GMOD 彼の地にて、斯く戦えり   作:COTOKITI JP

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(イタリカ消滅回避ルート)Epic Sax

「いや、やっぱりデイビー・クロケットはよそう。 威力が高過ぎる」

 

無いに等しい頭から奇跡的に正解を導き出す事に成功したニコライは別のアドオンから武器を取り出す事にした。

 

"それ"を右手に持ったニコライは当たり判定無しでイタリカの門前まで飛んでいき、武器の効果範囲内まで接近した。

 

「な、なんだありゃあ!?」

 

「新手か!?」

 

「空飛んでやがる!」

 

盗賊達の後方で浮遊しているニコライを盗賊達や民兵、女騎士らしき者達が貝のような口で見つめていた。

 

盗賊と城壁の守備兵が警戒する中、ニコライは右手に持っていた"それ"を構え出した。

 

それは金色のブブゼラの形状をしており、到底武器には見えなかった。

 

「一体何をしようというのだ……?」

 

城壁からは赤髪の女騎士が怪訝な表情でニコライがブブゼラを構える様子を見ている。

 

そして、ブブゼラを口に咥えたニコライは思い切り息を吹き込んだ。

 

最初は何ともなく、ただブブゼラから発せられるとは思えない聞いたことも無い曲が流れ続けるだけだったが、5秒程経つと門前にいた盗賊達が突然発火したのだ。

 

「あっ!?ああああああああぁぁぁっっ!!!熱い!!誰か助けてくれぇ!!」

 

突然の出来事に盗賊達は対処できず、次々と発火する仲間を狼狽えながら見るだけだった。

 

「うわぁ!?何が起きてやがんだ!?」

 

演奏開始から僅か十数秒で盗賊達は火の塊と化し、断末魔や助けを求める悲鳴にも近い声が合唱の如く響き渡った。

 

「何が起こっ━━━━━━━」

 

全身火達磨になった盗賊がのたうち回っていると、その盗賊が突然爆発四散し、肉片と共に爆風を発生させ、周囲の盗賊を吹き飛ばしたのだ。

 

この武器の名は「Epic Sax」。

 

Epic saxを使用すると範囲内にいる植物などを除く全ての生物を発火させる。

 

しかし、効果はそれだけではない。

一定時間燃え続けた生物は爆発するのだ。

 

そしてその爆発の威力は手榴弾並。

 

こんなイカれた攻撃が門前にてひしめき合っていた盗賊達に行われていたのである。

 

勿論密集した盗賊達は炎上と爆発によってたちまち全滅した。

 

残されたもがいていた盗賊も終いには爆死し、イタリカの門前には焼け焦げた盗賊達の死体によって埋め尽くされており、異臭を撒き散らしていた。

 

「ふう、こんなもんか」

 

Epic saxをツールガンで削除すると城壁の真上まで移動し、当たり判定無しを解除して赤髪の女騎士、ピニャ・コ・ラーダの右隣に降り立った。

 

「………………」

 

「……ん?」

 

ピニャと城壁の守備兵は呆然とニコライを見つめており、それをそりゃそうかと思ったニコライは静まり返ったイタリカの城壁にて取り敢えず左隣にいたピニャに声を掛けることにした。

 

「привет там! ご機嫌いかがですう?」

 

そして、後でやってきた伊丹達は門前の異臭によって吐き気を催し、それを見たピニャがドアを勢いよく開けたせいで伊丹が負傷、エルフの娘に説教を受けるのだった。




何気にEpic saxの曲好き。(元ネタは知らない)

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