違和感はこれかとカズマは妙に納得しながら、最後の冒険者が受託したクエストの手続きを終わらせて暇になったルナに話しかけた。

 

 

「お仕事中失礼します」

 

「あらカズマさん!クエスト先で気絶したと聞きましたが大丈夫ですか?」

 

「はい、異常はないです。…それで、アイツらは今どこに?」

 

「えー、アクアさん達はクエストに出掛けています。アークプリーストであるアクアさんが『湖の浄化』のクエストを今朝発注したので、もう数時間経てば戻ってくると思いますが…」

 

「分かりました、ありがとうございます」

 

 

 ルナに話を聞いたカズマはギルドのテーブル席に座って、腰にかけていた片手剣を机に立てかける。持っていた魔道具の入っている麻袋も机の上に置いて、カズマは仲間達が戻ってくるのを待った。

 

 時間にして三時間ほど。剣の手入れや仮眠、帰ってきた冒険者達から冒険譚を聞いたりと時間をつぶしているうちに、ギルドの表が騒がしくなったことに気づいた。

 

 入り口の方には新米の冒険者が恐る恐ると言った感じで外の状況を見ており、カズマはそれに声を掛けた。

 

 

「何があったんだ?」

 

「あ、カズマさん!大変です!カズマさんの仲間達が…!」

 

 

 この間のクエストで死にそうになっていたウィザードの女の子が助けを求めるような声でカズマに返事を返した。

 

 カズマはそんな女の子の返事を聞いて、ギルドの扉を開けた。すると、そこには驚くべき光景があった。

 

 一部がへし曲げられた頑丈そうな檻に、アクアやめぐみんといったカズマのパーティーメンバーが檻を乗せた台車の前に集結しており、そしてその前に立ち塞がる三人組。男一人の女二人といった配分のパーティだ。

 

 そして、その一人の男が___めぐみんに刃を向けていた。

 

 

「は?」

 

 

 その後、カズマがその男の横っ面を殴り飛ばすまで…残り三秒。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「湖の浄化?」

 

「えぇ、私にぴったりなクエストだとは思わない?」

 

 

 早朝から少し時間が経過した、朝の出来事。

 

 めぐみんとゆんゆんにクエスト用紙を突きつけるアクアは、得意げな顔をして用紙の大部分を読み上げためぐみんにそう言った。

 

 クエスト内容はアクセルが保有する水源の一つ、タルラン湖の水を浄化。悪化した水質の所為でブルータルアリゲータ等の凶暴な魔物が住み着いたことによって水の補充などができなくなってしまったようだ。

 

 幸い、凶暴な魔物達は汚濁した水質を好む。故に誰かが湖を浄化すれば魔物達は住みやすい場所を探して湖から出ていくのだ。

 

 

「カズマはまだ休養中だろうし、カズマがいないうちに稼ぐわよ!私たち三人でもやればできるってことを教えてやるんだから!」

 

「…分かりました、その話、乗りましょう!」

 

「えぇ!?か、カズマさんが戻ってくるまで待った方がいいんじゃ…」

 

「甘いですねゆんゆんは…そのカズマがいない今!私達が活躍しなくてどうするのです!いつもいつもカズマの手を煩わしている私達が、カズマ不在の今働かないで何をしようというのですか!」

 

 

 めぐみんが言い放つように放った言葉は、皆の心に深く突き刺さった。

 

 性癖は異常だけども人格は比較的まともなダクネスも、だ。

 

 

「…しょうがない、それはそれとして誰が指揮をするんだ?アクアは湖の浄化で指示ができないだろうし、候補としてはめぐみんかゆんゆんと私の誰かだが…」

 

「はい!私が立候補します!」

 

 

 声高らかに手をあげて立候補したのは、めぐみんだった。ゆんゆんも手を上げようとしたが、隣のめぐみんがすごい剣幕で声を上げたせいでびっくりして後ろに倒れてしまった。

 

 

