翔と申します。
よくオリジナルの小説は書くんですが、二次創作は初めてってことで至らない点などはございますが、どうか温かい目で読んでくだされば幸いです。
カラン、カラン
少し錆び付いたような鐘の音が、扉が開くと共に店内に鳴り響く。
すると、コーヒーや紅茶の芳醇な香りや一緒に食べているであろうスイーツの匂いが鼻に吸い付く。
「いらっしゃいませ!」
純白のカッターシャツにベージュの色の落ち着いたデザインのエプロン、胸のところに【羽沢珈琲】と書かれた茶色の刺繍がある。
そんな格好に身を包んだ茶髪なショートヘアの女の子が爽やかな声で出迎えてくれた。
ここは、羽沢珈琲店
「よう、つぐみ」
俺は、浪川陽介(なみかわ ようすけ)。
つぐみの幼なじみたいなものだ。
彼女とは幼稚園、小学校までは一緒で、つぐみが羽丘に中学受験してからは別々の学校になった。
でも中学では塾が一緒で両親も仲が良いうえに、近所なためなんだかんだで今でもよく会う仲である。
「あ、陽介くん!いらっしゃい!今日は何にする?」
透き通った声を持つ少女は、俺に問いかけてくる。
「あ〜今日はなんか甘いものが欲しいな、吹奏楽の練習で頭使って糖分からっきしだからさ......てなわけでいつも通りお任せでよろしく!」
優柔不断な返答をするのはいつものことだ、それに対する彼女の返答もいつも通り。
「も〜また〜? お任せお任せって、結構考えるの大変なんだから〜!」
そうそう、こういう感じの日常会話をするっていうのが喫茶店のいい所なんだよな。
「悪い悪い、でもここの品はどれも美味しいからさ、だから何出されても安心っていう信頼があるってことだよ!この店には」
少しだけはぐらかす様な言い方をしたが、言ったことは事実だ。
「.....そうかな?」
彼女の少し頬を赤らめたような表情に俺は一瞬硬直してしまった
(かわええ....)
「あ!すぐ作るね!」
切り出すように彼女は厨房へとせっせと戻って行った。
出されたチョコレートケーキとコーヒーを食べ終えると、会計を済ませ店を出る。
「540円になります」
つぐみが会計をしてくれ、俺は支払額と同じだけの現金を支払う。
「そろそろさ、この店もカード支払いも出来るようにしてくれないかな〜」
少しだけ、笑ったような声で俺は軽い文句を垂らす。
「文句があるならお父さんに言ってよ!」
頬を膨らませ、とても愛嬌のある顔を迫らせて彼女は俺に言ってくる。
「はは、そうしとくわ」
微笑し、俺は店を去ろうとする。
「私からも一応言っとくよ」
彼女がそう言うと
「おう、頼むわ」
俺は流れるように返した。
たわい無い会話を済ませ、俺は店を出てゆく。
「ごちそうさま」
「また来てね〜」
可愛らしい表情をした彼女が俺に手を振るのが見えた。
すると俺の少し顔か熱くなった。
照れてるのかな?
まぁ、実際のところ彼女に多少の恋心を抱いてるのは確かだ。
「ま、そんなことより今度の地区大会頑張らないとな!」
俺は吹奏楽、彼女はバンド。
交わらない2つの路線だからこそ、恋愛感情を忘れて練習に没頭できる。
だから、俺は吹奏楽を選んだ。
「でも最近なんか調子悪いんだよな、食欲もない時あるし」
少しだけ心配になった俺は治療を早く済ませ、練習に没頭出来るように早めに病院に行くことにした。
2日後
検診に来た俺に担当の医師の発した言葉に俺は戦慄した。
「すい臓がんですね。」
頭の中が真っ白になった。
これが夢だと思い込んだが、現実と分かって行くと夢であって欲しいという気持ちは懇願に変わった。
「でも先生、俺まだ16ですし治療すれば治りますよね!」
「........」
医師が口を開くことは無かった。
「先...生....?」
苦しげな表情をした医師がようやく口を開いた。
「普通のがんなら治る。でも発見の遅いすい臓がんは....しかも、進行がかなり進んでる。」
それでも俺はまだ自分に告られるあまりに残酷な現実に気付かないふりをして恐る恐る口を開いた。
「それ...は?」
そして医師が悪魔のような宣告をする。
「陽介くん。君は持って2年だ。」
浪川陽介16歳。
残酷すぎる、余命宣告を受けた瞬間である。
いかがだったでしょうか。
少しシリアス過ぎましたかね?w
次回はこのことを知った周りの人達の反応とかをストーリに組み込めればいいですかね。