【この素晴らしい世界に祝福を!】カズマはのんびりと魔王討伐を志す様です。   作:よるくろ

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 あれ、何故かラブコメの匂いが凄い…?
 それはそうと、最近首の右側が痛くて執筆やお絵かきに集中できません。寝違えたんでしょうか…近々エリザベスカラーデビューしそうですね(笑)
 そんな事は置いといて、本編です。
 それでは、どうぞ…


【17】 隙間のひと時

「くぁ……あ、そうか…平原で寝てたんだった…」

 

 

 ミツルギの件から数日後。

 

 メンバー一人一人への土下座から遠慮なく慰謝料をふんだくったパーティの仲間たちの懐は潤い、ここ数日はクエストに行かずに各々たまに集まりながら日々を過ごしていた。

 

 しかしカズマだけは毎日一回か二回はクエストへと赴き、着々とレベルを上げていった。

 

 理由としては、パーティの一員として上級職に就いているメンバーに少しでも追いついておきたいからだ。

 

 いまだ低レベルとはいえ職業の恩恵はすさまじく、メンバーそれぞれ特化した膂力や魔力はかなり差がある。

 

 そのため、カズマは着々とレベルを上げようとクエストを受けては達成しを繰り返した。

 

 その結果、レベルは二桁台へと昇華し、それと同時にステータスやスキルポイントの数値も増加した。

 

 頃合いを見たカズマは『ワープ』から全く使っていなかったスキルポイントを使用するために、熟練の冒険者やカズマと同じく駆け出しの冒険者からスキルを教えてもらい、対価として五万エリスを無理矢理懐にねじ込みながら実戦で使えそうなスキルを身につけていった。

 

 成果としては、戦闘で使える初級魔法全般、剣術、弓術、体術などといった基礎スキルがほとんどであり、その他のスキルは効果や消費魔力のレベルが追い付いていない為とらなかった。

 

 その筆頭が、『爆裂魔法』だと忘れてはいけない。

 

 

「…しっかし、何もないなここ最近。暇だな___」

 

 

 そしてそんな日常に退屈さを感じ始めたカズマのボヤきは、背後から聞こえた声によって、そして突然起きた出来事によって遮られた。

 

 

「だーれだっ♪」

 

「んっ!?」

 

 

 黒く染まる視界、目のあたりに感じる圧迫感。

 

 感触からして掌だということがわかり、カズマは現状を把握してようやく口を開いた。

 

 

「クリス?」

 

「当ったりー。よくわかったねぇ。仕事帰りなんだよ」

 

「…足音しなかったし、身近な盗賊といえばクリスだったから」

 

「ふぅん…頭良いんだね?」

 

「…勉強だけはしてたから」

 

 

 カズマは地球にいた頃の記憶を思い出して、顔を少し顰める。

 

 それに気付いたクリスは慌てて謝りながらカズマに頭をさげた。

 

 

「わわっごめん!この話が嫌ならすぐやめるから!」

 

「…いや、いいよ。頭を上げて」

 

「で、でも…」

 

 

 ポンッとクリスの頭にカズマの手が乗せられる。

 

 

「!」

 

「良いって、別に。今が幸せなんだから、過去の辛いことなんてどうでもいい」

 

「…そっか、そう…今が幸せなら…」

 

「あぁ…仲間が出来て、仲間と過ごして、楽しい毎日…俺は、今が好きだ」

 

 

 カズマはクリスの頭に乗せていた手を戻そうと引っ込めるが、それはクリスの手によって抑えられた…頭の上で。

 

 

「クリス?」

 

「せっかくだからもうちょっとやってよ、こんなことされるのなかなかないしね…それに、少し居心地がいいし」

 

 

 薄く笑いながら、クリスは言う。

 

 カズマは目を丸くした後にクスリと笑い、クリスの手を引っ張って移動させた。

 

 

「おっとっと…へっ?」

 

「この方が、撫でやすい…」

 

 

 膝の間にクリスを収めながら頭を撫でるカズマ。

 

 クリスは暫し謎の緊張を感じていたが、しばらくすると背中をカズマに預けだし、目を瞑りリラックスしながら頭を撫でられていた…。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 遠くに見えるアクセルの街から、門を閉める合図である鐘が鳴り始めた。

 

 リラックスしていたクリスは勿論、カズマも夢中になって撫でていたことから少し慌てて立ち上がってアクセルへと走り始める。

 

 

「…驚いた、完全に時間の事を忘れてたな…」

 

「うん…」

 

 

 クリスの口数は少なくなっており、カズマは自分と同じく時間を忘れていたことに驚いたのだろうと推測しながら、なぜかだんだんと足が速くなっていくクリスと並走する。

 

 だがクリスの変化の原因はカズマは思っていることではなく、実際は…

 

 

「(わー!頭を撫でられて気持ち良くなって時間を忘れちゃうなんて…わぁぁー!!)」

 

 

 混乱、もとい自分の状況に恥じていた。

 

 元々クリスは盗賊職であり、ありとあらゆる場面において罠やモンスターを警戒するために気を引き締めなければならない職業である。

 

 それは日常生活でも例外ではなく、自身が無防備になる状況は作ってはならないのだ。

 

 そんな自分が、時間を忘れるほどに、無防備になり、夜になるまで、しかも愛撫でこんな状況に陥ったのだ。

 

 

「(恥ずかしい以外の感情なんかないよーっ!!!)」

 

「(少しっ、速いな…アクセルの門はそんなに早く閉まらないはずだけど…しばらくアクセルにいなかったかったから忘れてるのか…?)」

 

 

 そしてアクセルの門が閉まり始める数分前のところで門を通り、一息ついたカズマとクリス。

 

 少し息を荒げながら門の向こう側を眺めるカズマは、顔を紅くしてカズマから顔を背けているクリスに声を掛けた。

 

 

「なぁクリス」

 

「なっ、何かな!?」

 

「アクセルの門はこんなに早く閉まらないからもっとゆっくり戻ってもよかったんじゃない?」

 

「そ、そうだね!ごめん!」

 

「そんな迫真に謝らなくてもいいけど…」

 

 

 クリスの羞恥心故の勢いに押されているカズマは、クリスの手を取って歩き始めた。

 

 

「あっ」

 

「ほら、仕事帰りって言ってただろ?早くギルドに行って仕事疲れを吹っ飛ばそうぜ」

 

 

 ニヤリと笑いながらクリスに顔を向け、そんな事を言うカズマに手を引かれながら俯くクリス。

 

 顔は見えないが、耳まで赤くなっていたクリスの姿は、遠巻きに見ていた主婦や町人にニヤニヤしながら見られていた…。

 

 





 いかがでしたでしょうか?
 実は当初の目的では今話は爆裂魔法を城にぶち込みまくる予定だったんですが、運命の悪戯か、指が勝手にラブコメを書いてしまったんです。
 私は悪くない、私が悪かったとしても後悔も反省もしてません。
 むしろ良くやった!と自分を褒めてやりたいくらいです。
 まぁしかし、予定が狂ったのは事実です。そこは反省しませんと…。
 さて、今回のラブコメゲフンゲフン話はいかがでしたでしょうか?
 次回もお楽しみに…
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