黄金体験のヒーローアカデミア   作:ジャギィ

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筆が乗ったので、本日ギリギリもう1本ッ!!!


改造人間 脳無 その2

「動くなッ!俺が怪しい動きをしたと判断したらよ〜〜〜〜〜〜…………即!爆破するッ!」

「ヒーロー志望らしからぬ言動…」

 

黒霧に乗っかりながら凶悪な面構えで言い放つ爆豪の姿に、遅れてやってきた切島はそうこぼした

 

「はははは……()デ!こんだけ生徒が生き残ってるとはな…(ヴィラン)連合、恥ずかしくなってくるぜ…」

 

一方、ジョルノによって腕をやられた死柄木は自嘲気味に笑った。そして氷で動けない脳無に向かって言う

 

「起きろ、脳無」

「やめとけ…無理やり動けば凍った部分ごと砕ける。死ぬぞ」

 

死柄木の無茶な命令に轟は忠告する

 

しかし脳無は小さく震えると、凍ってない手足で凍った肉体を自ら殴り砕いた

 

「何…!?」

 

やけになったのか…全員がそう思った矢先に、脳無の欠けた部位が根元から盛り上がるように生えていき、数秒後には凍る前の状態に戻った

 

「か、体が再生した……!」

「『超再生』の個性さ。『ショック吸収』の個性も合わせて、肉体もオールマイト並みに()()()()()()。オールマイト専用サンドバッグ……つまりこの場で()()「脳無」を殺せるヤツは俺以外にいないってわけだ」

 

悪夢の宣告だった。対平和の象徴の改造人間、文字通りの怪物は死柄木の命令をじっと待つ

 

「出入り口を取り返すぞ。脳無、爆発小僧を殺せ」

 

そして命令が下った次の瞬間には、驚異の脚力で一気に爆豪まで距離を詰め、拳を握る

 

ドゴォ!

 

拳が体に叩き込まれる音が響いた。だが、それは脳無が爆豪を殴った音ではない

 

『ゴールド・エクスペリエンス』!!」

 

それはジョルノがゴールド・Eに命じて脳無を殴った音だった

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!」

 

黄金の腕が突いて引いてを繰り返す。残像が見えるラッシュが次々と脳無の頭と上半身にめり込む

 

グググ…

 

「!!」

「無駄なのはそっちだな。オールマイト以下のパワーじゃあ、どれだけスピードがあったって脳無にダメージすら与えられない……ところで……」

 

離れて戦闘を見ていた峰田が気づく。死柄木の手が、黒霧の出すワープゲートに呑まれてたところを

 

「ジョルノ────!!あいつ、黒いモヤに触れているぞ───!!」

「こ…!」

「!」

 

爆豪の方を振り向く。すると黒霧の下から、死柄木の五本指がコンクリートの地面に触れていた

 

「よそ見してていいのか?」

 

ピシリ ピシリ…ボロッ

 

「これは!」

「死ねッ!モヤ野郎ッ!」

 

地面がボロボロになって空洞に落ちる前に、爆豪は黒霧を爆破しようとする

 

しかし、ブワッと広がったワープゲートが黒霧の全身を一気に包み

 

スカッ

 

「!! クソがッ!」

 

ワープで逃げられた事で、黒霧を気絶させる事ができなかった。死柄木の隣まで戻ってきた黒霧は、小さく頭を下げて謝罪する

 

「すみません死柄木、手間をかけさせて」

「まったくだ。さっきガキを外に逃がした時も言ったが、お前がワープゲートじゃあなかったらコナゴナにしてるぞ」

「しかし、ジョルノ・ジョバァーナがこの場にいるとは…失敗したという事ですか、彼は」

 

ズッケェロの失態に黒霧は黄色い目を細める

 

一方、後退したジョルノは爆豪に怒鳴られていた

 

「クソコロネ!!てめーがちゃんと抑えていりゃあ逃げられなかったんだろうがよォ!」

「無茶言わないでください!対平和の象徴というのは嘘ではないらしい…脳無というヤツを完全に抑え込まなければ、ぼくたちは敗北します!!」

 

ジョルノは想像以上に厄介な敵に汗を流す。黒霧と死柄木を捕らえたところで、脳無がいてはそのパワーで無理やり取り返される。真っ先に倒すべきは脳無の方だった

 

(だがどうする……?ゴールド・Eのパワーも効いていない…当然爆豪の爆破も効かない事になる…轟の氷結も超再生で無意味…この無敵の怪物をどうすれば倒せる……!?)

