【この素晴らしい世界に祝福を!】カズマはのんびりと魔王討伐を志す様です。   作:よるくろ

21 / 46


 21話目です。
 皆さん夏休みはどうお過ごしでしょうか。私は夏休みだというのに学校にいるんです(最大の謎)、助けてください。
 


【21】 誓い

 最近、カズマの姿を見ていない。

 

 その事に一番早く気づいたのは、カズマと共に異世界へと来たアクアであった。

 

 一緒に泊まっていた馬小屋にも、ギルドにも、ウィズの店にもいない。散々探し回ったアクアは最終的にギルドへと戻り、このことを伝えるためにパーティーメンバーを待っていた。

 

 

「うぅ…カズマったらどこに行ったのかしら…」

 

「カズマさんがどうしたんですか?」

 

「あ、ゆんゆん…」

 

 

 アクアの呟きに反応したのは、朝早いというのにアクアよりも少し早く来ていたゆんゆんであった。

 

 彼女は今さっきまでクエスト掲示板の前でクエストを見ていたようで、手には数枚のクエスト用紙が握られていた。

 

 

「ねぇ、カズマがどこに行ったか知らない?」

 

「カズマさんですか?いえ…昨日から一回も見てないです」

 

「そう…実は___」

 

 

 アクアは、カズマが昨日の解散後から見ていない事を伝える。

 

 

「___なの」

 

「うーん…私は知りません」

 

「そう……どこに行ったのかしら___。」

 

 

 窓から見える、ポツポツと振り始めた雨を見上げながら、アクアは嫌な予感を胸に昨日のカズマの後ろ姿を思い出す。

 

 それは消えてしまいそうなほど小さくそして…黒ずんで見えた…。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 時は変わらず、場所は人通りの少ない街道へと移り変わる。

 

 小雨が降り続ける中、カズマとめぐみんは、それぞれ傘を挿して街道をとぼとぼと歩いていた。

 

 

「………」

 

「………」

 

 

 何も言わない。

 

 めぐみんは俯きながら目だけでカズマを見て、カズマはゆっくりと散歩をするように街道のある一点だけを見つめ、そこへ歩いていった。

 

 

「ん?…おぉ、こん前の坊主!元気にしてたか!それと嬢ちゃんも!」

 

 

 そこは、カズマとめぐみんが出会うきっかけの露天であった。

 

 店主がきさくにカズマとめぐみんに挨拶を交わし、カズマはそれに応えた。

 

「あぁ、元気だよ。またおっちゃんのコーンスープ飲みたくなってな」

 

「嬉しいこと言ってくれるじゃねえか!ちょっと待ってろ、今すぐ注いでやっからよ!」

 

 

 カズマは露天の近くにある屋根の下に行き、めぐみんもそれについて行く。傘を閉じて椅子に座るが、めぐみんは座らずに傘をさしたままカズマの隣に立った。

 

 

「…座らないのか?」

 

「…スペースがないじゃないですか」

 

 

 確かに、二人分であろうカズマが座る椅子には猫が雨宿りをして座っており、二人を見つめながら「にゃー」と鳴いていた。

 

 カズマはその猫を追い払おうともせずに、自分の膝を一叩き。

 

 

「ここ」

 

「……へっ?」

 

 

 めぐみんが間の抜けた声を上げた隙にカズマはめぐみんを脇から抱えて持ち上げて、自分の膝に乗せた。

 

 頭ひとつ分の座高の余裕があったため、カズマはめぐみんの頭に顎を乗せることで逃げ道を塞ぐ。逃げ出そうと暴れても地に足がついてないため、逃げ出すことは不可能であった。

 

 

「ちょっと!はなしてくださいよ!」

 

「寒いからあったかいのが欲しいんだよ。大人しくしろって」

 

「あぅ…うぅ…」

 

 

 暴れるのをやめためぐみんは両手で顔を覆って俯く。

 

 するとそれを見越したかのように露店の店主がコーンスープを持ってカズマの下へと来て、カズマとめぐみんに手渡した。

 

