育て屋さんは副業に勤しむ。   作:バクバク睡睡

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今更ですがここでの小説投稿始めてなんで色々手間取ってます。
そして気分屋なんで更新遅めです。

あと先に弁明しときます。
ワタルのこと嫌いじゃないです、寧ろ好きです。


ワタルに会うと一回はイラァとする。

「客来ないね〜」

「ミ〜」

 

カウンターでぐで〜とダラけきっている私とシェイミ。

普段から客がすごい来るわけではないのでこれがこの店の通常運転。

まぁ、トキワシティの外れにあるからしょうがない。

 

全然客は来ないが店番はしなければいけない。

私は何か暇つぶしになるものはないかと考える。

 

「そうだ、写真整理でもしますかな」

 

私は部屋にノートパソコンをとカメラのSDカードを取りに行く。

私は収集癖があるので部屋には物が溢れかえっている。

そのため仕事用やよく使うものと趣味のものは分けて置いてある。

それでも部屋はごっちゃごちゃなのだが。

まぁ、置いた場所は覚えてるから何の問題もない。

目的の物をすぐ見つけて私は店のカウンターまで戻った。

 

「あれ、なんか増えてる」

 

私が出て行った時はシェイミしかいなかったのにカウンターの周りに他のポケモンが増えていた。

 

「おー、フタチマルどったどった〜」

 

足をゲシゲシ蹴ってくるフタチマル。

ミジュマルの頃からよく足を蹴ってきた。というか、出会い頭から蹴ってきた。

最初は喧嘩売ってるのかと思ったが今ではわかる。これは構っての合図。

撫でてやるとそれはそれは嬉しそうに目を細めらから間違ってないはず。

 

片手はフタチマル、片手はパソコンを弄る。

昔はパソコンの使い方がわからなくてグリーンによく泣きついてたなぁ。

文句言いながらも同じ質問も何回もちゃんと説明してくれるあたりグリーンは優しい。

今ではその甲斐あってパソコンはそこそこ使えるようになった。

 

「えーと、パスワード入れてー、SDカード入れてー。

お、見れた見れた」

 

ブワーとパソコンの画面に画像が出てくる。

店の牧場で撮ったの、プライベートで撮ったの。

これらを整理していい感じの写真を残しておく。

その写真はちょいちょいブログみたいなのに載っけたりする(主にグリーンが)

そして、たまに本になったりする。

その本を見た人が私に写真の依頼をしてくれたりと中々いい副業なのだ。

 

「お、これよく撮れてるじゃん。

ねー、フタチマル?」

 

フタチマルにパソコンの画面を見せる。

フタチマルがバトル中に繰り出したシェルブレードの煽り構図。

綺麗でかっこよく撮れた写真はフタチマルも気に入ったのか爛々とした目で写真を眺めている。

 

フタチマルの頭を撫でながら写真をまたスクロールしていく。

結構フタチマルの写真が溜まってきた気がする。

これぐらい写真があるなら自費でフタチマルの写真集でも作ろうかな。

一冊作るぐらいならちょっとおやつ買うの我慢すればいいだけだし。

そういえば、キュウとコンのを自費で写真集を作ったことあるなぁ。

ブログでちょろっと紹介したら評判よくてそのまま商業本として売られることになったっけ。

 

「あー、これいい感じに撮れてるけどシェイミ写ってる…」

 

ナナ…ナントカさんにシェイミのことを公に出すなと注意を受けているのでこの写真は使えない。

加工すればシェイミを消せないこともないけどそういう加工はあまりしたくない。

どうしてもその写真が使いたい場合は切り取ったりはしているけど。

 

 

 

チリリ〜ン

 

 

 

店の扉に取り付けられたチリーン風の鈴が音を鳴らす。

 

「いらっしゃ〜…て、あなたですか」

 

マントをはためかせ来店してきたのはカントーチャンピオンのドラゴン使い、ワタル。

すごい人だとはわかっているのだが、なんだか、うん、よく会うせいかな?

お客さんじゃなくて、ついがっかりしてしまった。

 

「あからさまに落胆した顔をするね」

「ありゃ、顔に出てました?

