主はやてとニートな守護騎士達   作:Vitaかわいきつら

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まだ天使だった頃のヴィータ。


第0.5話 ヴィータ、友達に出会う

「何か好きになれることを見つけてこい」と新しい闇の書の主、はやてからの命令を受けてあたしは商店街にいた。

 

今までの主はいけすかねぇ奴ばっかりだったが今回はちょっと違う。なんつーか、あたし達に対して優しいって言うのか? 少なくとも服とか人形を買ってくれたりギガウマな飯をくれたりはしなかった。

だけど、今回みたいに選択の自由を迫られるとちょっと困る。今まで命令が全てだったあたし達には戦闘や蒐集に関係すること以外で「自分で判断すること」を決めるのは苦手、なんだと思う。シグナムなんかは早くも好きになれるもんを見つけたみたいだけど。

 

「お?」

 

そんな中、たまたまショーケース置かれた物――呪いウサギ、だったか。それが目に映った。

じっと見てると、自然と頬が緩む。今まで多くの世界や物を見てきたがその中でもギガ可愛い部門第1位だ。

こういうのを集めたりするのは、主の言う「自分の好きなこと」に入るのだろうか?

 

「……よし!」

 

主に貰った金を握りしめ、あたしは店の中へと進んで行った。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

目当ての人形を買い、紙袋の中には小さなそれが2つ入っている。頭にはノロイウサギの髪止め。あたしが買ったのは人形だけだったが、店にいた奴が何故かくれた。貰えるものは貰っておこうと思う。

 

「ありがとうございました」という言葉を背中に聞き、自動ドアが開くと。

 

「へぇ、可愛いわね」

 

「うん、可愛いねぇ」

 

あたしより少し大きい――主と同じくらいだろうか。2人の少女がさっきまでのあたし同様、ショーケースの人形に釘付けになっていた。

なかなか見る目があるな、なんて思いながら横を通り過ぎようとすると、あたしにある考えが思い付く。

 

――こいつらの「好きなこと」はあたしのまだ見ぬ「好きなこと」に近いかもしれない。

 

何しろこのノロイウサギの可愛さが分かったのだ。こいつらのセンスは中々良いのだろう。

一つ「好きなこと」は見付かったけど、コレが主の気に召さなかった場合を考えると、いくつか用意しておいたほうがいい。

仮にこの2人の「好きなこと」があたしが気に入らなくても、また別の、ノロイウサギ好きな人間を参考にすればいいだけだ。

そうと決まれば行動だ。観察しやすい場所を常に確保し、移動を続ける2人の後に着いていく。

何か行動、しないかな。

 

 

◇◇◇◇◇

 

移動を続け、早10分。

どこかへ向かっているようではあるが、特にアクションはない。

自宅へ向かっているのだろうか、それならばそれでいい。家にならば何か参考に出来そうなものもあるだろう。

だんだん商店街からは遠ざかり、薄暗い林の近くまでやってきた。

 

――すると。

 

突然黒い大きな車が走ってきて、2人のすぐそばで止まった。中からは大柄な男が4人飛び出してか、あたしの観察対象の少女達を攫って行ってしまった。

主はよくあたしに「怪しい人に着いていかないように」と言うが、あいつらはその「怪しい人」なのだろう。せっかくの観察対象を連れ去られてしまったではないか。

 

――上等。あたしの獲物に手を出すたぁ、良い度胸だ。

 

相棒であるアイゼンの名を呼び、鉄槌を生成する。

そして人の獲物に手を出したバカどもに痛い目に合わせるために飛翔した。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

バカどもを気絶させるのに苦労は無かった。

車を止めて、飛び出して来た奴らに魔力弾を打ち込む。あたしにナイフを突き刺そうとしてきた奴にはアイゼンで打っ叩いた。それで終わり。

 

さぁて、観察を続けるとしよう。対象の2人に目を向けると――。

 

 

「……アンタ、いったい何者なの……?」

 

 

……ばっちり、目が合ってしまった。金髪の少女のその目には怯えが隠れる様子もなく現れている。怯える金髪の少女の前には紫色の髪の少女が守るように立ちふさがり、同じく怯えた様子は隠しきれていない。

 

尾行はこれで終わり、だな。

 

空へと駆け出すあたしに、後ろからなにやら声がかけられたが風の音に遮られた。

 

……そういえば、この世界は魔法が無いんだっけ。主に怒鳴られてしまうかもしれないな。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

数日後、この間と同じように新たな観察対象を探しているとき。

 

「……やっと見つけたわ」

 

現れたのは先日の少女2人。

どういう心境の変化か、目に怯えは見られない。

すると、2人はばっと頭を下げ、ありがとう、ごめんなさいと立て続けにいった。

 

悪漢共から救ったことに対する感謝と、そんなあたしに怯えてしまった謝罪、だそうだが。

こいつらの為にやったことではないし、怯えられることなんてしょっちゅう……というより、いつものことだ。気にしない。

 

だが。

 

お礼に、少女達に出来ることならなんでもするという申し出は有難い。ちょうどあたしも困っていたところだ。

 

お前達の好きなこと、教えて貰おうか。

 




久々の投稿。
アリサとすずかはヴィータが魔道士であることを知ってる設定で。なのは達はお互いに魔法の存在を隠しあってます、という二度と使われないだろう設定。

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