 

「ほらよ。出来立て熱々のコーンスープだ!気ぃ付けて飲めよ!」

 

「あ、ありがとうございます…」

 

「あんがと、おっちゃん」

 

「おう!…ちゃんとやれよ

 

「!……あぁ」

 

 

 去り際に放った店主の言葉にカズマは頷き、大人しくコーンスープを飲み始めるめぐみんに目線を落とした。

 

 

「…美味しい」

 

 

 静かに、ポツリと言った。

 

 その表情は柔らかくなり、今この時だけは死の恐怖を忘れられているようだ。

 

 ポツポツとめぐみんの膝に水滴が落ちる。今はこの暖かさを享受しているようだ。

 

 

「…なぁ、めぐみん」

 

「…なんですか?」

 

「俺五日くらいアクセルを離れなきゃ行けないんだけどさ…その間、パーティのリーダーを任せてもいいか?」

 

「……ぇ?」

 

 

 少し、めぐみんが上を向いた。

 

 顔は見えないが、恐らく真剣な表情をしているのだろう。

 

 

「…理由は、聞きませんよ」

 

「助かる。それと…あれだ、その…」

 

「…まどろっこしいですね、早く言ってくださいよ」

 

「あぁもう……パーティーの皆に内緒で晩酌をしようぜ。寝静まったギルドで、二人で」

 

「……」

 

「ちょうど今から六日後に届くんだ。俺の個人用の貯金を殆ど使って買った高級な奴だからきっと美味い。だから___」

 

 

 めぐみんの頭にポンと手を乗せて言った。

 

 

「___絶対飲もうぜ」

 

「……ふふっ、悪い人ですね、カズマは」

 

「ははっ、冒険者が善良じゃなくて何が悪い」

 

「ふふふ……よし!」

 

 

 めぐみんはコーンスープを一気に飲み干して、カズマの膝から降りて振り向いた。

 

 頬には涙の跡があったが、既に涙は流れていない。代わりに眩いほどの明るさに満ちた笑顔でカズマの目を見据えた。

 

 

「カズマが不在の間、パーティーのリーダー権は私が預かります!期間は五日間、報酬は…カズマが無事に帰ってくる事です!」

 

「!」

 

「私はカズマが五日間“何をするかは知りません”!“パーティー全員で”クエストに“集中”しますので、“こちらのことは気にしなくても大丈夫”です!だから!」

 

 

「絶対に…生きて帰ってきてください」

 

 

「……了解、”副リーダー“」

 

 

 きっとめぐみんは、カズマはこれから何をするのか分かっていたのだろう。

 

 だからカズマに、無事に帰ってくるように言ったのだ。

 

 

「…行ってくる」

 

 

 いつのまにか持っていた剣を腰に下げ、珍しく長い髪を後頭部で結んだ。

 

 傘を刺さずに歩き出したカズマに…めぐみんは背きながら、顔を歪ませて涙を流す。両手にはカズマとめぐみんの傘が握られており、めぐみんも傘を刺さずにカズマとは逆の方向へと歩き出した。

 

 決着は、どうなるのか分からない。何せ、相手は魔王軍幹部なのだ。数多の冒険者を屠ってきた魔王軍の最高戦力の一人なのだ。

 

 勝機があるのかは分からない。だがめぐみんは…ひたすらに、カズマの勝利を祈るだけなのだ…。






 ”何をするのかは知らない“→知らないふりをする。
 ”パーティー全員で“→メンバー全員には、
 ”クエストに集中“→カズマのすることを教えない。
 “こちらのことは気にしなくても大丈夫”→ベルディア討伐に集中しろ。

 生きて帰ってきてください→無事に帰ってこい。


 翻訳としてはこうですね…。
 少し無理やりな気がしますけど、私ではこれが限界です。

 そういえば皆さんは、夏休みの宿題などは終わらせましたか?私は…
 夏休みの宿題は早めに終わらせましょうネ…(←失くした人)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。