あ、カイリュー、こんにちは〜」

 

扉の向こうに待機しているカイリューに手を振ると嬉しそうに振り返してくれた。

あー…かわいいなぁ…

 

「で、ワタルさんは何しに来たんです?」

 

ワタルさんが育て屋にポケモン預けるなんてしないだろうな。

この人の場合、自分で育てた方が確実だろうし。

 

「これといった用はないが…

うん、なんとなく来た」

 

おいおい、それでいいのかチャンピオン。

なんだ?チャンピオンは暇業なのか?

なんだよ給料貰っときながら仕事ないのかよ。

 

「ここ、育て屋なんでポケモン預けないなら帰ってくれます?」

「ここに来ると落ち着くんだよ」

 

人の話聞いてます?

あからさまにブスーとしているとワタルさんは苦笑した。

 

 

「分かりやすく不機嫌になったね…

ちゃんと用があって来たよ。

 

実はこの子を預かって欲しいんだ」

 

ワタルはモンスターボールをカウンターに置いた。

ボール中を覗き込んで見ると中にはヨーギラスがいた。

 

「この子、トレーナーに虐待されているところを保護したんだが…

そのトレーナーに相当な仕打ちをされていたのか、ひどく人を怖がっていてね。

こうしてボールに入れてないと近寄ることもできなくて。

俺たちではどうしようもできなくてな。」

 

ワタルはヨーギラスが入ったボールを撫でる。

 

「手をこまねいている時にサクラのこと思い出してね。

サクラはポケモンに好かれやすいから、このヨーギラスもどうにかできると思って。

というわけでここに来たんだ。」

 

この育て屋はトレーナーからポケモンを預かって育成する以外に育てられなくなったポケモンや保護が必要な野生のポケモンを預かったりもしている。

そしてこうして預かったポケモンは縁があれば里親に出したり、トレーナーに渡っていく。

 

「まぁ、ここは育成以外にもポケモンの保護もやってますからね。

育成ではなく保護ということで育て屋として預かることでいいですか?

あ、ボランティアじゃないんで金取りますから」

「がめついなぁ」

 

あ、た、り、ま、え、だ!!!!

こちとらカビゴンの食費でカツカツなんだよ!!

取れるものは取ってやる!

それでもう一匹、保護ポケモンが増えるなんてたまったもんじゃない。

 

「…ぼったくりはしませんが一週間分の食費はもらいますよ」

「ちゃんと食費は払うからそんな顔するな」

 

ワタルさんはそう言って私の眉間をつつく。

いけない、いけない、イラつきが眉間の皺に出てしまっていたようだ。

普段はイラついたり、不機嫌になっても顔に出ないのにワタルさんの前だと表に出てしまう。

 

 

「とりあえずヨーギラスのことよろしく頼む。

もし何かあったら電話してくれ。

それじゃあな」

「おい!待て、ワタル!!」

 

 

ワタルさんはそそくさと店から出て行った。

まだ聞き足りないし、言い足りない私を一度も振り返らずにカイリューに乗り込んだ。

カイリューはワタルが乗ったのを確認すると私に手を振ってから飛び立って行った。

 

「このやろ〜…

ろくな説明せずに置いてきやがって…!」

 

ヨーギラスのこと大まかにしか説明していないワタルさんに戦慄く。

 

「ミィミィ」

「おう…そうだな。

落ち着け落ち着け、クソッタレ」

 

シェイミに宥められて落ち着こうとするが気分が落ち着いても口の悪さは直らない。

ワタルと会うと絶対口が悪くなるのホントどうにかせんと…

 

吸って、吐いて、吸って、吐いて。

何度か繰り返すうちにイライラは消え、いつもの穏やかな気持ちが戻ってきた。

 

 

 

「ふぅ、よし。

店閉めたらヨーギラスの寝床作らんとな」

 

カメラを起動させてモンスターボール内で眠るヨーギラスを写真に収めた。

 

 

 

 




ポケモンたくさん出てくるんで主人公の手持ちわかんなくなると思うんで書いときます。
・シェイミ
・キュウ(アローラキュウコン)
・コン(キュウコン)
・フタチマル
・カビゴン
・???(のちに出てきます)

他に出てくるのポケモンは預かってたり、勝手に住み着いたり、両親の手持ちだったりします。
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