目を覚ましてからは、すでに日が暮れていた。
奈々さんが話すには私は優しい表情で寝ていたとのことだった。
後、寝顔がとても可愛いとも言ってくれた。正直、寝顔を見られてたと思うと恥ずかしい。
ここはどうやら人里と言われる村みたいなとこらしい。
それで、私達がいた森は妖怪の山という危険な所という事を聞いた。
何でも烏天狗なる妖怪がそこ収めているとのことで、いろんな妖怪が住んでいるらしい。何でそんな危険なとこに居たかと言うと…
奈々「知り合いの人が神社の巫女をやっているから会いに行っていたのよ。それでただ行くのも申し訳ないから山菜でも取っていこうと思って」
らしい。
しかし、妖怪に襲われた所で私に会ってから、私が倒れたので神社まで運んできた様だ。私達は巫女の助けによって何とか山の麓まで案内してもらって帰り着いたとのことだった。
それから、私は頭痛や体の痛みが徐々に取れていった。今では元気に走ることも可能なまでに回復している。そんな私は散歩がてらこの人里を散策していた。活気があっていい街だなと思った。それから亮太さんの所で畑仕事も手伝っていた。私は持ち前の腕力でテキパキと仕事をこなしている。今は家族団欒の食事嗜んでいる所だった。
良太「いや〜、君が来てからと言うもの助けてもらってばかりで申し訳ないなぁ〜」
??「そんなことないですよ。私もここに住まわせて貰ってるのに何か手伝わないと、申し訳ないですよ。」
奈々「そう言って貰えると助かるわ、この人いつも危なっかしくて心配だもの。でも貴方が側にいれば安心できるわ」
良太さんの無茶は私が畑仕事を手伝う様になって最初に思い知らされた。土を耕す量や運ぶ量やら、何から何まで忙しい上に広さは普通の畑よりも、ふた回りほど大きなものである。それを1日の休みもなく仕事してればあれだけの腕っ節にも納得した。
奈々「そうだ!明日、貴方にあってもらいたい人が居るの。」
??「あってもらいたい人?」
誰だろう、寺子屋の先生をやってる人なら、この前、人里を散策してる時にあったけど…
奈々「この前、私が神社の巫女さんに会いに行ってた話をしたでしょ?そこの神社の人に挨拶とお礼も兼ねてね。大丈夫!今度は向こうからこっちに来てもらう事になってるから。」
奈々さんはこう話すが私は不安があった。それもそのはず、つい最近に妖怪と呼ばれるものが人を襲った世界にいるのだ。その神社の人も襲われる可能性がある。
??「その人は森の中でも大丈夫なの?」
私が心配そうな顔をして二人に問い掛けてみたが、二人は顔を向き合ってから私に向き直して
笑いながら、答えてくれた。
良太「なんだ、お前、いっちょ前にあの人の心配をしてんのか?わっはっは、大した娘だよ!」
奈々「フフッ。本当に大丈夫よ。その人は妖退治の専門家なの。余程のことがない限り心配無いわ。」
そうなんだ。私は会ったことがないから分からないけど、そういう専門家なら安心だろう。
私もその人に助けられたのだから、お礼を言いたい。ちょっとだけ、明日会う人が楽しみだ、、、
***
次の日の朝…
今日は畑仕事も休み、しばらくの間は良太さんが、大丈夫と言っていた。何でも畑仕事の大きな仕事はひと段落したので、今度は収穫の時期まで定期的メンテナンスするだけでいいらしい。それでも一人でやるには重労働なのだが、良太さんは無理をしなくていいと私の体を気遣ってくれた。
そして今日は、例の神社の人に会う日だ。奈々さんが言うには私より2つ年上ぐらいの女の子もいるとか。
女性「すみませーん」
奈々「はーい。来たわね!じゃあ、ここで待ってて連れて来るから。」
私は小さく頷き、奈々さんが玄関に急ぎ足で出迎えに行った
女性「あ、こら霊夢!人様の家に勝手に上がり込んだら駄目でしょ!」
少女「お母さん、早く早く〜!」
誰かが居間に向かってかけて来る。
私は驚きながら、呆けた顔をして、その少女こと霊夢と対面した。
いずれ私が、霊夢の妹になることとはつゆ知らず…
***
霊夢「あなたが、おにをやっつけたって本当!?」
??「う、うん」
霊夢「すごいわ!わたしなんてまだ、妖精しかやっつけたことないのに!ねぇ、あなたのお名前を聞かせて!私は
なんかすごく元気のいい、女の子が私に絡んできた。でも、笑顔が可愛いからか、元気がいいからか、嫌な気持ちにはならなかった。
私は、自分が記憶喪失だということを、どう説明しようかと悩んでいると…
奈々「ごめんね、霊夢ちゃん。その子は自分の名前が分からないのよ。」
奈々さんが代わりに説明してくれた。自分のことを記憶喪失ですというのはちょっと抵抗がある。
