ザッ ザッ ザッ
「し、試験場の中に街が丸ごとあるッ!」
「雄英高校……発想のスケールが
バスがやがてたどり着いた場所は、中に大きな街そのものが存在するドーム状の試験会場だった
受験生たちがスケールの大きさに感嘆する中、バスから降りたジョルノは頭の中で試験の内容を反芻する
(仮想敵のロボットを倒してポイントを獲得する……これだけ広大ならば、単なる戦闘能力の他にも判断力の早さ、正確さが重要になってくる…)
ジョルノは眼前の町を見下ろす。見ればすでに多くのロボットが点在していて、中には仮想敵が密集しているエリアもある
(思いのほか小さい…あれならば、ぼくの“個性”で倒すことは)
『ハイスタートォオ〜!!!』
ダァンッ
突如プレゼント・マイクが告げたスタートに困惑する受験生たち。唯一、そして反射的に地面を蹴ったのはジョルノ・ジョバァーナだった
(いきなりスタートを切ってきた!やはり
通常の試験ではあり得ないマイクの行動はジョルノに直感的な確信をもたらした。ジョルノは考えを止めず、中学生とは思えない速度で街を駆ける
『どうしたあ!?実戦じゃカウントなんざねえんだよ!!走れ走れぇ!!賽は投げられてんぞ!!?』
「何だってェェ〜!?」
1人の受験生が頭を抱えて叫んだ。それをキッカケに残りの全員がジョルノを追う形で街になだれ込んでいく
そしてジョルノは2P敵と会敵する
『目標捕捉!!ブッ殺ス!!』
鋼鉄の拳を振りかぶり、接近するジョルノに向かって攻撃する仮想敵
それに対してジョルノは“個性”を使用した!
「
ジョルノの姿がブレたかと思うと、人間ではない、だが人型のなにかが拳を握り締めて現れ、目にも留まらぬ速さで仮想敵を殴りつけた
メキャァ!!
仮想敵より先に届いた攻撃は装甲と電子盤の一部を破壊し、仮想敵の動きを停止させた
周囲に敵がいないことを確認したジョルノは自らゴールド・エクスペリエンスと名付けた、自身の傍で宙に漂う人型の異形に目を向けた。テントウムシをモチーフにした無機質な体。名前にある通り金色を主にした色合いは後続から来た受験生たちの視線を釘付けにする
これがジョルノ・ジョバァーナの“個性”…否、“個性”の枠組みを超えたとしか思えない能力『ゴールド・エクスペリエンス』である
「これで2P。そして殴った感触から感じた硬度はその辺の鉄パイプを使えば充分殴り壊せる程度のもの…ロボットの破壊自体に問題はなさそうだな」
ドガァ! バギィ!
「うぅおおおッ!」
「ハッ!!」
そして周囲にはすでに他の受験生が殺到している。各々が肉体・個性を駆使して次々仮想敵のロボを破壊していく
「もう追いついてきたのか……さすが最高峰…」
『死ネェエ──!!』
ライバルたちを見て感心するジョルノに物騒なセリフを吐きながら仮想敵が背後から奇襲をかける
だがジョルノは振り返らず、ゴールド・エクスペリエンスを反転させ逆に殴り返す!
「無駄ァッ!」
先ほどよりも手応えのないロボ(おそらく1Pの敵)を破壊したジョルノは振り向いた
「!」
『取ッタ!食ラエッ!』
すると視線の先には2P敵よりも一回り大きな仮想敵が2体、ガトリングのような銃口をジョルノに向けていた
「こいつが3Pの仮想敵ッ!!分厚い装甲で身を固めた遠距離タイプの敵か!」
ドガガガガガッ!
構えられたガトリング砲が火を吹き、ジョルノを蜂の巣にする。吐き出される弾は全てゴム弾だが、
ガキィンッ!ガギィンッ!ガギィッ!
では
「ゴム弾程度ッ!!俺の“スティール”の敵じゃあねェー!!」
1P敵に
しかしすぐに考えを切り替えて、全身から金属の光沢を放つ凶悪な面の受験生と同時に3P敵に向かって走り
「オラオラオラオラァ!!」
「無駄無駄無駄無駄ァ!!」
男は鉄になった肉体の、ジョルノはゴールド・エクスペリエンスの拳のラッシュで3P敵を1体ずつ撃破する
「おおっ!?」
「ぼくの能力で攻撃を防ぐことは簡単だ。でも図らずも、君が盾になってくれたおかげで容易に3P敵を撃破できたよ。
全身鋼鉄の男、
そしてジョルノに言われた言葉を嫌味と捉えた鉄哲はジョルノを追いかけた。イタリア語で告げられた礼を知らなかった故だ
「なんか言うことねェのかよォ!?人の獲物横取りしといてよォ!!」
「君への礼ならすでに言ったじゃあないか。それにこれは試験だ。プレゼント・マイクも言っていた『
「なんだと!?」
「頼むから無駄な手間は取らせないでくれ」
ジョルノの冷淡な反論は鉄哲の怒りを煽る。そんな中でも仮想敵のロボットたちは受験生に襲いかかる
『敵ダッ!!』
『敵ガイルゾ!!』
『
「だから俺への攻撃は…」
「無駄無駄無駄無駄!!」
横道から湧いてきたロボを見据える鉄哲。だが鉄哲が1歩足を踏み出すよりも早く、滑るように宙を移動するゴールド・
「な…!」
「ぼくの『ゴールド・E』、君ほど防御力はないが、この程度の物体ならすぐにスクラップにできるパワーとスピードがある。ぼくに付いてくるなんて無駄なことはやめて、今すぐ別の場所に行くことをオススメする」
それはジョルノなりの気遣いだったが、先ほどの礼を理解できなかった事がここで悪く作用してしまう
「俺じゃあ同じ土俵にすら立てねェって言いてェのか!?冗談じゃあねエッ!!ゼッテェーてめーより点を稼いでやるよォ!!」
「だから、その為にもぼくから離れた方が良いって言ってるじゃあないか」
「うるせーッ!意地でも付いてってやるッ!」
強情な鉄哲の態度にジョルノはため息を吐きながら諦め、試験会場を駆けながらロボットを破壊していった。鉄哲もロボットを破壊はするが、いかんせんジョルノの討ち漏らしばかり倒しているのでロクに点数を稼ぐことができていない
仮想敵の数がだいぶ減ってきたところで、ジョルノは1つの違和感に気づく
(………この試験会場を相当走り回ったが、1度として0P敵を見かけていない。残骸すらもだ……なんだ?何か奇妙だ………)
ズウウウウゥンッ!!!
「!!」
「うおああッ!?なんだァ!?」
その時、凄まじい揺れが試験会場全体を襲った。地震のような揺れにジョルノも鉄哲も思わず膝をつき、自分の
「こ、これはッ…!?」
「デ…デ…」
ジョルノたち…いや、受験生全員が見上げた。試験会場の奥地から現れた、ビルと見紛うほど巨大なロボットの存在に
「デケエエエエェェェェッ!!!?」
「
満を持して現れた妨害ロボットの登場に、試験会場は一気にパニックに陥るのだった
他の小説でもある設定ですが、本作の『ゴールド・エクスペリエンス』は一応“個性”ではあるので、他の生物にも見えている設定です