「ダクネスは前衛、それ故にいちいち後ろを見ないと後衛の状況を把握できない立場です。アクアも前衛ではないですが今回のクエストでは最前線に出るため指揮は不可能。こうなったら後衛の私かゆんゆんのどちらかなのですが、多彩な魔法を使うゆんゆんは出番が多いはずです。だから指揮をする暇もないでしょうから私が適任だと思います」

 

「あ、あぁ。…じゃあ指揮はめぐみんに任せる。皆もそれでいいか?」

 

「えぇ!頑張りましょう!」

 

「は、はい…私も活躍してカズマさんに褒められたかったな…

 

 

 こうしてカズマ不在のカズマパーティは、意気揚々とクエストを発注して目的地へと着いたのだが…。

 

 

「…ねぇ、これどういうこと?」

 

「どういうことと言われましても…アクアの安全面を考慮した結果ですけど」

 

 

 紅茶に浸されたティーパック…と例えた方がわかりやすいだろうか。

 

 頑丈な檻の中に入れられ、その中で体育座りをしているアクアはパックの中の茶っ葉の気分だろう。

 

 

「…私、カップの中のティーパックの気分なんですけど」

 

「笑うからやめてください。それじゃあ、…湖の浄化ってどれくらい掛かります?一応参考までに」

 

「えーっと、私の特異体質で水に触れるだけでも浄化されていくんだけど、それじゃ丸一日は掛かるの。でもピュリフィケーションを使い続ければ…半日で終わるわ!」

 

「長いですっ!」

 

「まぁとにかく始めよう、ここで喋っていては日が暮れてしまうぞ?」

 

「…そうですね。じゃあアクア、私達は木の下で待っていますので、必要な時は呼んでください」

 

「まっかせて!すぐに終わらせちゃうんだから!」

 

 

 だが意外と、問題ばかり起こす四人組にしては問題なくクエストを終えた。

 

 ブルーアリゲーターに襲われるも、ダクネスの壁とゆんゆんの火力によるコンビネーションで撃退し、

 

 そのブルーアリゲーターに襲われかけたアクアも、二人が守ってくれたことによってトラウマを抱えることなく。

 

 その日のクエストは、アクセルの街へ帰るまでは何も弊害なく完了していた。

 

 

「楽ちんだったわね!さっすがダクネスとゆんゆんね!」

 

「私も指揮をしていたにですがね…ところで、アクアはなんでまだ檻に入っているのです?」

 

 

 そう、アクアは前期の通りトラウマを抱えることはなかった。だが、何故か檻に中に未だ入っている。

 

 それを訝しむめぐみんだが、次に放つアクアの言葉によって盛大なため息をついた。

 

 

「え?歩くのがめんどくさいからに決まってるじゃない」

 

「すぅぅ………はあああああああぁぁぁぁぁぁぁ」

 

「ちょっと!何よその溜息!」

 

 

 めぐみんの溜息にアクアは怒るが、めぐみんはアクアの顔を一瞥するともう一度盛大な溜息を吐いた。

 

 そんなめぐみんに更に怒りを覚えるアクアで、もう一度文句を言おうとしたのだが…それは、次の出来事によって掻き消された。

 

 

「女神さま!?女神さまじゃないですか!」

 

 

 その大声は、運良くも悪くも人通りの少ない時間帯で、背の高い家が沢山あって声の通りずらいギルドの近くに響き渡った。いくら周りに響かなかろうと、流石にギルドの中までには届いたようだが。

 

 何事かとアクアがめぐみんに向けていた顔を声の発生源へ向ける。するとそこには心底驚いたような表情を浮かべながらアクア達の元へ駆け寄ってくる立派な鎧を身につけた好青年がいた。

 

 

「どうしたんですか女神様!こんなところで!というか檻に閉じ込められて!」

 

「えっと…どちら様かしら?」

 

「今出します!」

 

 

 目の前の人物が誰だか分からないといった風のアクアの問いに答えず、青年は自身の腕力で檻の鉄格子を捻じ曲げ、人一人が出入りできるような穴が出来上がった。

 

