プシュウウウウウウウ
「こッ………!!これがッ!「謎の正体」!」
敵を不意打ちを躱した爆豪と切島だったが、その攻撃によって、2人は縮みゆく部屋の中で敵のさらなる「攻撃」を受けていた
「傷つけた人間や物を、ビニールプールの空気抜くみてーにペシャンコにする個性か…!コロネ野郎を素早く奪えたのも
グシャ グシャ
敵の能力を把握した2人だが、すでに2人はグシャグシャに潰されて、扉どころかまともな隙間すらも失った部屋から脱出できない状況に陥っていた
「う」
硬化して、倒れ込んで来た空気の抜けた軽い壁を押し返そうとするが、吊り天井のように落ちてくる天井の重さに逆に押し潰される
「うおおおおおおおおおおっ!!?」
さらに硬くなって、つっかえ棒のように切島は天井を支え続ける
「ダ…ダメだ!ペラペラになって押し返せると思ったが、逆だッ!ここら一帯の支柱がなくなったせいで、ビル全体が押しつぶして来やがるッ!こ、このままじゃあ、お、俺たちは生き埋めになるぞ!」
「
「ハァ ハァ ハァー…ぐ…ぐぅ!」
無慈悲に押し寄せてくる重みに切島は呻く。このままではビルの下敷きになるのは時間の問題だった
ガチャ
好転しない状況に、爆豪はコスチュームの籠手を構える
爆豪の『爆破』は掌の汗腺から、ニトログリセリンに似た性質の汗を生成し、それを起爆させる能力。そして手榴弾の形をした籠手の中に汗を溜め込み、ピンを外すことで、対象の方向に向けて大規模な爆破を起こす事ができる
「待て、爆豪ッ!ハァー!ハァー!たしかにそいつならッこのビルを吹っ飛ばせるかもしれねえ…」
それを使おうとする爆豪だが、切島が大声で止める
「でも、出来なかったらより状況がマズくなる!しかももうここはメチャクチャせまいッ!最大火力でブッ
手足は震え、珠のような汗を流す切島は、視線を横道に移す
「さっきの廊下に爆破で穴を空けて戻るんだッ!!支柱を失ったのがここだけだということは、言い換えれば、この部屋を脱出できれば敵を追いかけられるッ!!」
さらにのしかかるビルの残骸に、切島の
だが、爆豪はうつむきながら動かない
「早くしろ爆豪!!もうそろそろ限界が」
「知ったこっちゃあねェな」
ガコン
爆豪はそう吐き捨てながら音を鳴らした
その音は、籠手の安全装置を外す音だった
「何やってんだァ──────!!?」
直後、轟音がビルの中で爆ぜた
ドオォ───ン……
重く響く爆音と共に、ビルが崩れ落ちて瓦礫の山に成り果てる
「最後っ屁で何かを抵抗したってところか〜〜〜?まあ、意味はなかったみたいだけどなあ〜」
カメレオンのしっぽのような巻いた髪の毛がトレードマークの男が、崩れるビルを双眼鏡で見ていた
男の名はズッケェロ。今回、ジョルノ・ジョバァーナ捕獲の依頼をある人物から受けたチンピラである。だがズッケェロは裏では名の通った人物であり、下手なヴィランよりずっと厄介で強力なチンピラなのだ
「これで報酬の6億はおれの物…フヘヘっ、そんだけのカネがありゃあ何が買えるかな…沖縄とかハワイにオンナ
ズッケェロはすでに報酬をもらった気分で、懐にあるペラペラの状態のジョルノを取り出す。足元には、レイピアで一刺ししたあとが残った靴が転がっている
「まさか
「だが」と口角を上げ
「しょせんはガキだな。
ズッケェロは、爆豪たちがズッケェロ自身ではなくジョルノを追跡している事に途中で気づいた。ゆえにジョルノをトラップとして利用し、爆豪たちに不意打ちをしかけられたのだ
「ガキは始末したッ!ターゲットも捕らえたッ!あとはこの場を離れるだけ…」
しかし、ズッケェロは崩壊したビルを一瞥して、何か違和感を抱いた
「………」
双眼鏡で細かく、そしてじっくりと観察していると、ズッケェロは不思議な事に気づく
ジョルノたちがいたビルはかなり大きい建造物であった。それが全て崩れたとなれば、瓦礫の山も相応に高いはずなのだ
だが
「な〜〜んか……瓦礫の山、『小さくねぇ』か?」
ズボォ ガシィッ!
その瞬間、突如地面から生えてきた右手がズッケェロの足首を掴んだ
「………?」
あまりに唐突な出来事に事態を把握できてないズッケェロ。続いて左手が地面から現れ、鋼鉄並みの硬度の腕で地面を掘り返す
「爆豪…おまえってやつはスゲェよ…」
「!!」
「とっさに地面から下を爆破で掘りえぐって脱出するなんてな…瓦礫同士が引っかかったからすぐ穴に落ちてくる事もなかった…」
そして、掘り返した地面から出てきたのは…全身を硬化させた切島鋭児郎の姿だ!
「そして今ッ!!地面を掘り進んだおかげで、おまえを捕まえる事ができたぞッ!」
「な、なんだとォォォォォッ!?」
ズッケェロは驚愕した。まさかそんな、
(ありえねえ…!地面を掘って逃れるなんて!瓦礫の山が小さかったのも、ほとんどが脱出の為の穴に落ちたからか!)
「だがッ!」
シャキィィ……ン
しかしズッケェロはすぐに片方だけ穴の空いた柄だけの物体を取り出す。するとギミックが作動し、穴から突剣が飛び出すように現れ、柄はレイピアへと変わる
「このおれに近づくとは、やはりガキッ!」
そして切島を無力化する為、レイピアを突き立てる
バッキャア!
だが、突き刺すよりも先に硬化した拳のパンチで真正面からレイピアをへし折られる
「!? エ?」
「オラァ!!」
ボギャァァ!
「ぶげぇーッ!?」
続く右フックを頰に受けたズッケェロはそのまま地面に倒れる
「爆豪の予想はあってたな。おまえの『個性』は刃物を使って傷つけないと発動できないみたいだ。そうじゃあなきゃ、
「こ、このガキィ〜〜〜〜〜〜!ハァー ハァー」
ピンチになった事で息が荒くなるズッケェロ。ペラペラのジョルノを取り返した切島はズッケェロのうしろに視線を移す
「俺がやるのはここまでだ。とどめは任せたぜ……「爆豪」」
ザンッ ザン
「ハッ!」
「てめ〜〜クソモブヴィラン風情がよォォ〜………ずいぶんナメたマネしてくれたじゃあねェか……」
土を踏み進む音に振り向くと…そこには影で顔の隠れた爆豪がズッケェロに近づいていた
爆豪の声音は落ち着いていた……非常に落ち着いている
しかし切島は気づいていた。その落ち着きは、大嵐の前の静けさだという事に
「おい〜〜〜〜〜〜〜〜 覚悟はできてんだろうなああああああああ」
「……………」
凄む爆豪に黙りこくるズッケェロ
ズバァッ
「きゃはははあ──ッ!」
そしてブーツの仕込みナイフを出して、間合いまで近づいてきた爆豪に蹴りつけた
しかし、切島以上の反射神経とセンスを持った爆豪が反応できないわけもなく
「ぐべばッ!!」
逆にナイフを仕込んだ足と胴体と頭に、連続で爆破を叩きつけられたズッケェロは、衝撃で気絶する
「ひゃっぺん死ねッ!!」
ズッケェロを
個性名ー
本体名ーズッケェロ(本名: