【この素晴らしい世界に祝福を!】カズマはのんびりと魔王討伐を志す様です。   作:よるくろ

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 ようやくアルダープとの面会ですね…

 そういえばアルダープの本名って結構長いんですね、ララティーナよりは文字数少ないですけど。

 それでは、どうぞ…


【37】 謁見

 

 

 

 

「謁見?」

 

 

 カズマがきょとんと、ダクネスから言われた言葉を鸚鵡返す。

 

 暖炉の中で燃える炎が揺めき、消えた蝋燭の代わりに灯りとなる。暗くなった外を隔てる窓に、炎に照らされたカズマの横顔が映っていた。

 

 ソファに座るカズマの前では、片手に持つ手紙をくしゃりと潰し、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべるダクネスがソファに座っている。どうやら、相当嫌な相手からの手紙だったのだろう。

 

 

「あぁ…この街の領主から、幾度と街を救った英雄殿と顔を合わせたいとな…全く、思ってもいないことをよくものうのうと…」

 

「…そんなにダメなのか?」

 

「いや、正直あの舐られるように私の身体を見てくる視線はたまらな…ダメだな、うん」

 

「…そっか」

 

 

 何かとんでもないことを聞いたような気もするが、カズマは聞かなかったことにしてダクネスの手から手紙を取る。

 

 ダクネスの握力によってくしゃくしゃになりすぎて読み辛いが、内容は知ることができた。なるほど、確かに気持ちの籠っていない文章だな、と、カズマは思った。

 

 手紙に書かれてある正確な日時などを記憶して、カズマは手紙を暖炉に投げ入れる。

 

 

「明後日から…か、装備もしっかりしていったほうがいいか?」

 

「あぁ、冒険者が謁見をする場合、礼装などではなくクエストに赴く際の装備で良い決まりがある。まぁあまり汚れすぎたり、古すぎたりするのはダメだがな」

 

「ンー…じゃあ俺のこれはダメか…あ」

 

 

 カズマが思い出したように手のひらにポンと拳を乗せる。

 

 

「明日部屋に篭り切っていいか?いい礼装を思い出した」

 

「…ならば、料理はめぐみんとゆんゆんに任せようか」

 

「ありがとう…完成したらその時にお披露目するよ」

 

 

 その言葉に、ダクネスは嬉しそうに微笑む。何事も自分が一番最初ともなれば嬉しいだろうが、ダクネスは少し別のベクトルで嬉しさを感じていた。

 

 

『カズマの礼装姿…きっとカッコいいか可愛いの両極端になるんだろうな、私としては可愛いの方に傾いて欲しいが』

 

 

 ドMに続き、新たな性癖の扉を開けそうになっているダクネス。いや、もしかすると開き掛けた扉の間に足を挟み込んでいるのかもしれない。

 

 礼装のイメージを頭に浮かべているカズマは突然襲ってきた薄い悪寒に身体を振るわせるが、きっと冬の寒さのせいだろうと片付ける。

 

 

「…それじゃ、寝るまで作業してくるから、お前も早く寝ろよ」

 

「あぁ、分かった。おやすみ」

 

「おやすみ…」

 

 

 そして、地下室へと続く扉の向こうに消えたカズマ。ダクネスは地下室へと向かったカズマを見送り…燃える炎を見つめ、僅かに感じる嫌な予感を、必死に無視した…。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 時は早く経ち、一日を越えてついに領主との謁見の日。

 

 「少し最終調整してるから先行っててくれ」と、屋敷に残ったカズマを除くパーティは、領主の屋敷へと行く馬車に乗っていた。

 

 

「『後で追いつくから』と言ってましたが…大丈夫なんでしょうか」

 

「一応場所を知らせたから来れる…筈だが、馬車がないと相当キツイと思うぞ」

 

「というか、ベルディアを倒しちゃったのカズマなんだから、私達は来なくていいんじゃないの?」

 