 そこで、一連の流れについていけず呆然としていたダクネスがハッと我に帰り、檻を破壊し出した青年の腕を掴んで制止する。

 

 

「そこまでにしてもらおうか。君がアクアの何かは知らんが、この檻はギルドから拝借したものだ。これ以上の破壊行為は見過ごせない」

 

「破壊行為…?君達がやっていることは誘拐行為だろう!?どうやって女神様を天界から連れ出したのかは知らないが、これ以上の悪行は僕が許さない!」

 

 

 そこで、青年は腰に携えた剣を引き抜き、ダクネスへ…向ける。取り巻きの二人も青年に感化されたように武器を引き抜き、構えた。

 

 ダクネスや他のメンバーもただ事ではないと察したのか、自身の武器を手に持った。ただ一人アクアだけが状況をいまだに掴めないでおり、一人おろおろしながらこの戦況を見守っている。

 

 

「…そういえば、このパーティのリーダーは誰だい?」

 

「…今は不在だが、佐藤カズマという者がこのパーティのリーダーを担っている」

 

「へぇ…このパーティのリーダーさんは、相当程度が低いと見える。こんな犯罪者パーティを率いてるんだから」

 

「なっ___!」

 

 

 その言葉に最初に食いついたのはめぐみんだった。それもそうだろう、命の恩人であるカズマだけだけでなく、仲間までも侮辱されたのだから。

 

 冷静な表情は瞬時に憤怒の顔へと染まり、杖で直接攻撃しようと一歩踏み出すが…

 

 

「…動くな」

 

「うっ…うぅぅ…!」

 

 

 青年に剣を突きつけられ、その足を止めた。いくらステータスが高かろうと、職業的に相性が悪いのだ。それに、スキル的にも。

 

 近接にめっぽう弱いめぐみんはこの青年に勝ち目が無い。もし勝てる要素があるとしても、それはめぐみんが遠距離位置にいる且つ詠唱を終了させる時間まで敵を足止めさせられる味方の存在が必要不可欠だ。

 

 故に、今のめぐみんにもう何もできることはない。だが…

 

 ___運命は、彼女に味方していた。

 

 

「君は魔法使い…アークウィザードだろう?近接戦闘には弱いはずだ、余計に近づかない方が___ぐはっ!?」

 

「っ、キョウヤ!?」

 

「誰!」

 

 

「おいお前…ウチの仲間に何手を出しているんだ?」

 

 

 ギルドから飛び出してきたカズマの右ストレートは青年の頬にジャストミートした。勢いよくぶん殴られた青年は横へ、地面に引きずりながら吹っ飛んでいった。

 

 

「カズマさん…!」

 

「ごめん、遅くなった…で、コイツだれ?殺してもいいのか?」

 

「い、いや!アクセルの中では殺すな!犯罪になってしまう!」

 

 

 言外に、アクセルの街の外では殺しても良いと豪語したダクネス。

 

 そうかと頷くカズマの視線は立ち上がる青年へと向けられており、剣の柄を右手で握っている。

 

 

「カズマ…あの人、かなり強い部類です。あの檻の鉄格子を軽々とひん曲げました」

 

「そう…って、なんでアクアがとっ捕まって…?」

 

「そこはお気になさらずに」

 

「…やってくれたね、犯罪者め。不意打ちとはいえ、かなり効いたよ」

 

「…ハッ、ウチの仲間に手出すとこうなる。というか、お前は誰だ。名を名乗れ」

 

「…魔剣の勇者、ミツルギキョウヤ。とでも言えば分かるかな」

 

「知らん、死ね」

 

「え、ちょっ!?」

 

 

 若干ナルシスト風に言ってくるミツルギにカズマは構わずもう一回殴りかかる。戦いのゴングは、今鳴り響いた。





 久しぶりに執筆しましたので、誤字脱字や文章の違和感などが多々あると思います。どうぞご了承ください。
 これからはもう少しこちらの方にも意識を傾けたいと思いますので、どうぞこれからもこのこのすばシリーズをよろしくお願いします。
 では、次回もお楽しみに…
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