【この素晴らしい世界に祝福を!】カズマはのんびりと魔王討伐を志す様です。 作:よるくろ
深夜投稿失礼します。
今回は少し無駄…というか、少し雑になってしまったと思います。
カズマが居なくなって、四日が過ぎた。
パーティーメンバーは勿論、いつも担当をしているルナやカズマと関わりのある冒険者なども、カズマ不在の件については少し心配していた。
だが現リーダー代行であるめぐみんは、
「少し長期のクエストを受けて居ないだけです。カズマが居ない間は私がリーダーを務める事になっておりますので、カズマに用がある場合は私が伝えておきますのでメモか何かに記載して私にください」
と、立派にリーダー代行として働いていた。
その事に違和感を感じたメンバー、特にゆんゆんなどは少し問い詰めたこともあったのだが、めぐみんはそれに一歩も引かず、その上力強い目で変わらない理由を言ってきたため、メンバーも口出ししないでいる。
「今日は…クエストは受けません。ダクネスが昨日怪我を負ったため、万全な前衛がいないからです。うちの前衛はダクネスだけなので、万全な前衛がいないだけで後衛職の私達には致命的になるはずです。ですから今日はダクネスの休養を中心に、クエストは休止します」
「分かった。私は宿に戻って傷を治してくるよ」
「あ、じゃあ私がヒールで回復すればいいんじゃないかしら?」
「いえ、私達はカズマが居ないので、充分な指揮による統率が取れてない状況なんです。だから万全な状態でクエストに行かないと行かないので、少しでも魔力を消費した場合はクエストに行くのを控えるべきです」
「少し慎重なんじゃないかしら…」
「ゆんゆん、我々後衛職が一番大事にしないといけないのは、魔力管理です。今私が指揮官役なのでこうやって自分のことを棚に上げて言えますが、魔法職などは魔力を慎重に管理しなければならないのです。クエスト中に魔力管理を怠って魔力切れになるのは、パーティーにとっては一番の致命傷ですから」
「分かったわ…やっぱり、何かおかしいわ」
前々から勘付いているゆんゆんであるが、めぐみんに何も言わない。否、何も言えないのだ。
元々幼馴染であるこの二人は、長年の付き合いを持っている。故に、すぐにおかしな所や違和感などに気付けるのだ。
だが、今のめぐみんは…
「(だって…どこか、壊れそうになってるもの)」
うっすらと目の下に見える隈。それは睡眠を取れていない証拠であり、そして体力の回復が十分にできていない証拠でもあった…。
「…早く、帰ってきてください。…カズマさん」
ゆんゆんがギルドの窓から見える空を見据えて、カズマの帰還を願う。
視線の先にある雨雲は、より黒く、漆黒の色を帯び出していた…。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「はぁ…はぁ……これで、最後か?」
“ガシャッ”という音が響く。スケルトンが倒れる音だ。
めぐみんとの誓いから四日、カズマは件の廃城、ベルディアが待ち構える城でアンデッド達を倒していた。
一階層毎に夥しい数のアンデッドが徘徊していたが、お得意の『ワープ』と剣戟を駆使して、おまけに聖水(アクアが誤って水にしたシュワシュワ)を撒いて復活防止を施したりしながら攻略していた。
大変だが、その分ベルディア直属の配下ということだけあり経験値が美味しく、既にカズマは中級冒険者の上位程の実力を有していた。
「はぁ……あと二十三時間、タイムリミットまでは一日未満…急がねえと…!」
現在、カズマがいる場所は廃城のベルディアが待ち構えている最奥より少し前の大広間。これまで以上のアンデッドが居たが、魔力を気にしながら『ワープ』で攻撃を避け、剣で仕留めながらアンデッドから繰り出されるスキルを習得して凌ぎながらここ一帯のアンデッドを全滅させた。
お陰でカズマのスキルの殆どはアンデッドが持つスキルで埋め尽くされている。
「『ドレインタッチ』………魔力は満タン、あとは奥前の中ボスみたいなデカブツだな…」
次の部屋に続く門前で、カズマが見ているそれは、ツギハギだらけのデカイ“人間”だった。
髪はない、それどころか全身マッパのツルツルで、唯一身に付けているものといえば背中の剣を支えるためのクロスに巻かれたベルトくらいだ。(生えてはいない)
白い蒸気を吐きながらじっとカズマを見据えているが、攻めては来ずに見るだけだ。ただじっと、カズマが門を潜るのを待つようにじっと待っている。
カズマはドンと床に胡座をかいて座った。そして膝に肘を置いて、手の甲に頬を乗せながら相手の巨躯を見ながら剣の柄を撫でた。
「…どう攻めようか」
カズマは、脳内で複数のパターンを予測していた。
自分がどう攻めることで相手がどう反撃するか。その反撃をどう避ければいいのか、その避け方をした時に相手がどう対応するのか。
相手の筋力量から速度を導き出して、速度から相手の対応速度を導き出して、対応速度から自分がどう相手を倒すための攻撃を繰り出せるのかを導き出す。更に厄介なのは、魔力の補充を望めないことだ。
聖水を撒いたため、アンデッドは復活しない。もしあの巨体を屠ったとしても、戦闘の合間に使用した魔力は回復できない。魔力管理も視野に入れないといけないため、カズマは脳をフルで使いながら“予測”していた。
そして___導き出せた。
「うっし……行くか」
パンと膝を叩き、立ち上がった。そして門を潜り…カズマは巨体が動き出す前に脚力を全開して巨体の目の前へ躍り出た。
「グオオオオオ!!!」
背中の剣が抜かれ、カズマに振り下ろされた。
「ちぃっ!」
カズマは片手に持っていた剣を両手で持ち直して、受け止めた。
そしてすぐに力を抜いて相手の剣を横滑りに受け流し、的確、正確に、物を持つ、手を握るという動作に必要不可欠な“腱”を斬った。
だが相手の皮膚が硬いのか、カズマが振るった斬撃では薄皮一枚しか斬れなかった。
___想定通り。
もとよりデカく強いモンスターの皮膚などは硬いというお約束がある。もちろんレベルという概念があるこの世界でもその概念は存在している。
剣は通らず、相手はアンデッドで体力お化け。そんなものにどうやって勝つのか。
答えは、すぐに出た。
「グアアアアアアア!!!」
苦悶の表情で悲鳴のような雄叫びをあげる巨体のアンデッド。
カズマが斬りつけた手首から先は見事に落とされており…そして、そのすぐそばにカズマの剣が落ちていた。
そしてカズマはそれを見てほくそ笑み…
「計算通り」
すぐに『ワープ』で剣を取り寄せて、次の行動へ移す。アンデットは腕を切り落とされた怒りか剣を出鱈目に振り回してカズマを攻撃している。
だがカズマはそれを全て『ワープ』で避けていた。そして…
「7、6…5、4」
「3…」と呟いた瞬間にアンデッドの背後の足元にワープして脚の“腱”を切り払う。すると巨体は立てなくなり、跪いた。
「2…」
次の『ワープ』で剣を叩き落とし。
「1…」
カズマが想定した通りのワープ回数の最後…剣もなくし、何も出来なくなって這いつくばるアンデッドの背後にワープして…
「…0」
首を、斬り飛ばした…。
全ては、この男に“思考”させた時点で終わっていたのだ。
イメージとしては、終末のワルキュ◯レの佐々木小次郎のようなものだと思って構いません。
どんどんカズマがチート化していく…