最深の階層守護者   作:♘小太刀♖

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01 侵攻軍壊滅と階層降下

 とりあえず、迷宮を降っていく。

 90階層よりも下は800年ぶりぐらいになるのかな?

 まあ、そんな訳で道、わかりません。

 

 でも、そこは出来る私の部下セバ=スチャンのお陰で道に迷うことなく現在侵入している者たち近頃の攻略具合を考えて、40階層最果ての高原に侵攻軍が集まった。

 

「初陣の指揮は我にお任せください」

 

 片膝をついて頭を垂れる悪魔――90階層守護者ウォーロックが言ってきた。

 迷宮主の命令に素直で私の次に誕生した古き友人。全ての環境、気候に合うように姿を変える特殊能力、あらゆる言語と分野に精通している叡智。

 

 うん、私よりも適任だよね。

 

「じゃ、よろしく。あ、お菓子屋を壊したり、作り手は厳罰を持って対処するからそのことを周知させておいて」

「……すまないが、それは無理だ」

「どして?」

 

 丁寧な言葉ではなくなったことに対してではない。

 あれ? そんなことよりも、周りを見てみると失神している輩がいる。

 集合して間もないのに、壊滅しました……勇者でも来たのかな?

 

「主よ、殺気を抑えてください」

「……はい?」

「主の重圧によって、軍は壊滅致しました」

 

 ……どうやら、犯人は私みたい。

 

 ――てへっ。

 

「あーー、うん、どう消えた?」

「……こちらで何とかしておきます」

 

 流石出来る執事。私の失敗をどうにかする術を思いついたみたい。

 

「えーっと、そうそう。どうして無理なの?」

「ああ、まず第一に、お菓子屋がどこにあるのかがわからない。作り手も同じだ。どこを基準にして――」

 

 ん? どしたの? ウォーロックの顔は蜥蜴とバッタを合わせたような風貌だから表情はわかりづらいけど、何か驚いているような気がする。

 ウォーロックの視線の先では泡を吹いて全滅した侵攻軍がセバ=スチャンの転移魔法によって何処かへと消え、そして別の物が出てくる。私のペットが。

 

「主よ、お待たせしました。犬っこ達であれば問題はないでしょう。ついでに画家ファンデーを連れてきました」

「ファーが?」

「はい。外へと出るとのことで、アイデア集めのために連れて行って欲しいとのこと。いかがでしょうか」

「んー、ウォーロックの指示に従うように言っておいて」

 

 私が指示をするよりも有能ウォーロックが直接指示をした方がいい。

 

「えーっと、なんだっけ?」

「あ、ああ」

「主よ、そろそろお時間です」

「あれ? 今日って何かあった?」

「はい、ゼウス様とオーディン様による一騎打ちが間もなく開始されます」

「あっ、そっか! そう言えば今日だったね。じゃ、ウォーロック、あとは任せたよ。料理人やら畑、都市機能は残しておいて」

「わかった」

 

 

◇◆◇

 

 

「すまない。助かった」

 

 ウォーロックは近い未来を視ることが出来る魔眼を持っている。下手をすれば殺されていたかもしれない。迷宮の機能によって死んだとしても生き返ることが出来る。

 

「いえ、お礼を言われるほどのことではありません、ウォーロック様。私の役目は主の補佐であり、主のお望みを叶えることであります。その経過は礼を言われることではありません」

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