黄金体験のヒーローアカデミア   作:ジャギィ

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台風で雨風がすごいですね。皆さんも外に出かける時は注意した方がいいと思いますよ


ジョルノ・ジョバァーナの夢 その1

戦闘訓練を行った翌日、雄英に登校しているジョルノは校門が見えたところで嫌そうな顔をした

 

「…マスコミか…」

 

嫌そうな顔をした理由は、雄英の校門前で密集している記者やカメラマンの軍勢が原因だった

 

マスコミがいる理由は理解できる。今年から教師として赴任したオールマイトに関する記事を書く為にいるのだろう。しかし理解はしても納得できるわけではない

 

腐肉に群がるハエを連想させてくれるマスコミの姿に、ジョルノは朝から不快なものを見たと感じた

 

「あ!雄英高校の生徒ですね!?ズバリ聞きたいのですが、オールマイトの授業はどうなのでしょうか!?」

 

そして雄英の制服を着たジョルノを目ざとく見つけた女記者の1人が、遠慮なくジョルノに詰め寄る

 

コッ コッ コッ

 

そんな記者を無視して、ジョルノは学校に入ろうとする

 

「あのー!オールマイトに関して何か聞かせていただけないでしょうかー!?」

 

それでも記者はジョルノの前に回り込んで話を聞こうとする。粘り強いと言えば聞こえはいいが、ジョルノからすれば無駄にしつこいだけだ

 

「邪魔です」

「えッ」

「…どうやら記事にする言葉を聞く耳はあっても、自分に都合の悪い事を聞く耳はないようだな」

 

少し前まで中学生だったにしては高い身長のジョルノに見下ろされた女記者は思わず喉を鳴らした。それほどまでにジョルノの目は、この世の掃き溜めでも見てるかのような冷徹な目をしていた

 

ジョルノを知る者がこの目を見たら、本当にジョルノなのかと疑う事だろう

 

「2度、同じ事を言わせないでくださいよ………1度でいい事を2度、言わなけりゃあいけないってのは……そいつの頭が悪いって事だからです」

 

もう1度、警告の為にジョルノは言う

 

「登校の邪魔だと言ってるんですよ………3度目は言わせないでくださいよ」

 

それだけ言うと、ジョルノは茫然自失気味な女記者を放って学校の敷地内に入っていく

 

その直後、背後では校門を遮る巨大な壁(雄英バリアー)が展開されて記者達が締め出されたが、特に気にすることなくジョルノは先に進んだ

 

 

 

朝のホームルームは相澤の説教から始まった

 

「昨日の訓練のVTRを見させてもらった………爆豪、お前、もうガキじゃあねえんだ。次はもうやるなよ」

「分かってる……」

 

昨日の訓練で行った私闘に関して咎められた爆豪は、それだけ言うとムスッとした顔で黙りこくった。出会って間もないが、爆豪がどういう人物か知ってるA組勢にしてみれば驚く静かさだった

 

次に矛先が向くのは緑谷だ

 

「緑谷、お前もだ。いつまでもソレ(個性)を使えないってままじゃあいかない」

「……!!」

「使いこなせれば出来る事が増えるんだ……あせれよ、緑谷」

「ハイッ!」

 

説教、というより激励のような言葉に緑谷はしっかりと返事をした

 

「さて、早速だが今から()()()()()()()()()()()()()()…」

「やってもらう事…?」

「まさかまた個性把握テストみたいな事を──!?」

 

相澤のただならぬ雰囲気に、全員が息を呑み…

 

「………学級委員長を決めてもらう」

『学校っぽいのキタアアァァァァッ!!!』

 

しかしそこからのどんでん返し、学校らしい事が始まった

 

「リーダーやるやるッ!!」

「アタシやりたいーッ!!」

「オイラのマニフェストは女子全員膝上30cmに…ッ!!」

「こう言うのこそ俺だろ俺ッ!!」

 

そして、ジョルノを除いた全員が凄まじい勢いで手を挙げて、自己推薦をする

 

本来誰もやりたがらない役職だろうが、ヒーロー科となると話は別。人を引っ張っていくリーダーという役目は、トップヒーローとしての素質を培っていくことにつながるからだ

 

「静粛にしたまえッ!!」

 

しかしそこに待ったをかける者が。飯田である

 

「『多』を導く責任重大な「仕事」だぞ!それをただやりたいからと、簡単に決めて良いハズがない…………今こそッ!民主主義にのっとり、信頼たり得る真のリーダーを決める為……」

 

飯田の言葉を聞いた誰もが彼の方を向いて黙る。それもそのはず…

 

「──みんなで『投票』を行うべきだ!!」

「そういうあんただってそびえ立ってるじゃあないですか。なぜ投票を提案したんです?」

 

ジョルノの指摘通り、飯田もみんなと同じように手を挙げていたのだから

 

そして飯田が提案した投票に異議を唱える者が。ちょっとカエルっぽい見た目が特徴の女の子である蛙吹(あすい) 梅雨(つゆ)と、逆立った赤髪でいかにも「熱血!!」といった雰囲気の切島(きりしま) 鋭児郎(えいじろう)の2人だった

 

「日も浅いのに信頼もクソもないわ、飯田ちゃん」

「ンなのみんな自分に入れらァ!」

「だからこそッ!それでもなお選ばれた者こそ真にふさわしいと思わないか!?」

 

そう熱弁した飯田は、相澤の方を向き己の提案を主張した

 

「よろしいですか!?相澤先生!!」

「ちゃんと決まんなら何でもいいよ……()よ決めろ」

 

そんな熱意に対して、かなり冷たい相澤だった

 

そして5分後…

 

「僕3票────ッ!?」

「2票もぼくに入っているぞ……いったい誰が入れたんだ…?」

 

その結果は意外も意外、緑谷が3票と1番票を取ったのだ。2票ずつ取ったのがジョルノと八百万の2人、そして…

 

「…バカなッ…!?1票…!?いったい誰が…?」

「オメー別のやつに入れたのかよ………」

「投票提案したクセに何がしてえんだよ…」

 

1票だけ入っていたのが飯田だった。自分にも票を入れられた事を驚愕する飯田に呆れるクラスメイトであった

 

「そんじゃあ委員長は緑谷として、副委員長は…」

「すみません、ぼくは辞退させてもらいます」

 

相澤が副委員長を決めようとしたところで、ジョルノが辞退を宣言する。それにざわめくA組のみんな

 

「……これ以上、無駄な時間を消費するのは合理的じゃあないな。時間がない、放課後に再度結果を聞く…それまでに決めとけ」

 

相澤はその場を無理やり収めると、すぐさま授業を開始した




あとで調べ直すと、緑谷の3票って自分、麗日、飯田の3票だったんですね。てっきり緑谷は飯田に入れてたとばかり勘違いしてたので2票になっちゃってました。修正して1票になおしときました

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