 

唯一倒せる手段があるとすれば、それはオールマイトしかないのだが…

 

チラリを後ろを振り向くと、出血した左脇腹を押さえているオールマイトに緑谷がボソボソと話しかけていた

 

 

『オールマイト…!』

『緑谷少年、だいぶマズイ事になった……古傷をかなりえぐられた…今の私じゃあ1、2発パンチを打ち込むのが限界といった感じなんだ…』

『………!』

 

 

(何を話しているのかは分からないが、今のオールマイトから感じられる生命エネルギーはかなり少ない……なぜ立っていられるのかが不思議なくらいだ…彼に頼る事はできない…)

 

そこまで考えていて、ふと何もしてこない脳無の姿にジョルノは疑問を抱く

 

「…………」

(ボーッとしている…?なぜ脳無は攻撃してこないんだ?何か、秘密を感じられるッ)

「目の前のやつだけは特別だ脳無。()()()()()()()()()()()()

 

直後、脳無はゴールド・エクスペリエンスに匹敵するスピードで襲いかかってきた。躱した事で空振りしたパンチが地面を割る中、ジョルノの中に1つの仮説が生まれる

 

(そうか…この脳無というヤツ…!)

「峰田くん!君の個性で脳無の動きを止めるんだ!早く!」

「オ、オイラ!?なんでオイラなんだよ!?そんなの轟に頼んだ方が…!」

「早くするんだッ!時間をかけていられないッ!」

「峰田ちゃん、早くしましょう。私があなたを抱えながら動くから」

 

そう言いながら蛙吹は峰田を舌で捕まえて、蛙のジャンプで逃げ回る。その間に峰田はいくつか粘着玉を投げつける

 

「逃すな、ガキどもを殺れ、脳…」

「無駄ァ!!」

 

死柄木が脳無に指示を出す前に、ゴールド・エクスペリエンスで顔面を殴る。しかし『ショック吸収』でダメージが通らない

 

ギョロ

 

脳に埋め込まれた目がジョルノを捕捉する

 

「あ〜〜〜…うっとおしいガキだぜ、大人しくしてりゃあいいものを…ジョルノ・ジョバァーナを捕まえろ。皆殺しはそれからでいい」

「いけないッ!みんな逃げるんだッ!じきにプロヒーローの応援が来るッ!」

 

死柄木の無邪気な殺気を感じ取ったオールマイトは痛みに堪えながら大声で叫ぶ

 

だが、ジョルノを含めた生徒たちの目には強い意志が秘められていた。逃げる気はない

 

「オールマイト……こいつを連れて逃げ回る事の方が危険だ。逃げ回れば逃げ回るほど、退路を詰められるからだ…こいつはぼくが、今、戦わなければならない相手だ!!」

「ジョバァーナ少年ッ!」

 

『ゴールド・E』を傍らに出現させ対峙する。そんなジョルノに、脳無という名の暴力が襲いかかる

 

ブォン ズドォォオ!

 

「ぐうっ!」

 

脳無のボディブローをゴールド・エクスペリエンスの腕をX字に重ねてガードするが、オールマイトと同等のパワーはガード越しにジョルノの体を浮かす

 

WREEEEEAHHHH(ウリャ─────ア─────)ッ!」

 

しかしジョルノはゴールド・エクスペリエンスを操作して、脳無の足元の地面を連続で殴りつける

 

メキ…メキ…

 

すると地面の下から生えてきた木が急成長し、脳無を空中に押し出す。その隙をついて、ジョルノ・爆豪・轟が一斉攻撃をする

 

「無駄無駄無駄無駄!!」

「オッラァ!!」

「凍れ…!!」

 

拳、爆破、氷の三重奏が無防備な脳無に迫る

 

だが脳無はやってくる攻撃に対して両腕を構え

 

バキャァ!バシ バシ バシィ!

 

爆破を耐え、氷を砕き、ゴールド・Eのラッシュはスパーリングするボクサーのように掌で受け切る

 

「チィッ!」

「これでもダメか…!」

 

爆豪と轟はダメージすら入らなかった事に顔を歪めるが、ジョルノは違う

 

「いや、これでいい!」

 

グニュウ グニュウ

 

見れば脳無の掌には、能力を解除した木の枝から戻った峰田の粘着玉がひっついていた。さっきの攻撃の際に掴ませたのだ

 

「くらえエエッ!」

 

BBOM!

 

それを見た爆豪は爆破の勢いを利用して脳無の両腕を吹っ飛ばす。吹っ飛ばした先は…脳無の顔

 

ブョン

 

「!」

「やっ…!」

 

ひっついたもぎもぎの玉が脳無の顔面にもくっつき、顔と手を固定した。腕が伸び切らない為、力をうまく込められず粘着玉を引き剥がせない

 

「やったぞ!動きを封じた!」

「なんと…!」

「ジョルノたちの勝ちだァ───ッ!」

 

動きを止めた脳無の姿を見た峰田は、勝利の雄叫びをあげた

 

 

 

ブッヂィィィッ!

 

 

 

だが……あろう事か脳無は、粘着玉を自らの手の肉ごと引きちぎり…

 

ガッシィィ

 

そして次の瞬間には、ジョルノの首を掴んでいた




今回の「WREEEEEEAHHHHッ!」をキッカケに、「ーーーーー」をくっつく「─────」に変えました。でもくっつけたりその行では変えた傍線を使うくらいで、普段の単語とかは変えずに同じのを使っていきます。ちょっぴり太さが違うと思いますが、読む上で特に問題はないと思いますので、ご了承ください

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