轟のスタートダッシュと妨害、それを乗り越えるジョルノ、そして背後から追いかけるヒーローの卵たち。雄英体育祭は最初から最高潮の熱気に包まれる
「クソ…!ジョルノ・ジョバァーナ…やってくれやがった…!」
凍らせた草のボードを捨てて先に進むジョルノの背を見ながら轟はほぞを噛む
『短い草で即席のスノーボードを作ってジョルノがトップに躍り出たァァァァァー!!第一関門前から凄まじいデッドヒートだ─────!!』
『轟が凍らせた地面も草も即興で利用…やはりあいつは1年の中でも抜きん出た実力を持っているな』
『おいおいA組担当イレイザー!身内びいきは良くねえンじゃあねェの〜〜!』
『客観的な意見だ』
実況席でそんなやりとりをしているうちに、コースは広い場所に移る
『さぁ〜〜〜〜いきなり障害物だ!まずは手始め、第一関門!ロボ・インフェルノ!仮想敵ロボットがお相手だ!ご存知ッ!雄英受験実技試験で出てきたヤツらだァ!!』
プレゼント・マイクの言うように、ジョルノたちの前には見たことのあるロボがズラリと並んでいた
ただし………
「こ、これ…」
「全部…0P敵じゃあねえか────!?」
───その障害物は、最後の妨害に出てきた超巨大ロボのみで構成されたロボ軍団だった
見上げるほど大きい敵が何体もいるのを見て生徒たちはかなりの数が立ち止まる
ザン!
だが、ジョルノをはじめとした上位陣の者たちは、躊躇するどころかさらにスピードを加速させる
『おお───っと!ロボにビビるどころか逆にッ!逆に躊躇なく突き進んでいくぞおおお!』
0P敵の攻撃範囲に足を踏み入れるジョルノ。ロボの1体が腕を振り下ろすのを冷静に見定める
「試験の時は負傷した茨もいたから破壊したが…今回はその必要はない」
サイドステップするジョルノだが、それだけでは超巨大ロボの攻撃を避け切ることはできず、拳の端に直撃──
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」
──否。出現した『ゴールド・エクスペリエンス』のラッシュを側面からもろに受けた拳は、ジョルノがいた場所の真横に落ちる
そしてすれ違いざまにゴールド・Eで仮想敵の片足を叩き、通り抜けていく
「1位はもらうぞジョバァーナ…」
ジョルノが通ったルートから追いかけようとする轟だが、すでにジョルノの妨害は
グニュニュゥゥ…
「!! 脚が…!」
一瞬の間に流し込んでおいた生命エネルギー、それが仮想敵の左足をツタに変化させる。当然、細長いツタに何tもの巨体を支えるパワーはなく倒れ…
「
──倒れるはずだった
ピキッピキィ ビシビシッ!ビシッ!
しかし、轟は倒れる仮想敵のロボを瞬時に凍らせ、氷のオブジェを作り出した。ロボと地面の隙間からジョルノを追いかける
『轟、ジョルノの「ゴールド・E」の妨害を物ともせず突破するゥ───────!!』
「あの一瞬で凍らせるとは……凄い強個性だな」
「だが、あのDIOの息子…ジョルノ・ジョバァーナの個性はなんだ?植物を生み出したかと思えば金色の幽霊のようなものも操ってるぞ」
「ゴールド・Eと言う名前なのか。複合型の個性か?」
ジョルノと轟のデッドヒートを見ていたプロヒーローたちは、2人の能力を考察する
しかし、会場で戦っているのは2人だけでは
「待てやッコロネ野郎!半分野郎!」
爆豪は掌の爆破を使ってロボを吹き飛ばし
「さすがジョルノさん…!しかし負けません!」
塩崎は『ツル』を使った高速移動で仮想敵の間をすり抜け
ドゴォン!
「うわあッ!2人殴り潰されたぞッ!」
「死ぬのか!?この体育祭死人が出るのか!?」
「「死んでねェ─────ッ!!」」
拳で下敷きになるも、全身を硬くしたことでノーダメージのまま拳を持ち上げる
「…ん?」
「…アァ?」
違和感を感じて互いに横を見る2人
「お、俺と同じ“能力”ゥ───!?」
「ダダ被りの“個性”だァ!?おめーが緑谷の言ってたヤツか!」
コントじみたことをしている中、2人を追い抜く気配が……より正確に言うなら、『2人分』の気配が
「くっ…は、離れませんわ…!まるでひっつき虫のように…いえ、それ以上に…!」
「ウッヒョヒョ─!ワリーな鉄哲!オイラ先に行かせてもらうぜ───!!」
それは心底侮蔑し切った顔で走る八百万と………彼女のお尻にもぎもぎを使って密着する
「ドサクサに紛れて何やってんだァァァァァ!!」
「女に任せっきりでレースたァ、漢らしくねェぜ峰田!」
エロまっしぐらなのは知っていてもなんだかんだで敬意を持っていた鉄哲と、自分で走らず女子にひっついてレースを敢行する様子を見た切島は絶叫
「
「俺も手伝うぜ!えーと…」
「鉄哲だ!許せねえーぜあいつ!」
「鉄哲、おめー漢らしいじゃあねーか!俺ァ切島だ!よろしく頼むぜ!」
峰田という
一方、緑谷はと言うと…
『おっとー!?ヒーロー科ではもっとも最後尾の緑谷!仮想敵の装甲をひっぺがしてそれを背負って移動してる───!何がしてェんだおまえ!』
(かっちゃんも、轟くんも、ジョルノくんも…やっぱりみんな強い!個性だけじゃあダメだ!使える物はなんでも使わないと…!)
「ハァー ハァー」
ジョルノが植物に変え、元に戻したことで剥がれていた仮想敵の脚の装甲を背負いながら必死に走っていた
そして場面はジョルノの方へ戻る
ジョルノの目の前には深く大きい谷底と転々と広がる足場、それぞれの足場をつなぐロープがあった
『さァー先頭は変わらず1位ジョルノ、2位に轟だ!2人とも既に第二関門にさしかかっているぞ!第二関門は落ちればアウト!それが嫌なら這いずりな!ザ・フォ──ル!!』
マイクの言葉通り受け取るなら、地面のロープを使ってゆっくりと進む場所。つまり…
「ハッハァ─────ッ!!俺には関係ねェー!」
爆豪のように高い飛行能力やジャンプ能力を持つ者
「ロープを広く凍らせて橋にすればなんの問題もねえ…」
轟のように足場を作れる者には有利な関門なのだ
ちなみに中には
「兄や家族が見ている手前…カッコ悪いところを見せるわけにはいかないッ!!」
『カッコワリィ──────ッ!!』
ロープの上でバランスをとりながら『エンジン』で水平移動する飯田のような者もいた
では、ジョルノは?
『おおー!ジョルノ・ジョバァーナ、渡ろうとする目の前のロープをッ!!』
メキ……メキ メキ…
『巨大な木の幹に変えて足場にして駆けるゥゥ!』
「ゴールド・E!」
そう、ロープを渡りやすい木の橋にして、最短でザ・フォールを駆け抜けていた。ゆえに1位という順位は変わらない
レースは終盤に突入する