お気に召さないひとは直ちにバックをオナシャス!
海鳴市の閑静な住宅街の一画。
ここに一軒の民家がある。
守護騎士達の住居だ。
守護騎士の生態はそれほど知られていない。
今回はその守護騎士達の日々に迫ってみよう。
守護騎士達の朝は早い。
主である八神はやての声と共に起床し、リビングへ向かう。
時間は午前7時。
この時間に朝食をとることは、八神はやてとの数少ない約束のうちの1つだ。
朝食は全て八神はやてが作っている。
守護騎士達は料理が苦手だ。
得手不得手というものがある。これは仕方ないことだ。
朝が早いせいか、守護騎士達の目はほとんど開かれていない。
昨夜は守護騎士内でのゲーム大会により、今から2時間前まで白熱していた為だ。
八神はやてはそれに参加していないし、知らされていない。
八神はやてはまだ9歳。成長期である彼女には不眠は毒である。守護騎士達はそれを危惧したのだ。
主を想う守護騎士の、当然の配慮である。
全員で手を合わせ、いただきます、と声を揃える。
「今日はみんな、どうするつもりや?」
八神はやてが守護騎士達に問う。
主が臣下である守護騎士達の動向を知るのは、重要な仕事だ。
ここで、守護騎士達を紹介しよう。
「新装開店があるので、そこへ。今日こそ5万発出してきます」
パチンカスのシグナム。
「私は今日こそ翠屋のスイーツを制覇してくるわ!」
スイーツ(笑)のシャマル。
「あたしは夕方からアリサん家行って来る。それまでは寝てようかな」
最終学歴なし、ヴィータ。
「カラオケでコールの練習をしてきます」
王国民のザフィーラ。
この物語は、そんなニートな守護騎士達と、彼女達の主、八神はやてとの心温まるハートフルストーリーである。
第1話
モノローグ代わりました。八神はやてです。
世間の人は、わたしの家族をニートニート言いますが、わたしは皆のこと、大好きです。
「ただいま戻りました。主はやて」
出かけていた4人の家族のうちの一人、シグナムが帰ってきました。
「おかえり、シグナム……ってどうしたん、元気ないやん?」
普段は姿勢良くピシッとしてて、「カッコいい」ってイメージの強いシグナムやけど、今は下を向いたまま。
ちょぉ心配です。
「すみません主。100万ほど貸していただけませんか?」
やっと口を開いたシグナムがそう言います。
シグナムはパチンコ? が好きなそうで、よく10万円くらい持たせることがあります。
大人の遊びっちゅうんは、お金かかるんやなぁ。
でも100万円というのは初めてです。
どうしてそんなに必要なのか聞きます。
シグナムはパチンコの機械を殴って壊してしまったそうです。新しい機械だったそうで、改めて買うには100万円かかるそうです。
パチンコの機械って高いんやなぁ。
「あかんでシグナム。人様に迷惑かけたらあかんってゆーたやろ?」
「すみません……甘デジで800ハマリは許せなかったんです……」
シグナムの言うことは時々分かりません。
わかりませんが、人に迷惑をかけるのはいけないこと。しっかり叱ります。
コレも闇の書の主の仕事です。
「もぅ……またやったらあかんで。 約束できるか?」
「はい。我が剣にかけて」
反省したようなので許します。
にしても、100万円かぁ。銀行に下ろしに行かなあかんか。
「シグナム、銀行連れてってくれるか? お金下ろさな、足りんねん」
「わかりました。行きましょう」
そんな私とシグナムの、1日でした。