「いや、あの豚…領主は、この街を管轄している。領主になると国からの補助金などが得られるため、ベルディア含めデストロイヤーなどの破壊という偉業を為したカズマ“パーティ”の姿も見納めたいと…そう送られてきた」

 

「…少し、嫌な予感がします。さっきも黒猫が通り過ぎてましたし」

 

 

 きっと、ゆんゆんの嫌な予感はダクネスが抱いているものと同じ物だろう。朝から不吉な現象が起きまくり、胸の奥からざわざわと心臓に絡みつくような悪寒がする。

 

 ゆんゆんは、この“不可解な偶然”について、昔とある本で知っていた。

 

 

 ___人と悪魔が同じ次元に立つ時、悪魔は人に災いを齎す。

 

 ___だが、人との交友、人からの支配を受けた悪魔は、人に害を与えられない。

 

 ___仮に…人の支配を受け、人に災いを齎す悪魔が居たとしたら…

 

 ___きっと、悪魔に近い心を持つ人間が、人の皮を被っているのだろう。

 

 

 

 馬車が停止して、ダクネスが先行(エスコート)して馬車を降りる。

 

 お金を掛けたであろう立派な門を潜り、これまたお金を掛けた庭園を進む。随分と羽振りのいい領主らしいが、その者に関する噂は至極悪い。

 

 不健康、不気味、脱税、横領etc(エトセトラ)…良い噂などひとつもなく、更には女癖も悪いとのこと。

 

 もしも自分達に女としての値踏みされるような視線を寄越されたらと思うと、めぐみん達は震え上がり、ダクネスは違う意味で震え上がる。

 

 そして、玄関前で控えていた、アルダープに仕える執事がダクネス達を出迎えた。

 

 

「ようこそいらっしゃいました、ダスティネス…いえ、ダクネス様と、その御仲間様。私はアレクセイ・バーネス・アルダープ様に仕えるバトラスと申します。アルダープ様は既に客室にいらっしゃいますので、これよりご案内します」

 

「あぁ…一応、私達のパーティリーダーが遅れてくるのだが、来たら通して貰っていいか?遅刻は遅刻なのだが、礼装の製作に手間取ったらしく、な」

 

「なんと、自作の礼装でございますか。これはこれは…では、そのように。こちらへ」

 

 

 執事バトラスに案内され、屋敷へと入る。カズマ達が住んでいる屋敷と比べてかなり大きく、そしてやはりお金が掛かっている。

 

 高級そうな壺の横を何度も通り過ぎて、隙間なく敷き詰められている赤い絨毯の上を歩く。ダクネスは平然と歩いているが、めぐみんやゆんゆん…アクアでさえも緊張しながら歩いており、密かに横目で見ていたバトラスはクスリと笑っていた。

 

 そして、領主が待ち構える扉に前へと辿り着いた…。

 

 

「私の案内は、領主様の命令により此処までです。…お気をつけ下さい、領主様は最近になって活発に行動をし始めています。それも、ダクネス様、あなたの周囲で…」

 

「…それは、どういう」

 

「それでは…」

 

 

 それっきり、バトラスはダクネス達から離れる。バトラスの令はここで終わっており、後は執事としての持ち場に戻るためだ。

 

 取り残されたダクネスは、バトラスの言い残した言葉を思い返しながら考え込む仕草をする。だがすぐに顔を上げて、扉に手の甲を向けた。

 

 

「…考えても仕方がない、取り敢えずここの領主と対面しようじゃないか」

 

 

 コクリと頷いた面々を見て、ダクネスは扉に手の甲を叩きつける。

 

 「入れ」と扉の奥から聞こえるガラガラとした声。痰が喉に絡んでいるような声にめぐみん達は怯え、ダクネスは扉を開けた…。

 







 カズマの衣装どうしましょう…正直候補は決まってるんですが、どれにしようかと迷っています。

 二番煎じというか、二万番煎じのような展開ですが…まぁご了承くださいって感じです。

 では、次回もお楽しみに…
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