ここは焔の大陸の最南端、ザンゾ村。
この村は海に面しているため漁猟ができる。
しかしこの村に来る手段は船では不可能に近い。
尖った岩が同じ高さで囲んで出来ているため、陸路の手段になる。
陸路の手段と言ってもこの大陸は未開の大陸なため、獣道としか呼べないのだが。
そんな大陸に住む村人はさぞ苦労しているかと思うのだが……。
「おおうつぼが出たぞー!」
村人の1人がそう叫ぶ。
「任せろ!」
緑色の鱗を纏い角を生やした男が躍り出る。
その後ろには黒いローブを纏った男が指示を出す。
「ドラコ!灼熱だ!」
「火加減は?」
「任せる!」
それを聞きおもいっきり息を吸い込み、灼熱の業火を噴出す。
「ギシャアアアアッッッ!!!」
火が身体中を包み込む。
しかし、水に飛び込み消火されてしまう。
「むう。」
「仕方無い、魔物状態になってくれ。」
「あいよー。」
返事をすると、青年の体が見る見る変化していく。
そして、身体が人の形から龍の形になった。
「ゴガアアアアッッッ!!!」
勢い良く羽を羽ばたかせ、水中目掛けて滑空し、おおうつぼの胴体を掴む。
「そのまま外に飛ばせ!」
「グルアアアッッ!!」
ブォンッ!
そんな擬音を聞こえるくらいのスピードで尖った岩を通り越しておおうつぼは投げられた。
その光景を見ていた村人は何時もの事だなと考え、作業戻った。
村の森から1匹のスライムが薪を背負って出てくる。
薪は紐で括られており、それを3つ乗せていた。
その後ろから青年が出てくる。
黒髪の短髪、黒目、肌色の青年だった。
「今日も大量だな。」
青年はスライムに言う。
スライムは背負いながらも頷いた。
そして村に帰る。
村の老人が青年達を見つけて挨拶を送る。
「おお、流浪にスラト!お疲れ様じゃな。」
「気にするなよ、これが俺達の仕事だ。」
そう告げるのは、流浪・N・ナミサキと言う名の青年だった。
その相棒のスライムはスラトと言う。
「そうそう、ロジャー様が呼んでおったぞ。」
「ロジャー様が?」
スラトも首を傾げる。
ロジャーとはこの村の長で、魔物使いだ。
奥さんと子供が大勢居るのだが色々と割愛する。
「やれやれ、何の用なんだか……。」
スラトもやれやれと言った感じだった。
そんなこんなでロジャーの家に着いたのだが。
「どうしてこうなった。」
目の前にはロジャーの魔物、メタルハンターのメッタンとスラトが戦っていた。
スラトは身体を伸ばして突撃するが、硬いので弾かれる。
メッタンは身体の機動力を生かし、高速で移動をしながらナイフを振り回す。
「スラト!距離を取れ!」
その言葉に距離を取るスラト
「真・スラストライクをぶちかませ!」
「ピキー!」
普段は無口な彼が雄たけびを上げ、気合を入れた。
テンションは最高潮だった。
メッタンは何かを感じ取ったのか、逃げ出すが
スラトが物凄い速さで身体を伸ばし、スナイパーよろしくの命中精度を見せ、跳んだ。
ズバァンッ!
メッタンは森まで吹っ飛ばされた。
「………お前って規格外だよなぁ。」
呆れた口調でスラトを見た流浪だった。