霊華「ごめんなさいね、うちの子がいきなり話しかけてきて。」
すらっとした身長に腰にまである長い黒髪に整った顔をした女性が私に目線を合わせるように屈んで話しかけてきた。奈々さんとは違って、胸は少し小さいぐらいだ。
??「ううん。ちょっと驚いただけだから、全然気にしてないよ。」
霊華「あら、いい子ね、素直だし。霊夢とも仲良くしてくれる?あっ、私は
??「うん!」
そういうと私は霊夢に、手を引っ張られ、あっちで遊ぼうと言われ、走っていく。
***
霊夢達が遊んでいる間に、私は幼馴染の奈々に事の詳細を教えてもらうように質問した。
霊華「それで、あの子が本当に鬼を退治したの?」
奈々「ええ、私も木に縛られてたし、遠目から見ただけだけど、鬼が木の間をものすごいスピードで飛ばされているところ見たわ。霊華、あなたの力であの子が何者か分からない?」
う~んと霊華は思考を凝らす。見た感じ普通の人間の5.6歳の少女、霊夢より少し身長が低く、身体能力も少女のそれと全くいっしょ、元気なのに妖力も感じず霊力も感じない。もしかすると…
霊華「もしかすると、外来人ってのじゃない?」
奈々「外来人?」
霊華「そうよ、稀にいるらしいのよ。外の世界から突然この幻想郷に迷い込んでくるのが、それに外来人だったら、何かの力を持ってても不思議じゃないわ。まぁ、記憶喪失や最初のおびただしいほどの切り傷は何なのか分からないけど。」
奈々「ちょっと待って!外の世界から来たって…じゃあ、あの子はこの世界に来てからずっと一人だったってことなの!?それに不思議な力っtーーいたっ!」
少し落ち着けと言いながら私は奈々の頭を小突く。
霊華「まぁ、そういうところね。不思議な力に関しては、私でも分からないわ。詳しい人…いや、知り合いはいるけど…あれに頼み事はしたくないのよね…」
私は少し気まずそうな顔をした。
知り合いというのは妖怪の賢者、
旧知の中だし、頼めば、調べてくれるけど、借りを作るといろいろと面倒なのだ。
それに、奈々達は
私が気まずそうな顔をしていたら、奈々が申し訳なさそうに謝った。
奈々「そう…ごめんなさい、あなたには色々助けてもらってるのに…」
霊華「いいのよ別に。代りに今日はここに泊まらせてもらうことになってるし、あなたの手料理はおいしい物ばかりだから。」
昔に奈々の手料理を食べたことがあるが、とてもおいしい物ばかりでその時は自分が女ということも忘れて、食べていたことを思い出す。いや、というより、旦那の畑仕事で収入を得るより彼女の小料理屋なんかを人里で開けば、それこそもっと裕福な暮らしができるぐらいのものになるのでは?
奈々「またそんなこと言って、そういえば最近ろくなもの食べてないわよね?そんなんで霊夢ちゃん大丈夫なの?」
失礼な!これでも私は育児をする母親なのだ料理ぐらいできるし、霊夢もちゃんと養っていける…ご飯がおいしいかどうかは分からないけど…
奈々「あなたの顔見てると、霊夢ちゃんの今後が心配ね…」
霊華「そ、そんなことより、あなたのほうこそどうするのよ!?」
奈々「へ?」
奈々は呆けた顔をして、首を傾げている
(あー、可愛いけど、その顔は何も分かってないな…)
私は奈々の前に人差し指を立てて言った。
霊華「いい?あの子の両親は外の世界、しかも記憶喪失なら帰ることは、ほぼ皆無よ。元の世界どころかこの世界も碌に分からないからね。そんな状況であの子のこと、放っておくつもり?」
奈々「そう…よね。…うん…決めた!」
奈々が何かを決心したように俯いていた顔を上げ、霊夢達に視線を向ける。
霊華「そうよ、早いとこ預けるとこなり、慧音に相談しな「私が母親になる!」さ…い?」
うん?なんか奈々から変な単語を聞いたけど、母親?いやいや、そんなまさか?
私は恐る恐る奈々に問い掛けてみた。
霊華「ねぇ、今、母親になるって言った?」
奈々「ええ、それが?…それにあの子に名前がないのが、いつも不憫でしょうがなかったし、もう決めたから!」
はぁ…
奈々はいつも言い出したら止まらない頑固なのを思い出したわ。
霊華「分かったわ、幻想郷の管理人にも一応は伝えとくわ。それと約束して、あの子が危なくなっても必ず私を呼んで、危ない橋を一人で渡るのは駄目よ?」
奈々「分かってるって♪」
大丈夫かなぁ…
私が不安にこれからのことを考えていると、隣で奈々が先ほどまで家での中で遊んでたが、いつの間にか、外で遊んでる二人に向かって呼びかける。
奈々「霊夢ちゃ~ん!
次回は霊華たちが話している間の霊夢達の話です。